タルトを作る際には、中身を入れるためのお皿であるタルト台が必要になります。そのタルト台の材料を見ると、バターが多く使われていることが分かるかと思います。バターは油ですので、生地を延ばすために麺棒やのし台を使うと、それらが油まみれになってしまいます。またタルト台作りに慣れていなかった最初の頃は、延ばした生地を型に敷き込む際に一部分だけが薄くなってしまうことが多々ありました。
できるだけ道具を油まみれにせずに、簡単にタルト台を作るにはどうしたらよいのでしょうか。調べてみると解決策として「クッキングシート」と「ラップ」を使う方法がありました。早速試してみると、簡単までとはいきませんが、以前よりも上手に作れるようになりました。この方法を何回かやってみてコツを掴みましたので、作り方を紹介しようと思います。
材料(16cmタルト型)
常温にしたバター50g
常温にした溶き卵25g
グラニュー糖25g
ふるった薄力粉100g
作り方
1.バターとグラニュー糖を混ぜる
2.かき混ぜながら溶き卵を数回に分けて入れる
3.薄力粉を入れて混ぜる
4.一塊になったら冷蔵庫に1時間くらい置く
5.生地を厚さ約3mmに延ばす
6.タルト型に敷き込む
7.フォークで空気抜き用の穴を開ける
8.タルトストーンを乗せる
9.170℃で15分程度焼き、タルトストーンを取り除く
10.170℃で軽く焼色が付くまで焼く
11.完成
文章では分かりにくいので、ここからは写真で説明をしていきます。最初に溶いた全卵とグラニュー糖、バターを混ぜ合わせマヨネーズ状にします。この時、卵とバターが分離してしまうようならば、50度くらいのお湯で湯煎をすると混ざるようになります。
ふるった薄力粉を入れてゴムベラで混ぜます。気温によって異なりますが、生地の固さは手でこねるにはベトベトしていて柔らか過ぎる程度です。そうしたらラップをかけて冷蔵庫に入れ、一時間ほど休ませます。
休ませた生地をクッキングシートに挟んで、手のひらで押して延ばします。
次に厚さが約3mmになるように延ばします。紙が30枚綴ってある大学ノートがちょうど良い厚さなので、毎回これを利用して均一な厚さにしています。
延ばしたら上面のクッキングシートを剥がします。
そしてラップを貼り付けます。
裏返してもう片方のクッキングシートも取ります。
これをタルト型に被せます。ラップを貼り付けていますので、生地が伸び過ぎることなく扱いやすくなっています。
指先でタルト型に密着させます。
ラップが付いたまま麺棒を転がして、生地を切り取ります。
場合により、薄くなってしまった箇所を余った生地で補修します。
そして、焼いた時に出るガスを逃がすための穴をフォークで開けます。
クッキングシートを敷いてからタルトストーンを乗せ、底の膨らみ防止をします。
170℃で15分程度焼いたらタルトストーンとクッキングシートを取り除いて、更に軽く色が付くまで焼きます。これでタルト台の完成です。タルトストーンのせいで縁の内側が凸凹になっていますが、具を入れれば見えなくなるので良しとしています。
タルトストーンを使った場合と使わなかった場合のどちらも試しましたが、私は使った方が良いと思います。タルトストーンなしで焼くと底が膨らんだり、縁の生地が重さで垂れてしまいます。一方で使った時にはそれらを防止でき、見た目が良くなります。
私がタルト台を作る時は冬が多いです。それは気温が低いおかげで生地が柔らかくなりにくいからです。もし気温が高くすぐに柔らかくなってしまう場合は、3mmの厚さに延ばした後、一度冷蔵庫に入れて冷やしてから型に敷き込むと良いでしょう。
タルトは中に詰める具により色々な味になりますので、作るのが好きなお菓子の1つです。工程が多く、特に型に敷き込む作業は数回やらないとコツが掴めないかもしれません。しかし手間をかけた分、美味しいタルトになると思いますので、まずはタルト台を作ってみてはどうでしょうか。
ちなみに余った生地は手で丸めてクッキングシートで挟み、潰します。そうすると程よい大きさと厚さになりますので、さらにフォークでいくつか穴を開けます。
これを170℃で焼くとクッキーになります。食感と味はまるで「鳩サブレ」のようです。割と美味しいので、タルトを作る時の密かな楽しみです。