3種類のスポンジで小松菜の発芽実験。一番目の粗いスポンジが良さそうです

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 水耕栽培のブログを見ていると、スポンジを使って種を発芽させている方がいます。発芽したらそのままある程度の大きさまで育てて、新たに水耕栽培装置に移植します。

 そのやり方をよく読むと、注意書きに「メラミンスポンジは使用できません」とあります。理由は書いていませんでしたが、恐らく普通のスポンジよりも密度があるせいで発芽が上手くできないのかもしれません。

 私が水耕栽培の道具を調達している100円ショップには、メラミンスポンジだけではなく、一般的なスポンジやもっと目の荒いものも販売されています。そこで今回は、なぜ発芽用のスポンジにメラミンスポンジが使えないのかと、どの粗さのスポンジが一番発芽に向いているのかを実験してみました。 

 

 

 

 使用するスポンジについて

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 まずは使用するスポンジの紹介です。左から、

・風呂場用スポンジ(目の粗さ:大)
・食器用スポンジ(目の粗さ:中)
・メラミンスポンジ(目の粗さ:小)

になっています。

 風呂場用スポンジの目の粗さは1~2mmとなっており、商品の包装袋には《普通のスポンジよりも目が粗いので、使った後の水切れが良好》と書かれています。

 これら3種類のスポンジを2.5cm角に切り出してスポンジ培地を作りました。

 

準備&種蒔き 

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 液体肥料を入れた容器にスポンジ培地を入れて軽く揉み、スポンジにしっかりと水分を吸わせます。この時、メラミンスポンジは何もしなくても液肥を吸ってくれましたが、目の荒い風呂場用スポンジは何回も揉まないと内側まで浸透してくれませんでした。

 次に液肥を培地の上面ぎりぎりまで入れます。この理由としては風呂場用スポンジは水分のキレが良すぎますので、液面を近付けないと種と液肥が接触しなくなるが恐れがあったためです。

 最後にそれぞれのスポンジの上に小松菜の種を4つずつ、合計24個を置きました。この状態のまま根が出てくるまで待ちます。ちなみに液肥には微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使っています。

 

発根 

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 種を置いてから2日目で、種が割れて白い根が出始めました。このまま屋外に出すことを考えましたが、今は気温が35℃を超える真夏です。1日置いたら液肥が干上がり、根が乾いてしまうでしょう。

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 そこで今回はLEDデスクライトを使って成長させることにしました。双葉が開ききるまで昼夜を問わず光を当て続けます。

 

双葉の展開&結果 

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 48時間光を当てた小松菜は、緑色のしっかりとした双葉が生えました。この時点で各スポンジでの成長状態を確認してみましょう。
 写真は手前から風呂場用スポンジ、食器用スポンジ、メラミンスポンジとなっています。ぱっと見た感じではどの種もちゃんと育っているように見えます。

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 しかし近づいて見ると、色々と問題点がありました。まずは写真中央の種です。どこのスポンジから落下したのかは分かりませんが、液肥に浮いた状態で育っています。種からで出た根が上手く培地を掴めず、転げ落ちてしまったのでしょう。

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 これからは一種類ずつ見ていきます。メラミンスポンジに撒いた種は発芽はしていますが、変になっている株が多いです。例えば、

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培地から落ちかかっているものや、

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スポンジに根が刺さらず、丸まっているものがあります。その他の株はしっかりと育っているように見えますが、それらも根が表面をはっているだけで、指で軽く触れると倒れてしまうものが多かったです。結局、スポンジの中まで根が入ったのは8個中1つしかありませんでした。

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 次は食器用スポンジです。こちらもメラミンスポンジと同じ傾向が見られました。

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 食器用スポンジはメラミンスポンジよりも目が荒いのですが、それでも根が中まで行くのは難しかったようです。こちらも8個の種を撒いて、1個しか正常に育ちませんでした。

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 最後は風呂場用スポンジになります。こちらは目が一番粗いためか、ほぼ全ての種がスポンジの中まで根が入っていました。もちろん指で触れる程度では倒れることはありません。

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 ただ、1つの種だけは思ったように発根してくれませんでした。この他の7個は液肥に落下することもなく、しっかりと根付きました。

 

まとめ

 目の粗さが異なるスポンジを培地として小松菜を育ててみました。その結果、正常に発芽した割合は、

・メラミンスポンジ 12%
・食器用スポンジ 12%
・風呂場用スポンジ 85%

となりました。

 先人の知恵の通り、メラミンスポンジでは発芽が上手くできないようです。意外だったのは食器用スポンジの結果です。数ヶ月前に水菜をこのスポンジで発芽させたことがありますが、その時にはしっかりとした苗に育ちました。違いといえば、小松菜の種は水菜よりも大きいことです。種の大きさによってスポンジの粗さを選んだ方が良いのかもしれませんね。

 

 今回は目の粗さの違うスポンジで発芽試験を行いました。スポンジの上にただ種を置く場合では、最も目の粗い《風呂場用スポンジ》が正常に発芽することが分かりました。もし大きめの種を食器用スポンジで発芽させる場合には、少し切れ込みを入れてその中に撒くと上手くできるかもしれません。この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

 

こちらの方は一度スポンジで発芽させてから、バーミキュライトの培地に植え替えています。私の水耕栽培装置とは異なり、B5サイズの水切りトレーを利用した方法を使っているようです。人によって色々な育て方があるのが水耕栽培の面白いところですね。