以前、水耕栽培に挑戦したキャベツは根腐れが起きたり、途中で成長が止まったりして、思ったようなものを収穫できませんでした(参考記事:土耕栽培のキャベツ苗を水耕栽培装置に移植。上手く育ってくれるかドキドキです、水道管の継ぎ手に「つっかえ棒」を通してキャベツを水耕栽培。落下を防げるか試してみます)。
この2回の栽培で感じたのは、私が使っている水耕栽培装置でキャベツを育てるのは難しい、と言うことです。柔らかいプラスチックの蓋で全重量を支えるので、成長が進むと重みに耐えられず株が転倒します。また栽培期間が長いと、その分だけ根腐れのリスクが高くなります。
そこで今回の栽培では、バーミキュライトを土代わりにして育てる「半水耕栽培」にチャレンジしてみます。この方法ならば重さを直接培地が受けますし、液肥に浸らないので根腐れも起こりにくくなるでしょう。
秋にキャベツを収穫するためには、夏に種蒔きをするがあります。近年の35℃を超える暑さに苗が耐えられるか心配ですが、日差しを和らげる処置をしながら育てたいと思います。それではキャベツの栽培を始めましょう。
- キャベツの品種
- 液体肥料
- アオムシ・イモムシ対策薬
- 2020年7月5日 種蒔き
- 2020年7月9日 発芽(発芽から0日目)
- 2020年7月11日 1回目の間引き(発芽から2日目)
- 2020年7月19日 徒長気味?(発芽から10日目)
- 2020年7月26日 2回目の間引き(発芽から17日目)
- 2020年8月8日 培地寄せ(発芽から30日目)
- 2020年8月14日 植え付け(発芽から36日目)
- 2020年8月23日 急成長(発芽から45日目)
- 2020年9月5日 葉が立ち上がる(発芽から58日目)
- 2020年9月27日 チップバーンの発生?(発芽から80日目)
- 2020年10月11日 チップバーンの解消(発芽から94日目)
- 2020年11月7日 成長停止のため収穫(発芽から121日目)
- まとめ
- 【追記】 2020年11月21日 もう1つは破球
キャベツの品種
育てるキャベツは『中早生二号』です。名称の「四季まきキャベツ」の通り、蒔き時が春〜秋と広く、球は1.5kg前後になる品種です。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
アオムシ・イモムシ対策薬
キャベツの天敵は葉を食害するアオムシ・イモムシです。そのためこれらの退治薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」を定期的に散布していきます。希釈倍率は1000倍とし、葉に定着しやすいように展着剤(商品名:ダイン)を加えます。
2020年7月5日 種蒔き
梅雨がまだ開けない7月初旬。キャベツを秋に収穫するためには、この時期に種蒔きをする必要があります。流れとしては、ポリポットで育苗→栽培装置に定植でいきたいと思います。
ポリポットに培地であるバーミキュライトを入れ、液肥で湿潤させます。同じものを4つ作り、それぞれに種を4つ蒔きました。これらを屋外に置いて発芽するのを待ちます。
2020年7月9日 発芽(発芽から0日目)
双葉が開きましたので、本日を「発芽から0日目」として成長記録を取っていきます。
2020年7月11日 1回目の間引き(発芽から2日目)
発芽率は100%と、非常に優秀な結果です。
しかし中には双葉が3枚ある株や、他と比べて明らかに小さい株があります。まずは1回目の間引きで、これらの株を取り除きましょう。
間引きは指で抜くよりも、小さなハサミで切る方法をおすすめします。
1ポットあたり2〜3株を残しました。再び屋外に置いて成長するのを待ちます。
2020年7月19日 徒長気味?(発芽から10日目)
前回から1週間が経過し、本葉が2枚出てきました。
少し茎が伸びており、このままだと倒れてしまいそうです。
2020年7月26日 2回目の間引き(発芽から17日目)
本葉は大きくなっていますが、まだキャベツらしい姿には程遠いです。
双葉から上の茎も伸びてきました。夏蒔きのキャベツはこうなるのでしょうか?
茎が細いのか、それとも培地の固定力が弱いのか、株がかなり斜めになっています。このままだと近いうちに、地面と平行になってしまいそうです。
とりあえず葉同士が触れ合っているので、2回目の間引きを行います。
1ポット1株となるようにしました。あとはこの状態で定植できるサイズまで育苗します。
2020年8月8日 培地寄せ(発芽から30日目)
葉が大きくなりつつあります。しかしその重みのせいで、株が完全に倒れてしまいました。
そこで培地を追加して株元を埋め、ぐらつかないようにしました。
8月になると日差しが強く、このまま日向に置いていると葉が焼けてしまいそうです。対策として遮光率22%の寒冷紗を設置し、その内側で育てることにします。
2020年8月14日 植え付け(発芽から36日目)
寒冷紗のおかげか、元気に育っているキャベツです。葉の枚数が多くなってきたので、栽培装置に定植をしましょう。
栽培装置として5Lのバケツを用意し、側面の下側に直径3cmの穴を20個ほど空けました。この穴が埋まるように不織布を底に敷き、バーミキュライトを入れます。
そしてキャベツを植え付けます。今回は4株の中で、根張りが良い2株を選びました。
これで定植の完了です。これからは寒冷紗の内側ではなく、日当たりの良い場所に出して育てていきます。
2020年8月23日 急成長(発芽から45日目)
現在2株を育てていますが、本日からこちらの株の成長を追っていきます。
前回と比べ、茎は見違えるほど太くなっています。
葉は大きな円形で、キャベツらしい葉です。
定植してから明らかに成長スピードが上がっています。もしかしたら地上部の成長は、根が伸びるスペースと関係があるのかもしれないですね。
2020年9月5日 葉が立ち上がる(発芽から58日目)
前回から2週間が経過しました。葉は茂り、斜め上からではバケツが見えないくらいとなっています。
バケツの穴からは根が出始めました。まだ本数は少ないので、培地全体には根が回っていないかもしれないです。
嬉しいことに、中心部の葉が立ち上がってきました。そろそろ結球が始まるでしょうか?
2020年9月27日 チップバーンの発生?(発芽から80日目)
ポット苗の時を思い出すと、よくここまで育ったものです。葉の枚数も増え、横に大きく広がっています。
下葉は定期的に枯れてくるので、そのたびに切り取っていきます。
気になっているのは、葉の縁部分が茶色く枯れていることです。今のところこの症状は全体には広がらず、一部だけに留まっています。もしかしたらカルシウムなどの微量元素が不足して発生する「チップバーン」かもしれません。液肥を与える回数を増やして様子を見ましょう。
2020年10月11日 チップバーンの解消(発芽から94日目)
幅の変化はあまりないですが、高さに関しては幾分大きくなった気がします。
前回発見したチップバーンらしき症状は改善しました。縁が枯れた葉は外側に行き、内部の葉は正常になっています。一安心です。
培地に近い茎は現在このようになっています。葉が取れた跡からは、細かい根が出ているのが分かりますね。
2020年11月7日 成長停止のため収穫(発芽から121日目)
キャベツはあまり元気そうには見えず、だんだんと下葉が枯れてきています。
育てている品種「四季まきキャベツ (中早生二号)」は、夏蒔きの場合、植え付けから65~75日で収穫できるはずです。しかし85日目の現在、結球部分のサイズは中程度しかありません。また最近はほぼサイズが変わらず、成長が止まったように感じます。
やはり5Lのバケツで育てるのは難しいのでしょうか?不本意ではありますが、本日収穫をしてしまいましょう。
収穫は玉のすぐ下の茎を包丁で切り、いらない外葉を落とします。
これでキャベツの収穫完了です。幅10cm・高さ8cm・重量420gでした。スーパーで売っているキャベツは約1000gですので、半分以下しかありませんね。
収穫したキャベツは鍋の具材として使いました。加熱すると芯に近い部分でも非常に柔らかくなり、とても美味しかったです。
まとめ
それでは栽培のまとめとなります。
- 7月5日にポリポットに種蒔きをして育苗し、8月14日に5Lバケツに植え付けをしました。そのまま育て、結球サイズが中程度の状態で11月7日に収穫をしました。栽培期間は発芽から121日となりました。
- 真夏の育苗だったため日よけ資材を使い、できるだけ気温が上がらないようにしました。今年の夏も非常に暑かったため、おそらく直射日光に当てていたら1日で苗がダメになっていたと思います。
- 5Lのバケツでは根の伸びるスペースが少なかったためか、下葉が落ち気味で、さらに結球部分の成長が非常に遅くなりました。キャベツの栽培は広い場所で行った方が良さそうです。
今回は5Lのバケツを使ってキャベツの半水耕栽培にチャレンジしました。途中までは良かったのですが徐々に成長が滞り、最終的には中サイズのキャベツで収穫となりました。庭やプランターで土耕栽培をした方が楽なのでは…?と思っていますが、まだ工夫できる点がありますので、今後もキャベツの栽培にチャレンジしていきたいです。
この記事がキャベツ栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【追記】 2020年11月21日 もう1つは破球
並行して育てていたもう1つのキャベツですが、こちらは裂球してしまいました。キャベツ栽培は難しいですね。