ラグビーボールをトゲトゲさせて黄色くした野菜「キワーノ」を水耕栽培しています。ウリの仲間なので、キュウリと同じように育てます


 昨年の秋くらいでしょうか。何かの記事で「キワーノ」と呼ばれる野菜を知りました。キワーノはキュウリの仲間で、実の外見が非常に特徴的です。雰囲気としてはラグビーボールにトゲを生やして、薄い色で渦巻き模様を描いたようなものです。ただ味の方はあまり良い評価を見つけられなかったので、実を食べられなくはないグリーンカーテンの立ち位置だと感じました。

 このキワーノは珍しい野菜らしく、種や苗を見たことがありません。もちろんネット通販では売っていますが、送料を考えると少し手が出しにくいです。そう思いながらホームセンターに立ち寄ったところ、ラッキーなことに苗が売っていたのです。ラベルのキャッチコピーには魅力的なことが書いてありますが、調査結果から考えると話半分にした方が良さそうです。苗はたくさんありましたので、葉の色が濃く、サイズが大きいものを選んで購入しました。

 今回は実の見た目なかなり変わっている野菜、キワーノの水耕栽培にチャレンジします。育て方はキュウリと同じだと思いますので、うどんこ病やウリハムシの被害に気を付けて育てます。それでは栽培装置を用意して植え付けましょう。

 

 

 

 

栽培装置


 栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にしつつ、さらに改良を加えました。


 改良1点目はザルに穴を開けて、塩ビパイプを通したことです。これにより液肥槽に直接液肥を入れらるようになりました。また液肥を全交換する際には、塩ビパイプに灯油ポンプを挿して抜き取ります。



 2点目は液肥槽の構成をバケツ→黒ビニール袋→バケツの順に変更したことです。黒ビニール袋は遮光により藻の発生を防ぐものですが、灯油ポンプを使って液肥を抜こうとすると一緒に吸わてしまい、作業がやりにくくなります。そこでバケツを2重にし、間に黒ビニール袋を挟むことで、遮光と抜き取り作業の効率化を両立しました。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

 

2023年4月29日 仮植え



 こちらが購入した苗です。品出し直後の良い状態で手に入れられました。


 キワーノはウリ科キュウリ属に分類されています。そのため葉の形や触り心地がキュウリと良く似ています。


 写真を撮っていて気付いたのですが、土がポットの半分くらいしか入っていません。もしかしてコストカットの影響でしょうか?


 念のため根を確認すると、しっかりと伸びているので問題はなさそうです。


 それでは定植作業に入りましょう。今回は時間の関係で一旦仮植えをし、後日に栽培装置へ定植します。まずは根に付いている土を水で洗い流します。


 大部分の土を落としました。ポットに入っていた土が少なかった影響か、根の量があまり多くなかったです。


 仮植えには3号ポリポットを使います。ポットに苗を入れて、バーミキュライトで固定します。



 最後に液肥を与えて、作業の完了です。このポットは定植できる日になるまで、半日陰の場所に置いて養生をします。

 

2023年5月5日 栽培装置へ定植(定植から0日目)



 養生期間中は葉の萎れもなく、順調に成長していました。しかし3日ほど前に何者かによって、最も大切な先端部分が食べられてしまったのです。おそらく犯人はナメクジだと思います。なくなった先端は復活しないので、その下にある脇芽が伸びてくるのを待つしかなさそうです。


 ポット内の根を確認すると、長く太く伸びています。これだけ張っていれば十分ですね。それでは栽培装置に定植をします。


 栽培装置に苗を置いて、周りをバーミキュライトで埋めていきます。


 これで定植は完了です。次に、別途用意した支柱と組み合わせます。



 支柱は長さ150cmのものを使い、間にはネットを渡しました。ネットの取り付けには結束バンドを使ってきつく締めましたので、強風でも動いたりしないでしょう。


 先端がなくなっているので、すぐ下に見えている脇芽が成長してくるはずです。しばらくの間、様子を観察しましょう。

 

2023年5月13日 脇芽の成長(定植から8日目)



 定植から1週間が経過しました。特に問題はなく大きくなっています。


 新しく伸びてきた脇芽は数本あり、早いものはネットにツルを巻き付かせています。


 全ての脇芽を成長させると栄養が分散してしまいます。そのため最も伸びている脇芽を1本残して、他は切り取ってしまいます。


 写真では分かりにくいですが、株元がややスッキリしました。
 これからの天気を見ると、最高気温が25℃に達する日があります。そのため液肥の量が少なくならないように、注意して育てていきます。

 

2023年5月20日 矯正(定植から17日目)



 脇芽は良い具合で成長しています。ただ、左側に向かって茎を伸ばしてしまっています。


 そこで誘引クリップを使って、中心に行くように矯正をしてあげます。


 早いもので、もう雌花が付き始めました。この時点で既にイガイガした形をしています。
 本当は着果させたいのですが、今はまだ株の成長を優先するので摘み取ってしまいます。ちなみに指先で挟んでもごうとしたら、トゲが刺さってとても痛かったです。小さいとは言え油断せず、ハサミを使った方が良いでしょう。