お菓子作りを趣味している人は日本各地にいます。甘いものが好きだったり、美味しいものを食べたかったりする理由からお菓子を作っていると予想しています。お菓子作りはその性質上、女性の方が趣味人口が多いかもしれません。しかし私のように男も少なからずいます。
趣味でお菓子を作っている少数の男には、とある共通点があるというのが私の持論です。それは『お菓子作り好き男(=お菓子男)は理系であり、化学実験が好きである』です。
今までの人生の中で「料理はしてるよ」と言った男性は意外と多くいましたが、「お菓子作りが趣味です」と言った方は皆無です。まあ、私の友人知人その他はあまり多くないので当てにはできませんけど、もしお菓子男に会ったらその人は理系とみてまず間違いないしょう。
ではなぜ理系なのか?それは「お菓子作り=化学実験」であるからです。化学実験のイメージでは怪しげな液体を混ぜているマッドサイエンティスト、とお思いでしょうが実際は違います。使う試薬は0.01gまで正確に量り取ったり、使う水の量も厳密に決まっています。また反応時間は秒単位で管理しなくてはならない場合もあります。もし初めて行う実験の場合には情報収集をして、場合によっては何回も予備実験を行ってから本実験に挑みます。
一方でお菓子作りはどうでしょうか。材料はグラム単位で決まっていますし、水も多く入れすぎると失敗してしまいます。オーブンで焼く時間はある程度決まっていて、あまりにも適当だと生焼けだったり焦げたりしてしまいます。また初めて作るお菓子は、ちゃんと食べられるものができるように、ネットや本で情報収集をしてから作ります。
これらの特徴から、お菓子作りは化学実験と似ていると感じるでしょう。むしろのお菓子作りは化学実験の一部であるとも言えます。実際にプリンはタンパク質の熱変性で固まりますし、重曹でパンが膨らむのは二酸化炭素が発生するからです。家庭科の授業で先生が、「料理とは化学である」と言っていましたが、確かにそうです。
お菓子男にとってお菓子作りとは、家でできる化学実験をしているようなものなのです。もし仕事で化学実験系のことをしている分析技術者や検査業務の人は、きっかけがあれば確実にお菓子作りにハマるでしょう。下手をしたらお菓子1つを作るのに、砂糖の量や加熱時間を微妙に変えて何個も作ったり、材料の種類(例えばグラニュー糖・上白糖・三温糖など)を変えて味の変化をみることもしてしまいます。満足のいく実験結果=味になるまで止まることを知りません。
お菓子作りとは化学実験であり、お菓子作りを趣味にしている男性は実験好きの理系である、というのが私の予想です。当人の目にはエプロンは白衣、ミキサーは粉砕機、オーブンは反応容器に見えていることでしょう。もしお菓子男に会う機会があれば、この予想を証明したいと思います。
この商品はいつか購入してみたい料理の本です。科学的な面から料理を書いていますので、他のレシピ本とはマニアック度が違います。需要がないせいか7000円近い高額な本なので、まだ買う決意ができていません。