以前にワケギの栽培にチャレンジしました(参考記事:ペットボトルを使って「ワケギ」を半水耕栽培。2〜3回収穫できるので経済的です)。ほぼ放置状態でもグングン成長し、簡単に収穫を迎えました。しかしこの栽培の問題を挙げるとするならば、3株しか育てなかったため満足のいく収穫量とならなかったことです。やはり料理に使うにはもっと数が必要です。そこで今回はバケツとザルを組み合わせた大型の水耕栽培装置で、8株を同時に栽培する試みを行います。
栽培するワケギですが、昨年、我が家では庭でワケギを育てていました。収穫しつつも放置気味にしていたら分球し、思いもせずに大量の球根が手に入ってしまったのです。そこで今回はこの球根を水耕栽培装置に植えてみたいと思います。
ワケギの球根を確認すると、すでに芽や根が出ている状態です。植え付ければまたたく間に育ち、収穫できるでしょう。それではワケギの水耕栽培を始めます。
- 栽培装置
- 液体肥料
- ワケギの球根
- 2022年9月21日 植え付け(0日目)
- 2022年9月25日 発芽(4日目)
- 2022年10月2日 順調に成長中(11日目)
- 2022年10月15日 アザミウマの被害(24日目)
- 2022年10月24日 初収穫(33日目)
- 2022年11月22日 茂る葉(62日目)
- 2022年12月6日 徒長?気味(76日目)
- 2023年1月2日 刈り込み(103日目)
- 2023年1月29日 回復中(130日目)
- 2023年2月20日 成長中(152日目)
- 2023年3月5日 再収穫間近(165日目)
- 2023年4月1日 再収穫開始(192日目)
- 2023年4月9日 強風で倒れる(200日目)
- 2023年4月22日 休眠(213日目)
- 2023年5月3日 球根の回収(224日目)
- まとめ
栽培装置
栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にして組み立てました。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
ワケギの球根
こちらが今回植え付けるワケギの種球です。花かご1杯分の中から十分に大きいものをピックアップしてきました。
初夏に掘り起こして風通しの良い場所で保管していたら、秋になり芽や根が出てきました。この状態ならば、すぐに収穫できるサイズになると思います。
2022年9月21日 植え付け(0日目)
直径24cmのザルの中に8株、それぞれの距離は約6cmで植え付けます。かなり密集しているように感じますが大丈夫でしょうか。
種球は芽が少し出るくらいの深さで培地(バーミキュライト)に埋めました。この栽培装置は良く日光のあたる場所に置いて、葉が伸びるのを待ちます。
2022年9月25日 発芽(4日目)
特に問題なく、全ての球根から芽が出てきました。ワケギは小口切りにして料理の彩りとして使いたいので、早く大きくなってほしいです。
2022年10月2日 順調に成長中(11日目)
順調すぎるくらいに成長しています。葉は青々としており、すでに美味しそうです。
葉は株元からどんどん出てきています。もう少し伸びたら、固くならないうちに収穫をしようと思います。
2022年10月15日 アザミウマの被害(24日目)
ワケギは雑草のような勢いで伸びています。植え付けから20日を過ぎると十分に採れるサイズとなるようですね。
早速収穫を…と思い葉元を切ろうとしたところ、表面にごく小さい黒い粒がたくさんあるのに気が付きました。さらに確認をすると、この黒い粒があるところは表皮が削られているようにも見えます。この感じは虫による食害でしょう。
目を凝らすと、体調1mmにも満たない黒い虫がところどころにいました。その近くには孵化したてと思われる黄色い幼生もいます。調べると「ネギアザミウマ」のようです。
このままにしておくと被害は増える一方なので、薬を使って退治をしましょう。今回はベニカベジブルスプレーを使います。この商品は希釈する必要がないため、家庭菜園ではとても使い易いです。収穫はアザミウマがいなくなった来週に行いたいと思います。
2022年10月24日 初収穫(33日目)
アザミウマの被害はぴたりと止まりました。新しく生えてくる葉はどれも綺麗な状態です。薬の効果は絶大ですね。
それでは予定した通り収穫を行います。今回は料理の彩りとして使いたいので、数本をハサミで切ります。
これで初収穫の完了です。採りたてなので香りが良く、料理にとても合いました。これからも使いたい時に少しずつ収穫をしながら育てていきます。
2022年11月22日 茂る葉(62日目)
料理で使う量よりも成長するスピードが早いので、かなり茂ってきています。
葉は濃い緑でとても美味しそうです。葉先の枯れも少ないですし、良い状態で育っているようです。
2022年12月6日 徒長?気味(76日目)
全体の姿は前回の報告時(2週間前)と大きな差はありません。
栽培開始から2ヶ月以上が立っていますが根はクリーム色〜白色を保っており、またどんどん伸びています。根腐れもなく非常に健康です。
今回の栽培ではザルの縁に7株、中心に1株を植えました。全てが成長した現在、中心にある株は光が届きにくくなっているためか、茎が徒長傾向にあります。中心の株は収穫もしにくいので、次に栽培する際にはこの場所に植えるのは避けたいと思います。
2023年1月2日 刈り込み(103日目)
ワケギは強い寒さに当たってしまったせいか、大半の茎が途中から折れてしまいました。
また枯れて黄色くなった葉も多く見られるようになっています。
調べるとワケギは冬の間、葉を枯らす植物のようです。おそらくこのまま育てていても傷む葉が多くなるだけなので、一旦全ての葉を刈ってしまいます。
株元を5cmほど残して、ハサミで切り取っていきます。一応、食べられそうな葉は回収しておきました。
これで作業の完了です。バッサリと切ったので次の収穫は春になりそうです。新しい艷やかな葉がたくさん出てくれると嬉しいですね。
2023年1月29日 回復中(130日目)
前回、傷んでいる葉を大幅に切り落としました。そして現在、ゆっくりとではありますが葉が伸びてきています。
と言ってもまたまだ短いです。暖かくなって成長が早まるのを待ちましょう。
2023年2月20日 成長中(152日目)
寒い中でも少しずつ葉を出しているワケギです。
最近は先端が尖った葉が出てきています。春までもう間もなくです。
2023年3月5日 再収穫間近(165日目)
ワケギは徐々に刈り取る前の姿に戻りつつあります。
株元からも複数の葉が出ており、太さも以前より太くなっている気がします。もう少し成長したら再収穫を始めましょう。
2023年4月1日 再収穫開始(192日目)
前回の報告から1ヶ月が経過しました。葉は青々してしており、とても美味しそうに見えます。それでは予定通り再収穫をしましょう。
今回はひと掴み分を採りました。この量で栽培面積の1/4ほどです。家族3人ほどであれば、栽培装置1つで十分なワケギが収穫できますね。
2023年4月9日 強風で倒れる(200日目)
最近、風の強い日が続いています。その強風に負けてしまったのか、8割のワケギが倒れてしまいました。
根本付近から曲がっているのが分かりますね。もったいないので、倒れた分は全て収穫したいと思います。
かなりの量が採れました。さすがにこの本数は使い切れないので、小口切りにして冷凍保存しておきましょう。
2023年4月22日 休眠(213日目)
ワケギの様子が変です。風も吹いていないのに、立っていた葉が全て倒れてしまったのです。
また前回収穫した場所からは、新しい葉が伸びてくる気配が全く無いです。
根腐れが起こって成長が止まったとも考えました。しかし根に異常はなさそうです。
その他に考えられることは「休眠」です。ワケギは5月頃になると、葉を枯らして休眠に入ります。今はまだ4月ですが、今年は少し早めに入ってしまったようです。緑色の葉も数日中には枯れてしまうでしょう。そのため残りを収穫し、次回の栽培のために球根を掘り上げたいと思います。
まずは葉を刈り取り、根も切り落としました。
そして球根を培地ごと取り出し、適当なトレイに入れて風通しの良い日陰で乾燥させます。1週間ほどでカラカラになるはずです。
2023年5月3日 球根の回収(224日目)
乾燥を始めてから10日が経過しましたが、まだ中心部は湿った状態です。トレイではなく、メッシュ状のものに置いた方が良かったかもしれないです。それでも大半の水分は飛んでいるので、球根を回収しましょう。
球根はこのように一塊となっています。元が1個だったことを考えると、かなり増えましたね。保管しやすいようにハサミを使って枯れた茎を短くし、球根を1つずつにバラしていきます。
これで球根の回収ができました。少しサイズが小さい気がしますが、量は結構あります。回収した球根は来季の栽培に使いたいと思います。本日にて、ワケギの栽培は終了です。
まとめ
今回はワケギの水耕栽培を行いました。8株を同時に育てたので、食べきれない量の葉が採れました。ワケギの成長は早く、彩りがほしい時に葉ネギの代わりとして、さっと収穫できる点が特に良かったです。栽培が終わった後は球根を掘り出しておけば、次の栽培にも使えるので経済的ですね。ワケギの植え付けは8~9月なので、それまでは球根を大切に保管しておきたいと思います。
この記事がワケギ栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。