先端が折れた「カラーピーマン」の水耕栽培に挑戦中。後から伸びてくる枝に実がなることを期待です

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 大型のホームセンターに行くと、家の近くの店舗ではないような珍しい野菜の苗が売っています。すごく長いナスや変な形のトマトなどの中で、面白そうなピーマンを見つけました。それが写真の「カラーピーマン(スイートパレルモゴールド)」です。ポットに取り付けてあるラベルを読むと、

  • 果肉厚はパプリカのように厚く、実なり数はピーマン並みに多収穫
  • 果重100~120g、果長20~23cm
  • 完熟果の最高糖度は8~9度

となっています。とても興味がわいたので、このカラーピーマンを購入して水耕栽培することにしました。

 がしかし、車で帰宅している途中でトラブルにあってしまいました。それは急ブレーキにより苗が倒れ、運悪く先端の成長点がポッキリと折れてしまったのです。当初は新しい苗を買おうと思っていたのですが、良い機会ですので先端部がなくなった苗がどのように成長していくか記録したいと思います。もし上手く回復するようでしたら、そのまま収穫できたらな思います。

 今回の記事では、転倒により先端が折れてしまったカラーピーマンの水耕栽培にチャレンジします。個人的には初期の成長が遅くなるだけで、後から伸びてきた枝に実がちゃんと成ると予想しています。それでは早速、苗を一回り大きなポリポットに植え替えましょう。

 

 

 

 

2022年4月11日 植替え(植替えから0日目)

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 こちらが購入してきた苗です。いくつかの中から1番良さそうな株を選んだのですが、結果としては残念な状態となってしまいました。

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 勢いよく倒れた衝撃で双葉の片方が根本から折れ、もう片方は半分の場所で千切れました。

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 そして先端はもげて、完全になくなっています。不幸中の幸いとしては、大きな本葉にダメージがなかったことでしょうか。

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 転倒した時に土も溢れてしまいましたが、根が切れている雰囲気はありません。とりあえずは一安心です。この株は土で栽培されているので、土を落として培地(バーミキュライト)に植替えます。

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 バケツに水を張り、その中で根を洗っていきます。指で軽く突きながら、根とからまっている土を崩します。

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 土はきれいに取り除けないため、ある程度のところで止めて次の工程に進みます。

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 この株を直径15cmのポリポットに入れて、周りをバーミキュライトで埋めます。そして液肥(微粉ハイポネックス:希釈率1000倍)で十分に湿潤させました。

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 最後に、ドーナツ状に切ったアルミ蒸着保温シートを取り付けて作業の完了です。保温シートで培地上面を覆うことで水分が蒸発しにくくなり、液肥を与える回数を減らすことができます。 

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 植替えた株は半日陰で数日間養生をした後に、ベランダに設置している簡易ビニールハウスの中に入れて育てます。

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 今後の動きですが、成長するはずの先端部がなくなっているため、おそらく脇芽を伸ばしてくると思います。本葉の付け根には小さな芽がありますので、これが成長して新しい先端となりそうです。

 

2022年4月16日 脇芽の成長(植替えから5日目)

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 現在、4箇所から脇芽が出てきています。折れた先端部付近の2箇所と、中段にある本葉の付け根の2箇所です。順調に回復しているようです。

 

2022年4月23日  脇芽が大きくなる(植替えから12日目)


 脇芽は大きくなり、やっと葉らしい姿となってきました。もう少し成長したら、4本の脇芽から2本を選抜して栽培をしていこうと思います。

 

2022年4月30日 整枝(植替えから19日目)


 最近は日中の気温が25℃近くになる日があります。この高温のおかげかカラーピーマンの成長が非常に早くなっており、特に脇芽の葉が見違えるほど大きくなっています。


 脇芽の中で特に成長の良いものは、先端付近から出てきた2本です。そこで今後はこの2本を育てていくことにしました。


 栄養を集中させるために、他の場所から出ている脇芽はハサミで切り落とします。


 作業後の株が上の写真になります。脇芽の先端部を見ると、小さい蕾ができていました。主枝が折れた事故からはほぼ復活したようです。

 

2022年5月6日 栽培装置へ定植(植替えから25日目)



 時々アブラムが付くことがありますが、その度に筆を使って払い落としています。今のところは人の手で対処できる量ですので、農薬は使っていません。


 残した2本の枝は成長し、主枝と同じくらいの太さになっています。ここまで回復すれば栽培装置に定植しても良い頃合いです。念のため、根張りを確認しましょう。


 根は側面と底面に十分回っており、合格点です。それでは栽培装置に植え付けます。

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 栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にして組み立てました。改良点としては液肥槽に直接アクセスできるように、塩ビ管を通したことです。

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 塩ビ管の先端は斜めに切り落とし、液肥が出入りしやすいようにしています。

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 液肥を交換する際には、塩ビ管に灯油ポンプを挿して古い液肥を吸い出します。そして新しい液肥を塩ビ管を通して入れます。


 ポリポットから株を外し、茎が栽培装置の中心となるように置きます。そして周りをバーミキュライトを埋め、液肥で十分に湿潤させました。


 最後にドーナツ状に切ったアルミ蒸着保温シートを培地上面に置いて、定植作業の完了です。取り付けた保温シートは培地に直射日光が当たるのを防いで、水分の蒸発を抑えるためのものです。また四角いタイルはめくれ防止の重石となります。
 この栽培装置を日のよく当たる場所に置き、それぞれの先端にある蕾が大きくなるのを待ちます。

 

2022年5月14日 定植成功(植替えから33 日目)


 栽培装置に定植してから1週間が経過しました。問題なく根付き、ぐんぐんと枝葉を伸ばしています。


 最初の分岐に付いた1番花は、株の成長を優先するために本日切り取りました。次の2番花も取り除き、3番花からを着果させていきます。

 

2022年5月28日 開花間近(植替えから47 日目)


 株が大きくなったので、この記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にして支柱を立てました。支柱と茎はビニール紐で結び、強風が吹いても倒れないようにしています。


 3番花の蕾が下を向いてきました。数日中には咲くでしょうか?

 

2022年6月4日 開花(植替えから54 日目)


 最近、多くはないですがアブラムシが発生していて困っていました。するとここが餌場と思ったのか、テントウムシの幼虫が現れてアブラムシを一掃してくれました。素晴らしい益虫です。


 蕾は開花し、今は7輪ほどが咲いている状況です。白い花びらが凛としていて綺麗ですね。

 

2022年6月8日 結実(植替えから58 日目)


 枝の数が多くなり、そして背も高くなってきています。 


 先端部の成長は早く、葉とともに新しい蕾がいくつも出ている状態です。商品説明のラベルを読むと、この品種は放任気味に栽培できるそうです。整枝する手間が少ないと楽で良いですね。


 先日咲いていた花は受粉し、小さな実が伸びてきました。何個のカラーピーマンが収穫できるのか楽しみです。

 

2022年6月17日 摘果(植替えから67 日目)


 あの小さかった実が、たった10日間でここまで大きくなりました。現在の長さは7cmほどです。写真以外の場所にも多く結実した花があり、全てが大きくなると成り疲れが起きそうな気がします。


 そこで3個の実を摘果して量の調整を行いました。今後も適宜、摘果を行って立派な実ができるようにします。

 

2022年6月22日 緑色の実を試食(植替えから72 日目)


 実の長さは13cmくらいとなりました。予想以上に数が多いので、再び摘果を行います。


 今回は中サイズのものを3個取りました。カラーピーマンは色付かなくても、緑の状態で食べられるそうです。そこで摘果した実を試食してみることにしました。
 包丁を使って縦半分に切ると、中身の構造や種は普通のピーマンと同じです。軽く水洗いをして生のまま口に入れました。青臭さや苦味はあるもののピーマンほどではないです。ほのかに甘みと酸味があり、果肉が厚いためか水分が多い印象を受けました。緑のままでも美味しいので、完全に熟したらどのような味になるのか、今からとてもワクワクしています。

 

2022年6月28日 色付きはまだ(植替えから78 日目)


 連日、最高気温が35℃を超える日が続いています。その中でもカラーピーマンは元気に成長中です。


 実はかなり大きくなっていますが、色付きはまだのようです。いつ頃に収穫できるのか、首を長くして待っていましょう。

 

2022年7月17日 色付き開始(植替えから97 日目)


 今までの実は軽かったのですが、最近は重みを感じるようになりました。また色付きも始まり、今は6割ほどの面積が黄色になりつつあります。収穫までもう少しです。

 

2022年8月2日 初収穫&根腐れ(植替えから113日目)



 実が大きく、また数も多くなっていますので、重みで枝が垂れ下がり気味です。


 とうとう全体が鮮やかな黄色となった実が出てきました。これはもう収穫できるでしょう。


 ヘタに繋がる茎をハサミで切ります。


 これでカラーピーマンの初収穫が完了です。少し小ぶりですが、十分に熟しています。


 早速、縦半分に切って中身を確認します。実の厚さはピーマン以上パプリカ未満でした。それでは試食をします。
 食感はシャキシャキとしており、歯ざわりがとても良いです。味は甘味が強く、生のままで十分に食べられます。ピーマン特有の苦味・青臭さは全くありません。思っていた以上に美味しくて、かなり驚きました。スティックサラダや薄切りにしてサラダに散らすなど、色々な使い方ができそうです。



 収穫をしていた時に気付いた事があります。葉の中心部分が、黄色や茶色になっていものが多数あったのです。この症状は特に新葉に多いです。何が起きているのでしょうか?


 そこで根を確認してみます。写真には撮れなかったですが、ザルから伸びている根が茶色に変色し、ドロドロの状態となっていたのです。どうやら根腐れが発生しているようです。1週間前に確認した時は白い根がたくさん出ていたので、この根腐れは急激に進んだようです。


 今のところ、葉に萎れが見られない事から、根腐れの症状は初期であることが考えられます。そこである程度色付いている実を採り、体力の回復を試みます。

 

2022年8月7日 実が朽ちる(植替えから118日目)



 根腐れの発見から5日が経過しました。葉の萎れは進み、曇であるにも関わらずグッタリとしています。根の機能がなくなり、水を吸えてないのでしょう。


 新たなる悪い変化としては、実に茶色い斑点が出てきたことです。おそらく朽ち落ちてしまうので、このような実は切り取って破棄します。

 

2022年8月14日 全収穫(植替えから125日目)



 葉の萎れは良くも悪くもなっていません。回復する葉はないですが、落ちる葉もない状況です。


 もちろん新しい成長は見られず、時が止まっているように感じます。


 本日、大小を含め全ての実を収穫してしまいました。どうにか回復してほしいものです。

 

2022年8月24日 回復の兆し(植替えから135日目)


 ようやく回復の兆しが見えてきました。ここ数週間は蕾すら付かなかったですが、今は2〜3輪の花が咲いている状態です。


 そして嬉しいことに、結実したものを発見しました。このまま順調に進めば、再び収穫までいけそうです。

 

2022年9月4日 葉の色が薄い(植替えから146日目)


 蕾や花の数はさらに増えてきています。栽培装置のザルを上げると、白い根が伸びているのを確認できました。順調に回復しています。


 久しぶりの実はツヤツヤですごく美味しそうです。


 ただ気になるのは、株の内側にある葉の色が薄くなっていることです。


 このように新葉と並べると色の違いがはっきりと分かります。根腐れで受けたダメージはまだ残っているようです。落葉が始まらないか少し心配です。

 

2022年9月7日 実を食べられる(植替えから149日目)


 残念なことに、大きくなりつつあった実が何者かに食べられてしまいました。雰囲気としては、大型の虫または鳥のようです。しかし我が家のベランダにはネズミが出ることがあるので油断大敵です。とりあえず、これらの実は切り取ってしまい、次の実に栄養を渡します。

 

2022年9月21日 新しい実の成長(植替えから163日目)



 食べられた実に替わって、新しい実が成長しています。開花前の蕾もたくさんありますので、今後の収穫には期待できそうな感じです。

 

2022年10月2日 小さいまま色付く(植替えから174日目)


 最近は朝晩が肌寒い時が多く、気候的にあと1ヶ月ほどで栽培が終了しそうです。根は回復しつつありますが、残りの日数を考えると全盛期には戻らないと思います。


 咲いた花は結実し、多くの実ができています。しかし困ったことに、このサイズで成長が止まってしまうのです。


 そのまま時間がたつとオレンジ色へと変化が始まります。


 更に進むと全体が色付きます。このサイズでも食べられますが、やはり食べごたえが劣ります。おそらくもう実は大きくならないので、緑色のままでも料理に使いたい時に順次収穫をしていきます。

 

2022年10月23日 栽培終了



 根腐れが発生してから1.5ヶ月が経過しました。10月も下旬となりましたが葉の萎れは続いており、回復の兆候は見られません。



 実はかなりの数がオレンジ色になってしまっています。もちろん小さいままでの色付きです。


 よく目を凝らすとこちらの実は、全長1cmに満たないうちに黄色となっているようです。
 枝の先端部には花が咲いていないですし、今後は新しい実ができたとしてもすぐに色付いてしまうでしょう。株の調子が戻らないため、残念ですが本日で栽培を終了したいと思います。


 最後になりますが、幹の部分を撮影しました。成長点が折れてしまった状態から、良くぞこの太さまで育ったものです。植物のたくましさを感じた栽培でした。

 

まとめ


 今回はカラーピーマンの水耕栽培にチャレンジしました。運送時の事故により先端部が折れてしまいましたが、無事に収穫まで成長してくれました。

 カラーピーマンを育てて分かったことは、緑色ピーマンと比べて収穫できるまでにかなりの時間がかかることです。しかし完熟したものはピーマンとは思えない甘さがあり、生のまま頬張れるほどでした。今回収穫した実は小ぶりのものが多かったので、着果数を調整すればもっと大きなものを採れる気がします。来年も是非、栽培したい野菜です。

 この記事がカラーピーマン栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。