水耕栽培で新しい種を蒔く時にはワクワクする一方、ちゃんと発芽してくれるか心配になってしまいます。そのため種は1個だけではなく、保険として数個を一緒に蒔きます。上手く発芽すると、カップの中では数株が育つことになります。
しかしながら、芽が出た全ての株を育てることはできません。こうしてしまうと栄養が分散していまい、1つ1つの株がしっかりと育たないためです。そこで『間引き』をして、栄養が1株に集まるように仕立てます。
間引きの方法をネットで調べると、これが良い、いやこの方法の方が良い…とたくさんの情報が出てきます。その中で私が実際にやってみて、やりやすかった方法を紹介します。
間引きの時に使う道具は「ハサミ」です。キッチンバサミや工作用ハサミでも良いですが、できれば刃先が細いものをおすすめします。
私は間引きを2回に渡って行っています。まず1回目は双葉が開いた時です。種をひとつまみ分蒔くと、多い場合で10個くらい芽が出てきます。かなり混み合っている状況になるので、このタイミングで間引きを行います。
この時に間引く株の基準としては、
- 成長の遅いもの
- 他の株と比べて明らかに背の高いもの
- 葉の欠損があるもの
- 茎などの形が異常なもの
です。残す株の数は1カップあたり3~4個にし、残りは全て取り除きます。
間引きは写真のように、ハサミを使って行います。ハサミを使わず、指で摘んで引っこ抜く方法はおすすめしません。それぞれの株の根が絡まっていますので、1つ抜くと周りの株も抜けてしまう危険があるからです。
1回目の間引きから数日経過すると本葉が出てきて、それぞれの株の葉が触れ合うようになってきます。この時に2回目の間引きを行います。
今回残す株は、一番元気の良いものです。目安としては葉が大きく、茎が太いものになります。今回も間引く株は、根元をハサミで切ります。これでいくつか蒔いた種の中から、一番成長の良い株を選抜することができました。
間引きを2回に分けることによって全滅を防ぎつつ、最も成長の良い株を残すことができます。この間引方法で何種類かの野菜を育てましたが問題は起きず、どれも大きく元気に育ってくれました。
最後にもう一度、間引きをする時期と残す株数をまとめると、
- 1回目:双葉が開いた時(3~4株)
- 2回目:本葉が触れ合った時(1株)
になります。間引き方法をどうしようか考え中であれば、やり方の1つとして参考にしてみてはどうでしょうか。
1回目の間引きの時は、株同士がかなり混み合った状態になっています。そんな時は先の太いキッチンバサミよりも、精密ハサミの方が使いやすいです。刃渡りが1cmくらいしかありませんが、柔らかい茎ならば簡単に切断できます。
ハサミの他にもピンセットがあると便利です。先が曲がっている「鷲口」を使うと、切り落とした株を拾うことが簡単にできます。