春色ソレイユ

水耕栽培や料理、買って良かったものを公開

「ハイポネックス原液」で小松菜を水耕栽培。どのように育つのか観察してみます

f:id:haruirosoleil:20180804095045j:plain
 水耕栽培で使う液体肥料に「微粉ハイポネックス」があります。この商品は名前の通り粉末であり、水で1000倍に希釈して植物に与えます。似たような名前で「ハイポネックス原液」という商品もあります。こちらは液体であり、鉢植などの土を使った栽培で使用する液体肥料です。

 どちらも名前に《ハイポネックス》と付いているので、水耕栽培に慣れていない方は勘違いをして買ってしまうことがあります。水耕栽培のブログ記事を見ていると稀に、ハイポネックス原液を使ってしまい失敗した という体験談が投稿されています。この液体肥料は土耕栽培で不足しがちな成分をサポートする商品ですので、水耕栽培には向いていないものなのです。

  確かにハイポネックス原液は水耕栽培用ではないので、上手く成長しないでしょう。そこでふと、ハイポネックス原液で水耕栽培をすると、どのように成長するのか?という疑問が湧いてきましたた。そこで今回は、土耕栽培の液肥である「ハイポネックス原液」と水耕栽培にも使える「微粉ハイポネックス」で野菜を育てて、成長にどのような違いが出てくるかを観察しようと思います。 

 

 

育てる野菜

f:id:haruirosoleil:20180624174153j:plain
 この実験で育てる野菜は「小松菜」にしました。種を蒔いてから2日で発芽し、その後の成長も早いので、すぐに結果が出るかと思い選びました。

 

水耕栽培装置

f:id:haruirosoleil:20180804085345j:plain
 水耕栽培装置は、容量が500mLのタッパーを利用して作成しました。基本的な作り方は「底面給水式の水耕栽培装置の作り方。5L容器で野菜を3つ育てられるようにしました」をご覧下さい。

 

液体肥料

f:id:haruirosoleil:20180804095055j:plain
 液体肥料には『ハイポネックス原液(写真左)』と『微粉ハイポネックス(写真右)』を使用して成長の比較をします。どちらも水道水で1000倍に希釈をして、小松菜に与えます。双方同じ希釈率としたのは、微粉ハイポネックスと《間違って》ハイポネックス原液を使ってしまった時を想定したからです。

 f:id:haruirosoleil:20180804095051j:plain
 ハイポネックス原液の成分を見ると、

・窒素全量 6.00%
・水溶性リン酸 10.0%
・水溶性カリウム 5.0%
・水溶性マグネシウム 0.05%
・水溶性マンガン 0.001%
・水溶性ほう素 0.005%

が入っていることが分かります。販売元の商品紹介ページを見ると《植物の健全な生育に必要な15種類の栄養素をバランス良く配合しています》とありますので、この成分以外にも様々な微量成分が入っていると思います。また《一般的な土から畑の土まであらゆる土に優れた肥料効果があります》との記載もあり、土耕栽培専用の液体肥料であることが分かります。

f:id:haruirosoleil:20180804095057j:plain
 一方で微粉ハイポネックスの成分は、

・窒素全量 6.5%
・可溶性りん酸 6.0%
・水溶性カリウム 19.0%

になります。微粉ハイポネックスは窒素・りん酸・カリウム以外の成分の記載がありません。しかしこちらも書いていないだけで、色々と微量成分が入っているのでしょう。ハイポネックス原液とは異なり、微粉ハイポネックスは水耕栽培でも使用できることが商品説明に書かれています。

f:id:haruirosoleil:20180804085347j:plain
 それぞれを1000倍に希釈すると、ハイポネックス原液は薄い青色に、微粉ハイポネックスは少し濁った半透明な溶液になります。それではこれらの液肥を使って、小松菜を育てていきましょう。

 

2018年8月1日 種蒔き(0日目)

f:id:haruirosoleil:20180804085342j:plain
 バーミキュライトの培地に小松菜の種をひとつまみ分蒔きました。これからの写真は左が「微粉ハイポネックス」、右が「ハイポネックス原液」になります。2日後には発芽すると思いますので、それまでは室内に置いて管理します。

 

2018年8月5日 発芽(4日目)

f:id:haruirosoleil:20180805131029j:plain
 本日、発芽を確認しました。さすがにこの時点では、どちらも同じ成長具合です。今はまだ種の中にある栄養で育っているはずです。しかしこれからは液肥の成分を吸収しなくてはならないので、だんだん差が出てくるでしょう。
 ちなみに、水耕栽培装置の周りを覆っているものはアルミ蒸着保温シートです。日が当たって液肥が高温にならないように設置しています。

 

2018年8月7日 双葉が開く(6日目)

f:id:haruirosoleil:20180807210910j:plain
 種をたくさん蒔き過ぎたので、間引きをしました。これからは双方が同じ株数となるように適宜間引いていく予定です。
 小松菜は双葉が完全に開ききり、その間から小さい本葉が見えている状態です。この時点では成長の差は全く見られないです。

 

2018年8月11日 本葉が出る(10日目)

f:id:haruirosoleil:20180811101910j:plain
f:id:haruirosoleil:20180811101914j:plain
 発芽から一週間が経過しました。遠目で見ると、葉の大きさや高さにそこまで違いはありません。

f:id:haruirosoleil:20180811101921j:plain
f:id:haruirosoleil:20180811101924j:plain
 それではアップにしてみましょう。上段が「微粉ハイポネックス」、下段が「ハイポネックス原液」です。
 どちらも2枚目の本葉が出てきていますが、微粉ハイポネックスの方が少しだけ大きいような気がします。それ以外については個体差レベルの違いしか見つけられませんでした。
 小さいですが、やっと液肥の違いで成長に差が出始めました。ここからどのように育つのか、特に注視していこうと思います。

 

2018年8月19日 成長に差が出ない(18日目)

f:id:haruirosoleil:20180819192407j:plain
 先週、少しだけ違いが見られた小松菜はどうなったでしょうか?今はどちらも順調に成長し、葉の大きさの違いはなくなってしまいました。しかし成長度合いは同じでも、違う点が2つあります。それは「葉の色」と「茎の太さ」です。
 葉の色は上手く写せませんでしたが、右側のハイポネックス原液の方が濃い緑色となっています。それに比べ、左側の微粉ハイポネックスは黄緑色になっています。

f:id:haruirosoleil:20180819192410j:plain
 茎の太さは見て分かる差があります。ハイポネックス原液では細めですが、

f:id:haruirosoleil:20180819192413j:plain
微粉ハイポネックスは太くなっています。葉の大きさは同じでも、こちらの方がしっかりと育っている印象を受けます。
 この実験をする前には『きっと液体ハイポネックスは全然育たないだろう』と思っていました。実際に育ててみると、意外にも成長の差は少ないです。もしかしてこのまま収穫まで成長してしまうのでしょうか。

 

2018年8月25日 しおれ具合の違い(24日目)

f:id:haruirosoleil:20180826062047j:plain
 今は気温が35℃くらいになっているので、暑すぎて小松菜がしおれ気味です。しかし同じ条件にも関わらず、違いが見て取れます。左の微粉ハイポネックスで育てている株は大きくしおれていますが、右のハイポネックス原液の方は比較的しおれは少ないです。

f:id:haruirosoleil:20180826062050j:plain
 また液肥に生える藻にも違いが出てきています。1つずつしか栽培していないので正確には言えませんが、もしかしたら微粉ハイポネックスは藻が生えにくいのかもしれません。

f:id:haruirosoleil:20180826062107j:plain
 今度はアップで観察しましょう。こちらはハイポネックス原液で育てているものです。葉は濃い緑色で艶があり、しっかりと育っている印象を受けます。

f:id:haruirosoleil:20180826062058j:plain
 一方で微粉ハイポネックスの方は、暑さのためにしおれ気味です。葉の色も濃い緑色ではなく、黄緑色に近いです。

f:id:haruirosoleil:20180826062102j:plainf:id:haruirosoleil:20180826062104j:plain
 微粉ハイポネックスで育てていると、なぜか葉が変になっています。全ての葉ではないですが、葉の切れがあったり縮れている葉があるのです。ハイポネックス原液の場合はこのような症状は見当たりません。葉の異常な成長については、今後改善していきたい点です。
 今のところ、予想に反してハイポネックス原液の方が順調に育っていまるようです。来週はどうなっているのか楽しみですね。

 

 

2018年9月2日 差が一気に出る(33日目)

f:id:haruirosoleil:20180902211625j:plain
 先週、藻が生えていなかった微粉ハイポネックスにも、とうとう藻が発生しました。タイミングは違いますが、どちらにも藻は生えてしまうようです。
 栽培期間が1か月を過ぎた本日、液肥の違いによる成長の違いがはっきりとしてきました。微粉ハイポネックスで育てている左側の小松菜の方が、明らかに大きくなっています。

f:id:haruirosoleil:20180902211635j:plain
 違いは葉だけではなく、株元にも現れています。こちらはハイポネックス原液の方です。この画像だけですと、それほど違和感を感じません。

f:id:haruirosoleil:20180902211638j:plain
 しかし微粉ハイポネックスで育てている株と見ると、様子ががらりと違っています。微粉の方が茎が太く密に育っているのが分かるでしょうか。この茎の太さが葉の大きさとも関係しているのかもしれませんね。

f:id:haruirosoleil:20180902211629j:plain
 ちなみに葉の色の違いは以前と同じで、ハイポネックス原液の方が濃い緑となっています。
 今までは「原液も微粉も成長に違いがなさすぎる…」と残念に思っていましたが。ここにきて一気に差が大きくなってきました。やはり水耕栽培にも使用できる微粉ハイポネックスの方が育ちが良いようですね。

 

2018年9月8日 実験終了 (39日目)

f:id:haruirosoleil:20180909100951j:plain
 栽培期間も約40日となったので、このあたりで実験を終わりにしようと思います。ハイポネックス原液で育てた小松菜はどうなっているのでしょうか?
 写真右側がハイポネックス原液で育てたもの、左側が比較用として微粉ハイポネックスで育てたものになります。大きさを見ると一目瞭然で、原液で栽培した方が小さいです。

f:id:haruirosoleil:20180909100828j:plain
 上から確認すると、こちらも原液では葉の広がりがあまり良くありません。

f:id:haruirosoleil:20180909100831j:plain
f:id:haruirosoleil:20180909100833j:plain
 これは株元の写真です。上がハイポネックス原液、下が微粉ハイポネックスです。茎の状態は前回と同じく、微粉の方が太く育っています。
 全体的に見ると、ハイポネックス原液でも育ちますが、微粉ハイポネックスと比べると成長が劣っていることが分かります。

f:id:haruirosoleil:20180909100837j:plain
 ハイポネックス原液で育てると成長が悪かったですが、その中で良かった点は「葉の色」と「形」です。原液の方が葉の緑色が濃く、形もきれいな楕円形をしています。大きさこそ違いますが、見た目はスーパーで売っているものと変わりはありません。

f:id:haruirosoleil:20180909100840j:plain
 微粉ハイポネックスで育てた場合は、黄緑色の葉で、形も丸まったりしていていびつな葉が多かったです。正直、第一印象では美味しそうには見えませんでした。
 

まとめ

 今回の実験では、「ハイポネックス原液」で小松菜を育てました。そのまとめをしてみましょう。

  • 小松菜はハイポネックス原液でも育てることはできます。しかし水耕栽培にも対応している液肥と比較すると、成長が遅かったです。
  • ハイポネックス原液でも成長したことから、この液肥にも成長に欠かせない栄養源は入っています。ただしその割合は水耕栽培には向いていない可能性がありました。
  • ハイポネックス原液で育てると葉の色や形が良くなり、とても美味しそうな見た目になりました。

 

 自分の中ではハイポネックス原液を使って育てると、全く育たないと思っていました。しかし実際に実験をしてみると、微粉ハイポネックスには及びませんが、それなりには成長しました。むしろ水耕栽培では使えないと思っていた液肥で、ここまで育ったことに驚きを隠せません。

 微粉ハイポネックスと間違えてハイポネックス原液を使って育てても、小松菜ではどうにかなることが分かりました。しかしやはり水耕栽培で使える肥料の方が生育良いので、間違いに気付いたらすぐに入れ替えましょう。最後になりますが、この実験が皆様のお役に立てたらと思います。

 

今回の実験で、もし微粉ハイポネックスと間違えてハイポネックス原液を使ってしまっても、何とか育つことが分かりました。しかしその成長は遅いので、やはり水耕栽培に適した肥料を使いましょう。 

 

微粉ハイポネックスは土の栽培だけではなく、水耕栽培でも使うことができる液肥の素です。水耕栽培の際には水で1000倍に希釈してから装置に入れましょう。作れる液肥の割に価格が安いので、おすすめの商品です。