先日、お茶パックが培地として使用できるかの栽培実験を行いました(参考記事:「お茶パック」の培地を使ってサラダミックスを室内栽培。まずは小さい容器でテストをしましょう)。しかし蒔いた種は成長不良を起こしてしまい、お茶パックは培地として利用できないことが分かりました。この時に気になったのは、なぜ成長不良を起こしたのか?ということです。可能性として考えられるのは、
- 光を24時間連続照射したため
- 培地に使ったお茶パックによる影響
- 増殖した藻によるもの
です。
藻の増殖をコントロールするのは難しいので、今回の栽培では野菜の品種や光の照射条件はそのままに、培地をお茶パック→バーミキュライトへ変更して行うことにします。もししっかりと育つようであれば、お茶パックに問題があったと言えそうです。それでは検証栽培を始めましょう。
- 種
- 栽培装置
- 液体肥料
- 2021年1月16日 種蒔き
- 2021年1月19日 発芽(発芽から0日目)
- 2021年1月23日 本葉が出る(発芽から4日目)
- 2021年1月27日 順調な成長(発芽から8日目)
- 2021年1月31日 栽培終了&まとめ(発芽から12日目)
種
種は以下の5品種、
- 水菜
- 赤水菜
- わさび菜
- 小松菜
- ルッコラ
を体積比で同量混ぜたものを使用します。
栽培装置
は
栽培装置はこの記事《野菜の室内栽培で使うライトを改良。非防水型のLEDテープと大きなアルミ板を使って問題を解決します》を参考にして作成しました。ライト部乗せている発泡スチロール箱のサイズは、幅39cm×奥行32cm×高さ26cmになります。箱の内側にはアルミ蒸着保温シートを取り付けて、できるだけ光が反射するようにしました。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
2021年1月16日 種蒔き
栽培容器はお茶パック栽培でも使った「電子レンジで温野菜ができる」商品を利用します。
まず土留めとしての不織布をカゴの内側に設置し、その後バーミキュライトを厚さ約2cmとなるように入れました。種はできるだけ重ならないように培地の上にバラ蒔き、厚さ2〜3mmとなるように覆土を行いました。
そしてライトを点けた栽培装置にこの容器を置き、発芽するのを待ちます。以降はライトは消さずに、栽培が終わるまでずっと点灯させておきます。
2021年1月19日 発芽(発芽から0日目)
双葉が開きましたので、本日を「発芽から0日目」として記録していきます。今の時点ではお茶パック培地と同じ成長度合いです。
2021年1月23日 本葉が出る(発芽から4日目)
双葉は成長し、その間からは本葉が見えてきました。どの株にも障害らしい症状はなく、順調に成長しているようです。
2021年1月27日 順調な成長(発芽から8日目)
発芽から一週間が経過しました。種を蒔いた5品種の中で、1番成長が早いのは水菜です。もうそろそろ本葉が容器の外に出てしまいそうです。
もちろん水菜以外も育ちつつあります。写真中央のわさび菜は2枚目の本葉が見えています。
太陽光と比べてLEDの光は弱いので、上手く育つか不安でした。しかし今のところは葉の色も濃く、特に問題なく成長しています。
2021年1月31日 栽培終了&まとめ(発芽から12日目)
前回よりもかなり大きくなったのが分かります。やはり水菜が元気なようですね。茂っている葉で影になるせいか、培地の表面に藻が生える現象は起きていません。
24時間光を当てていると葉の成長が早いので、見ていて楽しいです。
根はカゴの隙間から出て、液肥の中で伸びています。
それでは培地の違いによる成長差を確認しましょう。写真上が以前に育てたお茶パック培地(発芽から14日目)、下が今回のバーミキュライト培地(同12日目)になります。使用した種や容器、光の照射時間は同じですが、これほどまでに違いが出ました。やはりお茶パック培地では、成長が阻害されてしまうようです。
バーミキュライト | お茶パック | |
---|---|---|
培地の厚み | 厚い | 薄い |
培地表面の藻 | なし | あり |
根への光照射 | なし | あり |
バーミキュライト培地とお茶パック培地の違いを挙げたのが、上の表になります。この中に成長に関わる要因が隠れている気がします。さらに研究していけば、野菜の栽培スピードを早められる条件が見つかるかもしれないですね。
この記事が水耕栽培の培地選定のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。