発芽から7日間光を当て続けた水菜。光が当たる時間が長いほど早く育つようです

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 以前、家で使っていないLEDデスクライトを利用して、水菜の苗作り実験をしました。 結果、LEDの光を14時間当てて育てると、約2週間で植え替えができる立派な苗になることが分かりました。

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 実験で育てた水菜を見ていると、ふとこんな疑問が浮かんできました。「もし24時間光を当てて育てるとどうなるのだろう?」と。一日中光があるのですから、14時間当てていた時よりも早く成長しそうです。反対に人間のように植物も眠る時間が必要で、その時間に光を当てていると弱ってしまうのではないか...頭の中では結論は出ないです。ならば早速、実験で確かめてみましょう。

 

 

 

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 デスクライトは前回と同様に「GENTOS LEDデスクライト ルミリオン S56」を使いました。このライトのスペックは以下のようになっています。
 ●明るさ:160ルーメン
 ●使用光源:白色LED 3W×1個
 ●光源タイプ:集光レンズ

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 光を当てる装置は写真のように組み立てました。まず、100円ショップで購入したアルミ蒸着シートを筒状に丸めて、養生テープで止めます。

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 筒の上部と下部にもシートを置き、できるだけ光が反射するようにします。デスクライトの光は、上部のシートに穴を開けてそこからを入れることにしました。ちなみに上部にアルミ蒸着シートをそのまま置いたら、丸まって大きな隙間ができてしまいました。そこで割り箸を使って重し兼矯正をしています。

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 光を当てた内部はこのような感じになっています。照度計で測定してみると7000~10000luxでした。目安としては、明るい日陰と同じくらいの値です。この装置を使って光を24時間当て続けた場合の成長度合いを確かめてみたいと思います。比較用として、前回と同じ14時間当てる場合も一緒に育ててみます。

 

2018年4月22日 18:00(0日目)

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 実験には水菜の種を使い、この種を2.5cm角に切った食器用スポンジに載せました。同じものをもう1つ用意し、LEDライトの光を24時間当て続けた場合と、14時間(5:00〜19:00)当てた場合とで成長に違いが出るのか観察します。
 液体肥料には微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用しました。また液肥は常にスポンジの上面と同じくらいになるように、継ぎ足ながら量を管理します。


2018年4月23日 21:00(1日目)

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 種をスポンジに置いてから27時間経過しました。皮が破けて白い根が見えてきています。恐らく翌朝には双葉が見えるはずです。

 

 2018年4月24日 5:00(2日目朝)

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 翌朝になると、予想通りクリーム色の双葉が見え始めています。そうしましたら2つのカップを装置に入れて、LEDの光を当てていきます。

 

 2018年4月24日 21:00(2日目夜)

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 5:00〜19:00の間光を当てた水菜は、このように変化していました。左が14時間光を当てた水菜(=14時間水菜)で、右が24時間光を当て続ける水菜(=24時間水菜)です。明日以降の写真も全て同じ配置で撮影していきます。

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 上の写真が14時間水菜で、下が24時間水菜です。光が当たった葉はクリーム色から緑色になり始めています。この時点では光の照射条件はまだ一緒なので、違いはありません。

 

 2018年4月25日 5:00(3日目朝)

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 3日目の朝になりました。

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 これが14時間水菜です。

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 そしてこちらが24時間水菜になります。まだ違いは見られません。自分の中では、種に貯めていた栄養がなくなる頃に差が出てくると予想しています。

 

 2018年4月25日 21:00(3日目夜)

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 この日も差はありません。左側の14時間水菜の葉が閉じているのは、装置から出して数時間後に撮影をしましたので、葉が閉じてしまったのだと思います。見た目では葉の大きさや色に違いはありません。

 

 2018年4月26日 21:00(4日目)

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 この日も大きな違いは見られませんでした。

 

 2018年4月27日 21:00(5日目) 

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 5日目にして、ようやく違いが見えてきました。葉の大きさは一緒ですが、左の14時間水菜の方が背丈が高くなっています。その他に気付いたのは、24時間水菜は一日中光が当たっているためか、根本の茎まで緑色になっていました。

 

 2018年4月28日 21:00(6日目) 

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 光が当たっている長さで、だんだんと違いが大きくなってきました。

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 14時間水菜は葉が閉じてしまっているので分かりにくいですが、若干24時間水菜の方が葉が大きい気がします。やはり光合成をしている時間が長い方が、成長速度が早いようです。 

 

 2018年4月29日 13:00(7日目)

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 種を蒔いてから1週間がたちました。この日は光を当てている最中にカップを取り出して撮影したので、14時間水菜もしっかりと葉が開いています。比較をしてみると、葉の大きさが大分違うのが分かるかと思います。

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 背丈は前回からそれほど変わっていないようです。

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 この2枚のアップ写真は14時間水菜です。双葉の間に本葉が出て来ています。また、今までは1本だった根が幾重にも分岐しています。

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 こちらは24時間水菜の方です。14時間水菜と同じように本葉が見えていますが、大きさが全く違います。本葉特有のギザギザの見えていますし、もう明日にも開きそうな感じです。根は根本から分かれて、何本も出てきています。

 

2018年4月30日13:00(8日目)

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 8日目になると光の当てている長さで、はっきりと違いが出てきました。

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 14時間水菜では本葉の大きさはこのくらいです。確かに昨日よりも成長しています。

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 24時間水菜はこの一日でかなり育ち、二回りほど大きくなっています。また緑色もこちらの方が濃くなっています。

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 では背丈を比べてみましょう。少し前までは14時間水菜が高かったですが、今では24時間水菜の方が大きくなっています。またこの写真から、本葉の大きさの違いが良く分かるかと思います。

 

2018年5月1日13:00(9日目)

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  光が当たっている10時間の差で、ここまで成長に違いが見られるとは予想していませんでした。葉が大きくなりすぎて装置に入らなくなってきたので、残念ながら今日で終了にしようと思います。

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 まずは上から撮影したものです。どちらの水菜も双葉のサイズは大きな違いはありません。しかし本葉は、明らかに24時間光を当て続けた左の水菜が大きくなっています。全長で言えば2倍、面積ですと4~5倍広いです。

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 真横から見ると、本葉の大きさの分、24時間水菜の方が大きくなっています。

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 また葉が出る位置を見ると、14時間水菜ではスポンジの上面約1cmから出ています。一方で、24時間水菜はスポンジのすぐ近くから枝が成長していることが分かります。

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 根の成長具合はどうなっているでしょうか。上の写真が14時間水菜、下が24時間水菜です。14時間水菜はスポンジから何本も根が出ているのではなく、スポンジから出た1本の根から分岐している感じです。24時間水菜は根本から根が分岐していて、スポンジの色々な場所から出てきています。
 興味深いのが液体肥料の色です。14時間水菜は無色透明です。しかし24時間水菜は黄色味が掛かっており、心なしか根の先端が茶色くもなっています。液肥は双方同じものを使っていますし、補充の頻度もそこまで大きく違わないです。成長過程で出る代謝物で色が付いたのかもしれません。

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 最後に、この実験では電気代チェッカーでかかった電気料金を計測していました。3WのLEDデスクライトを7日間連続して点灯した場合、電気代は18円とのことです。思っていたよりも安く、やはりLEDは省電力ということを実感しました。

 

まとめ

・発芽した水菜は、光が当たる時間が長いほど早く育つ
・種まき~3日目までは変化なし。本葉が出る頃から違いが出てくる
・光を当てる長さの影響は、双葉よりも本葉の方が大きい

 この実験を行う前は、夜がないと成長が悪くなるかな?と思っていました。しかし少なくとも今回の期間の中では、影響は見られませんでした。やはり24時間ずっと光合成ができる方が大きく育つようです。
 写真を見ると分かるように、24時間水菜の9日目は根が白色から茶色に変化していました。これは根から出ている代謝物質が溜まり、9日目に許容濃度を超えてしまったからと予想しています。液肥は継ぎ足し補充より、たまには全交換をした方が根を良い状態に維持できるかもしれません。
 水菜は発芽までの時間や成長速度が早いので、実験をしていてとても楽しい野菜です。また種を1袋買うと使い切れないほど入っているので、色々試すには丁度良いです。職場では1000万円を超える高価な分析機器を使って実験をしていますが、このような目で見て確かめる実験も楽しいです。次はどんなことをやってみようか、現在考え中です。

 

今回、太陽の代わりと使用したデスクライトはこの商品です。連続して使っても、1週間あたり十数円の電気代でした。ただのデスクライトでも植物の成長速度が早いので、最近は本格的な植物用ライトが欲しくなってきました。

 

私は液体肥料として、微粉ハイポネックスを水に溶かして使用しています。10年くらい前に購入したものを今も使っていますが、植物は全く問題なく成長してくれています。