先日、お菓子作りに使うためにデジタル式温度計を買いました。これがどの位正確なのかを調べるために、今まで使っていた赤いアルコールの入ったアナログ式温度計と一緒に測定してみました。
とりあえずコップにお湯を入れて、双方の温度計をさしてみます。自分の予想では、デジタル式とアナログ式の誤差は1℃くらい、温度の追随性はデジタル式の方が高くなるはずでした。しかし軽い気持ちで行なったこの実験により、いままでのお菓子作りの温度管理が?になることを、この時はまだ知らなかったのです...
コップに入れたお湯の温度を測ってみるとデジタル式は87℃、アナログ式は82℃でした。温度差が大きかったので、アナログ式は温度が上がるまで時間がかかるのかな?と思いながらもう少し待ってみます。お湯をコップに入れただけなので、温度は徐々に下がってきます。しかし温度は下がっても差は5℃でした。
測定原理が違う温度計と言えども、この温度差は明らかにおかしいです。考えられるのは
・デジタル式が高く表示されている
・アナログ式が低く表示されている
・デジタル式アナログ式どちらも間違っている
の三通りです。それを確かめるために「鍋で沸騰している熱湯」「電気ポットのお湯」「水道水」「氷水」の温度をそれぞれ測ってみました。沸騰している湯は100℃、電気ポットの湯は98℃、氷水は0℃となるはずです。その追加試験をしたデータが下になります。
アナログ式 | ||
---|---|---|
沸騰している熱湯 | ||
電気ポットのお湯(98℃) | ||
水道水 | ||
氷水 |
電気ポットのお湯は、ポットの蓋を開けて直接温度計を入れました。蓋が開いているせいか、本体表示温度(98℃)よりも低い結果となりました。
データを見てみると、全体的にアナログ式の方が低い温度を示しているのが分かります。温度差は低温では少ないですが、高温になると差が約5℃と大きくなる傾向が見られました。アナログ式で氷水を測るとマイナス側に行ってしまい、明らかに低く表示されてしまうのが分かります。
この結果より、デジタル式温度計は比較的正確で、アナログ式の表示温度は実際よりも低く出ることが分かりました。もしかしてアナログ式が低くなる原因は、
温度計の液溜まり部分が加熱されて、赤いアルコールが膨張する
↓
柄の細い管に流れる
↓
柄の部分は加熱されていないため、冷えて体積が減少する
↓
実際の温度より低くなる
ということでしょうか。
お菓子を作る時には今までこのアナログ式の温度計を使っていました。今回実際の温度よりも低くなることが分かりましたので、蒸気温度80℃で加熱していたプリンは、本当は85℃くらいで加熱していたと思われます。まあ、この温度で蒸してもスが入ったことがないので大丈夫でしょう。もしかしたら温泉卵などの温度管理が重要な料理の場合は、5℃の差で固まり具合が変わるかもしれません。
まさかアナログ式温度計が実際の温度よりも低く出るなんて思いもしませんでした。しかしアナログ式にはアナログ式の良いところがあります。デジタル式と同時に測定して「クセ」を掴みながら使っていきたいです。
今回デジタル式はほぼ正確な値となりました。ですのでデジタル式の値を真として、アナログ式温度計の誤差を補正していこうと思います。