水耕栽培で生える藻について。特に悪さをしないので私は対策をしていません

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 水耕栽培では、栄養分入った液体を使って植物を育てます。この栄養分を使って成長するのは、実は野菜だけではありません。「藻」も一緒に育ってしまうのです。

 水耕栽培のブログを見ていると、藻対策をしっかりしている人も多いです。装置をしっかりと遮光し、絶対に藻は生やさない!という気持ちが強く伝わってくるほどです。

 しかし私は逆に、藻が生えてもあまり気にしていません。今まで何種類かの野菜を育てましたが、藻のせいで成長が変になったことがないからです。むしろ野菜と一緒に育てる気持ちで見守っています。この記事では、藻が野菜に大きな影響を与えないのではないか?という体験を書いていきます。

 

 

 

 ここで言う「藻」とは、液体肥料に生える緑色の微生物のことです。水耕栽培では『見た目が気持ち悪い』とか『液肥の栄養を取られそう』などの理由により嫌われている小さな生物です。藻は栄養と光があればどこでも増えてしまいます。そこで増やさないために、水耕栽培装置をアルミホイルなどで遮光する方法があります。藻は光がないと光合成ができないので、増殖することができないのです。

 藻が水耕栽培をしている野菜に与える影響について調べてみました。科学的な文献は見つからなかったのですが、個人ブログの意見を集計すると、だいたい下の3つのことを言っていました。

 ①野菜が育つための栄養分が藻に取られてしまう
 ②液肥の見た目が悪い
 ③藻特有の臭いがする

 はたしてこれらは本当なのでしょうか?私の体験を元に、紐解いてみたいと思います。

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 ます前提条件から話しましょう。水耕栽培には様々な育て方があります。A4サイズの水切りカゴやペットボトルを利用したもの、はたまた塩ビ管を使った大掛かりな装置などです。これから書く内容は、あくまでも私が使っている装置のお話なので、すべての場合に当てはまらないかもしれないのでご注意下さい。

 

①野菜が育つための栄養分が藻に取られてしまう

 この話には一理あります。藻と野菜が同時に成長しますので、栄養の取り合いになってしまいます。ただこれで野菜の成長が悪くなるかと言われたら疑問符が付きます。

 春に育てた水菜やわさび菜、今育てている枝豆とモロヘイヤは藻が生えても普通に成長しています。特にモロヘイヤは結構な量の藻が生えていますが、成長速度は落ちません。むしろ逆に、驚くべきスピードで葉が育っています。

 これはあくまでも私個人の印象であり、本当は水耕栽培装置を遮光した場合と、していない場合とで成長の比較をしないと正確なことは言えません。ただ、藻が生えても気になるような成長速度の低下は感じられない、というのが私の感想です。

 

②水耕栽培装置の見た目が悪い

 室内で『魅せる』野菜の栽培しているならば、やはり藻が生えているとオシャレ度の低下になるでしょう。しかし考えてみて下さい。透明な液肥を保つよりも、美味しい野菜を食べるために水耕栽培をしているのではないでしょうか?目的と手段が逆になっていないか、今一度確認しましょう。

 

③藻特有の臭いがする

  確かに水耕栽培装置の蓋を開けて匂いを嗅ぐと、藻の青臭い香りがします。しかしこれが野菜に移るかと言うと、答えはNoです。葉物野菜を3種類、ハーブを1種類、豆類を1種類、根菜類を1種類育てましたが、どれも藻の味や臭いがすることは全くありませんでした。

 藻が生えた液体肥料が何かの拍子に野菜に付いて、それを洗い流さずに調理したら臭いがするかもしれません。私の使っている装置では、野菜と液肥はバーミキュライトで隔てられているので直接触れることはありません。藻の臭いは、装置の中でしかしないのです。

 

 こうして考えると、藻は特別悪さをしないような気がしてきます。ですので私は液肥に藻が変えても気にせず、液肥を継ぎ足して野菜を育てています。たまにする液肥の全交換の時も、根についた藻を洗い流しません。どうせ1週間もすると元の状態に戻ってしまうからです。

 完全に遮光をすれば藻の発生は抑えられますが、その分手間がかかってしまいます。また使っている水耕栽培装置の都合上、装置を覆ってしまうと液肥の補充がやりにくくなります。私は水耕栽培をするにあたって一番重要視していることは「手軽に育てられること」です。藻がそこまで悪さをしないならば、手間をかけずにそのまま放置する方法を選びました。

 もしかしたら商業規模で水耕栽培をしている方にとっては、藻はポンプを詰まらせる原因になるのかもしれません。その場合はやはり対策が必要でしょう。ただ私のような電気も使わず、5Lの容器で育てる場合には、それほど悪影響は出ないと思っています。いえ、むしろ光合成をして、液肥中に酸素を供給してくれる良い存在の可能性も否定できません。インターネットで情報を集めるのも重要ですが、実際に育ててみてどうだったかも知識となります。一度野菜と藻を一緒に育ててみると、何か新しい発見があるかもしれませんね。