野菜は種からでなくても、根が付いていれば簡単に育てる事ができます。例えば、根ありで売られている小ネギやミツバは、株元を長めに切って土に植えておくと数日で葉が再生してくれます。
先日、料理の材料を買いにスーパーへ行ったところ、「セリ」が置いてありました。このセリも小ネギと同じように根付きです。袋詰めの関係で根は切られていましたが、十分な長さと量が付いています。これならば再生栽培ができるでしょう。そのためこのセリを購入して育てることに決めました。
今回の栽培では、購入したセリの再生&水耕栽培を試みます。この野菜は耐陰性があり、日陰でも育てられるらしいです。そこで栽培装置に植え付け後は室内で管理して、カーテン越しの柔らかい光に当てます。弱い光であれば葉や茎が柔らかく育ち、料理に使いやすくなると思います。それではセリの栽培を始めましょう。
- 栽培装置
- 液体肥料
- 2023年2月19日 水挿し(0日目)
- 2023年2月21日 芽が伸びる(2日目)
- 2023年2月26日 植え付け(7日目)
- 2023年3月6日 再生中(15日目)
- 2023年4月16日 強剪定&屋外に出す(56日目)
- 2023年4月22日 再生中(62日目)
- 2023年5月4日 根腐れの可能性(74日目)
栽培装置
栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にして組み立てました。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
2023年2月19日 水挿し(0日目)
こちらがスーパーで購入したセリです。10本1束として売られていました。根はしっかりと出ており、長さ5cmほどで切られています。少し黒ずんでいる箇所もありますが、全体的に状態は悪くないです。
このセリは新芽が残るように、茎をやや長めに切り落としました。地上部は料理に使い、株元を再生栽培していきます。
時間の関係で、本日は植え付けができません。そのためこれらの株元をプラスチック製のカップに入れて、根の部分を水道水を満たしました。そして明るい窓辺に置き、一時的に水栽培をしておきます。水は腐敗防止のために、1日2回交換します。この状態で次の週末になるのを待ちましょう。
2023年2月21日 芽が伸びる(2日目)
水栽培から2日が経過しました。株元に小さく見えていた新芽が伸びている最中です。思っていた以上に早い成長です。
2023年2月26日 植え付け(7日目)
水挿しから1週間がたちました。どの株も腐ることなく生き残っています。
透明なカップを使っていたためか、光が当たった根は緑色になりつつあります。また購入時にはなかった、真っ白な根も生えてきています。
新芽は順調に伸びて、葉が開きました。同じセリ科であるパクチーと形が良く似ていますね。
それでは栽培装置に定植をしましょう。水栽培をしていた株の中から、成長が良いものを4つ選びました。
セリは株元からの分岐が多そうなので、密集しないように間隔を開けて植えていきます。
これで植え付け作業の完了です。枝が1本ずつしかないので、かなり寂しく感じますね。
セリは耐陰性があり、日陰でも育つとのことです。そのため今回は栽培装置を明るい南向きの窓辺に置いて、室内栽培を行います。この部屋は基本的に暖房を付けないですが、晴れていれば室温は15〜20℃まで上がります。この暖かさで早く成長してもらいましょう。
2023年3月6日 再生中(15日目)
植え付けから2週間がたちました。葉が大きくなったことが見て取れます。
株元からは新芽が出てきました。順調に再生していますね。
このセリはレースカーテン越しで育てていますが、そのカーテンを開けた際に枝が引っかかって折れてしまいました。ただ、折れたと言うよりも潰れながら曲がった感じです。今後は気を付けてカーテンの開け閉めをしたいと思います。
2023年4月16日 強剪定&屋外に出す(56日目)
前回の報告から40日が経過しました。日がたつにつれて太陽の位置が高くなり、最近では窓辺でも直射日光が入らなくなってしまいました。そのためか徒長が始まっているようです。
光を求めて茎が間延びし、倒れてしまっています。日陰を好むセリとは言え、今の環境ではさすがに暗いようです。
徒長以外にも良くないニュースがあります。栽培装置へは4株を植え付けましたが、そのうちの1株が枯れてしまったのです。
根は完全に腐っており、簡単に引き抜けました。これは光が足りなかった影響なのか、判断が難しいところです。
どちらにせよ、徒長しているので本日からは屋外の日陰に出して育てます。仕立て直しをしますので、全ての葉を収獲しましょう。
作業の完了です。初収穫としてはまずまずの量です。本日の夕食にはセリのスープを作りたいと思います。
全ての枝葉を採ったので、セリは棒状になりました。ここからの再生に期待です。
2023年4月22日 再生中(62日目)
前回から1週間がたちました。枝の中にあった葉が伸びてきて、徐々に開いてきています。
成長が早いので、次の収穫は比較的早くできそうですね。
2023年5月4日 根腐れの可能性(74日目)
4月の成長は順調だったのですが、5月に入ってから少し調子を落としている気がします。右側の傾いている株に注目です。
指でつまんで軽く動かすと、ぐらつきを感じます。斜めに成長しているのではなく、根が上手く張れていないせいで傾いているようです。
液肥槽を確認すると、栽培日数の割には根の量が少ないです。また一部は根腐れが起きたのか、茶色くなっています。もしかしたら、ぐらついている株は根がダメになっているのかもしれません。そこで株元に培地を盛り、新しい根が出やすいようにしておきました。
前回、枯れてしまった株を抜き取りましたが、その場所に隣の株からの脇芽が伸びてきました。セリを見ていると節から根が出てくるようですので、圧条法のように節を埋めたら発根するのではないでしょうか?
ものは試しと言うことで、バーミキュライトで節を埋めてみました。発根すると嬉しいのですが、どうなるでしょうか?