今年は水耕栽培2年目の年になります。昨年は栽培装置を何種類か作ってみたり、気になったことを実験したりしました。特に大きなトラブルはなく、私の中ではどの野菜も上手く育てられたと思っています。
ただ気になった点としては、葉の食害被害が多かったことです。カブには大量の青虫が付き、色々なところをかじられてしまいました。また冬に育てていたホウレンソウは鳥に突かれて、丸坊主となってしまいました。
青虫や鳥の対策としては、物理的に近付けさせない方法が簡単です。そこで今年からは露地栽培の「トンネル」を参考にして、栽培装置の上にネットを張って育てています。今回の記事では、私が施している防虫・防鳥方法を紹介しようと思います。
用意するもの
- ステンレス針金(直径2.6mm)
- 防虫ネット
- 養生テープ
- 水耕栽培装置
作り方
使う針金はサビに強いステンレス製のものを使用します。直径は2.6mm、番手で言うと#12です。これを使って支柱を作ります。
針金の長さは必要な分を切りましょう。今回は栽培装置の対角線×3倍の長さを用意しました。
直径2.6mmのステンレス針金は非常に硬く、家にあったペンチで切断できるギリギリの太さでした。多分、女性の方では切るのは不可能です。
このような硬い針金を切断するには、「ボトルクリッパ」と呼ばれる工具が必要になります。必要であれば購入しましょう。
この針金をコの字型に曲げていきます。直角に曲げる時には、何かの角を利用すると比較的きれいに加工できます。ただし木のテーブルで行うとその部分が凹んでしまいますので、金属素材のものや廃木材などを利用すると良いです。
あとは栽培装置に上手く取り付けできるように微調整を行います。色々試しましたが、「X」型にするのが1番使いやすかったです。
支柱は栽培装置の側面に養生テープを使って止めます。数ヶ月ほどであれば、これでも十分に耐えられます。また、収穫が終わったら栽培装置は片付ける必要があります。そのため栽培装置と針金はあえて接着せず、簡単に取れるよう養生テープで支えています。
最後に上から防虫ネットを被せて、下の方をヒモで縛れば完成です。硬い針金を使ったので、たわみにくい頑丈なトンネルになりました。
今回張ったネットは網目が1mm四方なので、鳥やモンシロチョウが侵入することはできないです。種蒔きをした後にトンネルを立ておけば、食害の被害がかなり減るでしょう。
このトンネルの弱点としては、収穫までこの中で育てられないことです。背丈が伸びる野菜や葉が広がるものは、栽培中期頃から手狭になってしまいます。
考え方としては2つあります。1つ目は、中が狭くなる頃にはおそらくチョウが卵を産む最盛期(春または秋)からは外れるはずです。ですのでネットを外して普通に育てても被害は大きくならないはず…です。
2つ目は、ネットを取り外し、その代わりに写真のような「防鳥ネット」をかけることです。実際に水菜を育てた時にこの方法を使いましたが、チョウはやって来ませんでした。このネットは目が粗いですが、それでもチョウは嫌がって近付かないようです。ただ、防鳥ネットは細くて絡まりやすいので、野菜を傷付けないように取るのが面倒でした。
実際にトンネルを作って分かったのは、直径2.6mmのステンレス針金は硬すぎて、あまりにも切るのに苦労することです。そこで、もっと柔らかいアルミ製の針金を使って同じように作ってみました。
用意したものは、家にあった直径1.5mmほどのアルミ線です。この太さでは強度が足りなかったので、2本を捩って支柱としました。
2本で1本にしたにも関わらず、切るのも曲げるのもステンレス針金より簡単にできました。その反面、やはり剛性感は落ちますが、台風レベルの風が吹かなければ耐えられそうです。支柱の素材は自分の家にある道具や体力を考えて、ステンレスかアルミを選べば良いと思います。
今回、青虫や鳥対策として針金と防虫ネットを使ってトンネルを作ってみました。少し材料費がかかりますが、育てた野菜が食害にあわないだけで簡単に元は取れてしまいます。また一度作れば使い回せますので、とても便利な道具です。もし青虫や鳥の被害に困っている方がいたら、この記事を参考にして作ってみてはいかがでしょうか。
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ステンレス製の針金で支柱を作ると、かなり強度のあるものができます。しかしその代わりに、切るのにとても力が必要です。もしアルミ針金を使うのであれば、直径3mmや4mmのものが良いかと思います。
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今回は網目が1mm角の防虫ネットを使いました。この大きさならば鳥やチョウは絶対に通ることができません。体感ですが、アブラムシの被害も少し減ったような気がします。