最近は家庭だけではなくコンビニや新幹線の中でもwifiの電波が飛んでおり、何時でもすぐにインターネットに繋げることができます。この様な環境になったおかげか、「IoT(Internet of Things)」=モノとつながるインターネット が普及し始めています。例えば、帰宅途中にスマートフォンを使ってエアコンの電源を入れたり、心拍数を組み込んだTシャツからリアルタイムでデータが送られてくる…などです。
IoTの機材は市販のものを使わなければダメ…と思いきや、個人でパーツを購入し、それらを組み立てても作れるらしいのです。そこで新しい試みとして、私の趣味である水耕栽培にIoTを活用してみようと思います。
この『IoTで水耕栽培』シリーズでは細かい事は他のウェブサイトにお願いして、要所要所を説明していきます。内容は数回に分けて書き、簡単なことから徐々に難しいことにチャレンジしていく予定です。それでは第1回目「準備編」のスタートです。
電子工作に必要なもの
水耕栽培とインターネットを繋げるあたって必要なのは「電子部品」「パソコンとプログラミングの知識」、そして「自分で調べる力」です。流れとしては、調べる→電子部品を組合せる→パソコンでプログラムを作る→書き込む になります。
プログラミングは少し難しいですが、コードを自分で1から書くよりも、他の方がブログなどで公開しているコードをコピーする方が多いです。慣れてくると「ここのコードはこの動作をするのか」と分かってきます。それまでは何をしているのか意味不明だと思いますが、修行期間だと思って頑張りましょう。
私が考えるに、電子工作で最も大切なのは「調べる力」です。電子部品の組み立てやプログラミングでは、パーツの仕様違いや実行環境によって、思ったように動かない時があります。その時には様々なワードでネット検索をすることになります。何よりも調べ物の時間が一番長いので、その力が重要となります。
電子部品の購入先
・Aliexpress
https://ja.aliexpress.com/
私は主にAliexpressを使って部品を買っています。メリットは価格の安さで、国内で買うよりも数分の1になることも多々あります。デメリットは中国から発送されるので、到着までに数週間かかる時があります。また包装が簡素なので、届いた電子部品の脚が曲がっていることがあります。商品説明が雑など細かいことを挙げればきりがないですが、私は圧倒的な安さに釣られて利用しています。
・Amazon
https://www.amazon.co.jp/
・秋月電子通商
http://akizukidenshi.com/catalog/default.aspx
・スイッチサイエンス
https://www.switch-science.com/
これらのショップは日本国内にあるので、注文してから届くまでが早いです。特に秋月電子通商とスイッチサイエンスは商品説明が詳しく書かれており、Aliexpressと比べると天と地との差です。電源などの重要な部品や工具はこちらから購入することが多いです。
電子部品は上記の4店で大半の物は揃います。安さのAliexpress、安心の国内ショップ。お財布の中身を考えながら選ぶと良いです。
無線通信ボード
今回はIoTを水耕栽培に導入します。イメージとしては何らかのデータを測定してネット上へ送信するのですが、送信の方法として有線通信と無線通信があります。我が家にはwifiの電波が飛んでいますので、ケーブルの取り回しが少なくなる無線通信でデータを送りたいと思います。
そこで用意したのが無線通信モジュールであるESP32を組み込んだ「ESP32-WROOM-32 開発ボード」です。これはマイクロコンピュータの一種で、指定した動作を繰り返し行ってくれる機械になります。今回はこの開発ボードを使って測定データの送信などをしたいと思います。
写真の開発ボードはAliexpressを使って個人輸入したものです。詳しい情報は分からないのですが、形状から考えるにDOIT社製の開発ボードV1の互換機だと思います。価格は送料込みで1個600円ほどしました。
無線通信ができる開発ボードは他にもあり、外見が似ている『ESP32-DevKitC』もあります。こちらはピンの数や配置が違いますが、もし分かるようであればこの開発ボードを使っても良いです。
ESP32を搭載した開発ボードは『Arduino IDE』でスケッチの書き込みを行うことができます。ArduinoのWebページ(https://www.arduino.cc/)からダウンロード後、インストールしておきましょう。
まとめ
「IoTで水耕栽培」の第1回目では心構え、電子パーツの購入店、使用する開発ボードについて紹介しました。1番大切なのは「やってみよう」と言う気持ちで、それさえあれば何でもできます。次回では実際にプログラミングをして、開発ボード上にあるLEDを光らせてみます。
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【IoTで水耕栽培 参考記事】
- IoTで水耕栽培 第1回目。目指せ、水耕栽培とウェブの融合!
- IoTで水耕栽培 第2回目。基板上のLEDを光らせましょう
- IoTで水耕栽培 第3回目。センサーモジュールを繋げて温湿度を測定しましょう
- IoTで水耕栽培 第4回目。ESP32開発ボードをインターネットに接続します
- IoTで水耕栽培 第5回目。Googleスプレッドシートに測定データを送信します
- IoTで水耕栽培 第6回目。温湿度センサーで取得したデータを無線で飛ばしましょう
- IoTで水耕栽培 第7回目(最終回)。栽培装置にセンサーを入れて26時間のデータ取りを行います