ミツバを大きめのザル+バケツで水耕栽培しています。これならば大きく育っても収穫作業がしやすいはずです


 2021年3月〜2022年4月にかけてミツバの水耕栽培を行いました(参考記事:ミツバの水耕栽培に挑戦しています。今回は再生栽培ではなく、種から育ててみましょう)。この時は5L容器とプラスチック製カップ6個を組み合わせた栽培装置を使いました。ミツバの成長自体は悪くなかったのですが、問題点としてプラカップが狭いために収穫や剪定などがやりにくかったです。そこで今回は口径24cmのザルとバケツを利用した大型の栽培装置でミツバを育てることにしました。これだけの面積があれば、根本の茎にハサミを入れやすそうです。

 前回と同様に今回のミツバも種から育てます。ただ、この種は昨年に買ったものです。ミツバの種は短命と聞いていたため冷蔵庫で保管していましたが、発芽率が悪くなっている可能性があります。そのため種は少し多めに蒔いて、芽の出る確率を上げたいと思います。それではミツバの栽培を始めましょう。

 

 

 

 

栽培装置


 栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にして組み立てました。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

 

2022年8月25日 種蒔き


 直径9cmのポリポットを2個用意し、それぞれに培地であるバーミキュライトを入れ、液肥で十分に湿潤させました。発芽率が低い可能性を考慮し、種は15個ほどを各ポリポットに蒔き、覆土は3mm程とします。このポリポットは半日陰の屋外に置いて、発芽するのを待ちます。

 

2022年9月3日 発芽(発芽から0日目)


 双葉が開きました。そのため本日を「発芽から0日目」として記録を付けていきます。今のところ、発芽した種は1個のみです。ミツバの発芽は揃いにくいので、もう少し待ってみましょう。

 

2022年9月11日 1回目の間引き(発芽から8日目)


 発芽率を心配していましたが、その必要は全くなかったようです。8割ほどの種から芽が出てきました。さすがに窮屈そうなので、間引きをして空間を開けてあげましょう。


 混み合っている部分を中心に、ハサミで茎を切っていきます。


 これで本日の作業は終わりです。数日をかけて徐々に間引きをしていき、1ポットに3株となるようにする予定です。

 

2022年9月21日 本葉が出てくる(発芽から18日目)


 だんだんと株の数を減らして、予定通りの1ポットあたり3株としました。ミツバらしい本葉も出てきており、順調に成長中です。


 今後、これらの6株は間引きをせずに育てます。そして栽培装置に植え付ける時に1株ずつに分ける予定です。

 

2022年9月29日 栽培装置へ定植(発芽から26日目)


 間引きで残した6株のうち1株が枯れてしまいました。それでもまだ5株があるので栽培には影響ないです。ただ、左のポットの成長具合があまり良くない感じがします。


 どの株も本葉が3枚ほどになりました。あまり成長するとお互いの根が絡まって解くのが大変なので、このサイズで栽培装置に定植をしたいと思います。


 それぞれの株の根を切らないように取り出し、装置のザルへと置いていきます。


 位置を調整し、周りをバーミキュライトで埋めて定植の完了です。作業中に気付いたのですが、1株の葉色が他の株と比べて薄いです。調子が悪いのかもしれません。早めに回復してくれると嬉しいです。

 

2022年10月9日 2株脱落(発芽から36日目)


 調子の悪かった1株は植え替え直後に枯れてしまいました。さらに数日がたつともう1株が脱落し、現在は3株となっています。これ以上減ってしまうと、収穫量に影響が出てしまいそうです。


 株の中心からは新芽が出てきていますが、成長はかなり緩慢です。やはりミツバの初期成長は遅いですね。気長に待ちましょう。
 

2022年10月31日 葉の数が増える(発芽から58日目)


 10月も終わりとなりました。気温が下がってきたせいか、成長速度が早まったように感じています。葉の数が増えて、緑色も濃くなってきました。このペースならば1ヶ月後には初収穫ができそうです。

 

2022年12月6日 もう少しで収穫(発芽から94日目)


 この1ヶ月間は特に報告するような事はなく、とても順調に育っています。


 株元からは何本かの新芽が出ており、


 開いている葉は十分な大きさとなっています。もう少し葉の数が多くなったら収穫をする予定です。


 ちなみに根はザルの外に出ており、一部は液肥槽に届いているものもあります。そこで液肥を足して水面を上げておきました。液肥に浸る根が増えることで成長スピードが高まると嬉しいです。

 

2023年1月2日 初収穫(発芽から121日目)



 前回の報告で「収穫をする」と書きましたが、何もしないまま1ヶ月が経過してしまいました。寒さに耐えるためか、葉を地面近くに下ろしてロゼット状態になっているミツバです。


 本日、ミツバを使う料理がありますので収穫します。大きい葉を中心に何本かを採っていきます。株間が広く、ハサミを入れやすい点がとても良いです。


 今回は7本ほどを収穫しました。これらは荒く刻んでかき揚げに入れる予定です。



 収穫後の株が上の写真になります。あまり量は採っていないので、すぐに再生してくれるでしょう。


 冬場は寒さで成長が遅くなったり、霜で葉が痛む場合があります。そこで室内(南向きの明るい窓辺)に移動させて栽培を続けます。これで最も寒い1月下旬〜2月上旬でも収穫ができそうです。

 

2023年1月30日 アブラムシ退治(発芽から149日目)



 室内に取り込んでからは、新芽がどんどん出てきています。やはり屋外よりも温度が高いので、真冬でも成長するようですね。


 出てきた葉は小さめですが、このくらいのサイズの方が汁物には使いやすくて良いです。


 葉にベタつきがあったので、もしやと思い裏を確認すると、やはりアブラムシがいました。また少量ですがハダニもいるようです。このまま放置していると室内で大量増殖してしまうので対策を行います。


 今回は「ベニカベジフルスプレー」を散布して退治をします。この薬剤はアブラムシには効きますが、恐らくハダニには効かないでしょう。もしハダニが増えるようでしたら、他の方法で対処したいと思います。

 

2023年2月20日 収穫&整理(発芽から170日目)



 前回、農薬を散布しました。その結果、アブラムシは全滅し、また見る限りはハダニもいなくなりました。素晴らしい効果です。


 カーテン越しのやや弱い光が当たっているおかげか、葉の厚みが薄くて軟らかそうです。装置の中心部が込み入っているので、収穫をしてスペースを開けましょう。


 収穫作業ついでに、枯れた部分を取り除いて整理をしていきます。


 今回の収穫ではひとつかみ分が採れました。このミツバは冷蔵庫で保管し、料理の彩りに使いたいと思います。



 収穫後もまだ株に多くの葉があります。これからも大きく育った葉から順次採っていきましょう。

 

2023年3月12日 ハダニを発見(発芽から190日目)



 気温が上がってきたおかげか、葉が大きくなってきました。暖かくなって成長が早まるのは良いことですが、一方で招かざる客を発見してしまいました。


 それはハダニです。部屋の中で育てているので大丈夫かと思いきや、しぶとく侵入してきました。このまま室内で栽培をしていると、他の植物に移動する可能性があります。そのため本日からは、直射日光の当たらない屋外に移動させて栽培を続けます。

 

2023年4月1日 特に変化なし(発芽から210日目)



 今のところ、ハダニは増えていません。やはり室内では風通しが悪くて発生してしまったようです。


 株元からは新しい葉が次々と出てきています。これからも使う度に収穫していきましょう。

 

2023年4月16日 ハダニの被害急拡大(発芽から225日目)



 増えもせず減りもしなかったハダニが、ここ1週間ほどで一気に増えてきました。新芽も出てこなくなっており、明らかに成長不良となっています。


 ハダニの被害にあっている葉は、緑色が抜けて黄緑色になっています。


 さらに被害が進むと、この葉のように完全に黄色となり枯れます。


 過去の経験から、ハダニが大量発生した場合は、薬を撒くよりも葉を全て切り取ってしまう方法が1番効果があります。育てている野菜によっては使えない方法ですが、ミツバの場合は再生力が高いので大丈夫でしょう。それでは葉を株元から切っていきます。


 これで作業の完了です。全ての葉がなくなり、それに伴ってハダニもいなくなりました。新しい葉が生えてくるのを待ちます。

 

2023年4月22日 再生中(発芽から231日目)



 全ての葉を切り取ってから1週間が経過しました。新葉が出てきており、順調に回復しています。


 新葉にはハダニがいないので、非常にきれいな緑色です。もう少し成長したら、また収穫できるようになりますね。

 

2023年5月4日 根腐れ(発芽から244日目)



 ミツバはほぼ以前の姿に戻りました。ハダニは見つからないので、駆除に成功したと言って良いでしょう。


 ただ今度は、株元付近で十数匹のコバエが飛び始めるようになったのです。何かの異常が起きているのは明らかです。液肥槽の根を確認します。


 ザルを持ち上げると、根が黒っぽくなっていました。もしかしたら根腐れが起こっているのかもしれないです。一応、新しい葉は展開しているので、酷い根腐れではなさそうです。
 根腐れの場合、傷んでいる根を取り除いてから、再度植え付けると回復することが多いです。このミツバにも同じ方法を試してみます。


 まずは葉の量を半分にし、根を野球ボールほどのサイズまで切り詰めました。次にバケツに水を溜めて、その中で腐った根を落としていきます。


 これで洗浄の完了です。根が見える状態になったことで、コバエが湧いた原因が分かりました。右側の株に注目です。


 株元近くの根が焦げ茶色になって腐敗しているのが見て取れます。また軽く引っ張ると株がバラけて1個1個となってしまいました。恐らく腐った根にコバエの幼虫が住み着き、羽化を繰り返していたようです。腐っていた部分は流水で丁寧に洗っておきました。


 余談ですが、他の2株は根元が引き締まり、白色の根となっています。


 本日は時間の都合で栽培装置に植え付けができません。そのため一旦ポリポットに仮植えをして、明日作業の続きを行います。

 

2023年5月5日 再植え付け(発芽から244日目)


 翌日になったので作業を再開しましょう。ポリポットから株を抜き出して、洗浄済みの栽培装置に植え付けていきます。



 これで作業の完了です。大半の根を切ってしまいましたので、水を吸い上げる能力が一時的に落ちています。そこで今後1週間は日光に当てずに、根が伸びてくるのを待ちます。

 



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