水耕栽培で「レタス」に挑戦中。一度苗を作ってから栽培装置で育てます

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 野菜には多種多様な種類があります。その中で私が水耕栽培をする時に基準としているのは、株元が「細い」かどうか、もっと正確に言うと株元が極端に「太くならない」かです。

 この理由としては、プラスチック製カップを利用した装置で育てているからです。例えば白菜などの株元から葉が広がる野菜は、カップの縁が邪魔をして上手く育てられないのです。

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 しかし先日、株元の太さを気にしなくても良いように、水道管の継ぎ手を利用した新しい栽培装置を作りました。地上部に邪魔をするものがないので、これならば株元から広がる野菜も育てられそうです。

 私が以前から作ってみたかった野菜に「レタス」があります。新しい栽培装置もできたことですし、今回はレタスの水耕栽培に挑戦することに決めました。レタスと言ってもリーフレタスではなく、結球するレタスです。もし立派なものが収穫できたら、育てられる野菜の種類が広がるかもしれません。

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 しかし早速問題を発見してしまいました。スーパーで買ってきたレタスを見たところ、茎が想定以上に太いのです。見た感じですと、継ぎ手の内径と茎の直径は同じくらいでしょうか。これでは継ぎ手の中で育てるのは難しそうです。

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 それならばもっとシンプルに、蓋に穴を開けただけの栽培装置を作りました。この穴ならば、どんな太さの野菜でも育てられるはずです。ただし種蒔きはできないので、苗を別に作ってから装置にセットする予定です。それではレタスの水耕栽培のスタートです。 

 

 

 

 

レタスの種

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 レタスの種は長さ3mm、幅1mmの両端が尖った形をしています。品種は「グレートレーク」と呼ばれるもので、見た目は一般的なレタスをしています。

 

栽培装置

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 今回の栽培では、まずバーミキュライトを入れたポリポットでレタスの苗を作ります。その後、この栽培装置にセットして大きく育てます。
 構造は単純で、100円ショップで購入した5L容器の蓋に、直径5cmの穴を開けただけです。この穴にスポンジを使って苗を取り付けます。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。これまで微粉ハイポネックスを使って色々な野菜を育ててきました。今回もこの液肥を使って栽培をします。

 

2019年5月30日 種蒔き

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 レタスの発芽は25℃を超えると悪くなるそうです。ここ最近30℃を超える天気が続いていますので、今回は冷蔵庫の中で発根させた後に、培地に蒔こうと思います。
 まず水道水で濡らしたティッシュを容器に敷き、重ならないように種を置きました。容器の蓋を軽く閉めて冷蔵庫に入れ、発根するまで待ちます。

 

2019年6月3日 発根

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 背景が白いので見にくいかもしれませんが、種の端から根が出てきました。

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 それでは培地に種を蒔きましょう。
 液体肥料で湿潤させたバーミキュライトをポリポットに入れ、表面に種を置きます。あとは種の上に乾いたバーミキュライトを薄く掛けて終了です。今回は2株を育てます。

 

2019年6月5日 発芽(発芽から0日目)

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 無事に発芽しました。幅数mmの小さな双葉です。本日を発芽0日目として記録を付けていきます。
 この品種は種蒔きから2ヶ月程で育ち切るので、一番暑い8月上旬に収穫となりそうです。

 

2019年6月8日 1回目の間引き(発芽から3日目)

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 双葉が大きくなり、隣の株と触れそうになってきました。このタイミングで1回目の間引きを行います。

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 小型のハサミを使って成長が遅い株を切っていきます。しかしどの株も同じくらいの成長度合いなので、バランスが良い配置となるようにしました。

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 これで1回目の間引きは終了です。まだ本葉は見えていませんが、数日中には生えてくるでしょう。
 今年も梅雨に入り、雨や曇の日が多くなっています。日光が少ないせいで徒長しないか心配です。

 

2019年6月12日 本葉が出る(発芽から7日目)

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 夜に撮影したので双葉が閉じていますが、その間から本葉が出てきました。

 

2019年6月16日 本葉の成長(発芽から11日目)

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 先週は曇りや雨の日が多く、あまり日の光に当てられませんでした。それでも最初の本葉は双葉よりも大きくなり、また2枚目の葉も見えてきています。
 レタスの幼苗は株元が不安定で、ちょっとした風がでも倒れてしまいます。しっかりとした株になるには、もう少し時間がかかりそうです。

 

2019年6月22日 2回目の間引き(発芽から17日目)

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 3枚目の本葉が大きくなり、ポットの中が窮屈になってきました。それでは2回目の間引をしましょう。

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 今回は育ちの良い株を選んで、残りは全て切り取りました。
 レタスは大きくなったとは言え、まだ株元が不安定でよく倒れてしまいます。来週には栽培装置に移植しようと思っているのですが大丈夫でしょうか。

 

2019年6月29日 栽培装置に移植(発芽から24日目)

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 やっぱり株元が不安定なレタスですが、5枚目の本葉が出てきたので栽培装置に移植をしましょう。

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 まずポリポットを取り外します。根は底の方で渦巻いているのかと思っていましたが、それほどではなかったです。

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 次に、水道水を入れた容器の中でバーミキュライトを崩していきます。できるだけ根が切れないように優しく扱いましょう。

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 洗った後の根はこのような状態になりました。バーミキュライトを完全に取り除くことはできないので、これで良しとします。

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 株を固定するために皿洗い用スポンジにはさみます。

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 そして栽培装置の穴にセットします。液肥は根が十分に浸る量を入れました。移植したレタスは倒れていますが、時間がたてば立ち上がると思います。

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 これをもう1株分行います。その後、液肥層に直射日光が当たるのを防ぐために保温材を巻きました。また支柱を立てて、害虫が近付かないように不織布をかぶせました。これで移植作業の完了です。
 今は梅雨なので日光は柔らかいですが、明ければ真夏の日差しになります。レタスは暑さに負けずにしっかりと育ってくれるのか楽しみです。

 

2019年7月6日 移植成功(発芽から31日目)

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 移植から1週間が経過しました。倒れていた苗は持ち直し、新しい葉も出てきています。どうやらちゃんと根付いたようです。

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 新しく伸びてきた葉は、レタス特有のギザギザや表面の凹凸が見られます。

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 まだ時期ではないのか、結球する気配は見られません。
 現在、梅雨真っ盛りなので薄曇りの日が多いです。気温も高くないので、液肥の消費もほとんどありません。今のうちにしっかりと根や葉を伸ばして、夏に向けての体力を付けてほしいと思います。

 

2019年7月15日 順調に成長(発芽から40日目)

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 前回の報告時には弱々しかった株も葉が大きくなり、しっかりとした姿になってきました。不織布を掛けて育てているので、葉に虫食いなどの被害は全くありません。

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 株の中心部からは、青々とした美味しそうな葉が出てきています。ここ数週間曇り続きで太陽を見た記憶がありませんが、それでもレタスは順調に育っています。
 今年の水耕栽培は失敗が多いので、今回のレタスはぜひとも成功させたいです。

 

2019年7月20日 葉が巻き始める(発芽から45日目)

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 前回の報告時には上に向かって立っていた葉ですが、いつの間にか横に倒れてしまいました。地上部を支えているのがスポンジだけですので、やはり固定力は弱いようです。

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 今、レタスの茎はグニャグニャとのたうち回るように生えてきており、

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また葉全体を見ると丸まってきています。もしかしたら結球が始まったのかもしれません。

 

2019年7月28日 収穫(発芽から53日目)

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 前回から1週間が経過しました。これまでは栽培装置の蓋の上で育っていたのですが、今では完全にはみ出して葉が垂れ下がっています。

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 垂れ下がりの原因は「茎が伸びてしまった」ことです。葉を持ち上げて確認すると、茎が間延びしているのが分かります。これほど葉間が広いと、もう結球するのは期待できなさそうです。

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 また気になる点として、株元の葉が黄色くなっていたり、中には枯れ落ちているものが見受けられることです。

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 こちらの葉では先端が茶色に変色し、腐っています。

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 葉の不調は、おそらく「強すぎる」日光を浴びたためです。これは昨日の写真ですが、株に直射日光が当たり、葉がぐったりと萎れている様子が分かるかと思います。
 梅雨に入ってからは曇りの日が続いており、太陽光は雲を通して弱くなっていました。しかしここ数日は晴れて気温も30℃を超えていました。この「グレートレーク」は暑さに強い品種ですが、さすがに真夏の直射日光はダメなようです。急いで日陰に移動させたのですが、受けたダメージは回復できませんでした。 

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 天気予報を見ると明日からは晴れで、気温が35℃近くなる猛暑日が続きそうです。このまま育てていても暑さでダメになってしまうのは明白です。また結球も期待できませんので、本日収穫することにしました。
 株元の茎は小指くらいの太さになっていたので、刃がカーブした剪定ばさみを使って切り取りました。

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 これで2株の収穫が完了しました。結球しなかったので、何だかモジャモジャしたレタスとなってしまいました。

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 丸まってなくてもレタスはレタスのはずです。そこで試食としてちぎって食べてみました。食感はレタスなのですが少し苦めで、サラダとして食べるにはちょっとクセが強いです。やはり生で食べるならば結球した部分の方が美味しいです。今回のレタスは味噌汁の具として食べてしまおうと思います。

 

まとめ

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 それでは今回の栽培まとめになります。

  • 種蒔き時の気温が高かったので、冷蔵庫の中で発根をさせました。発根率は8割を超えており、暑い時の種蒔き方法として十分に使えそうです。

  • 『グレートレーク』は暑さに強い品種とは言え、夏の直射日光はかなりのダメージを受けることが分かりました。次回育てる際には、遅くても梅雨の間には収穫できるように種蒔きをしたいです。

  • 今回の栽培では結球に失敗してしまいました。結球をしなくても葉は食べられますが、苦味が強く、サラダとして食べるにはクセが強いと感じました。やはり結球部分を食べたかったです。

 

 始めて結球レタスを育てましたが、思ったように育ちませんでした。今回の失敗としては、種蒔きの時期が遅かったことが挙げられます。できるだけ早く種蒔きをした方が暑さのダメージを回避できるでしょう。次回育てる時にはこの経験を生かして、立派な結球レタスを収穫したいと思います。