私が水耕栽培をする際にはプラスチック製のカップに培地を入れて、その中で野菜を育てます。しかしキャベツや玉レタスのような結球部分が大きくなる野菜は、この方法だと育てるのが難しいです。それは横方向にも育つため、プラカップを内側から破壊してしまう可能性があるからです。
本日、ホームセンターに行くと少し面白い形のレタスを見つけました。それが「ロメインレタス」です。別名『コスレタス』や『立ちチシャ』とも呼ばれ、白菜のように縦方向に結球する品種らしいのです。玉レタスよりも小さそうですし、これならプラカップで育てられるかもしれません。値段もそれほど高くなかったので、早速買ってみました。
実は以前に育てた結球・半結球レタスは、残念なことにいずれも玉になりませんでした。私との相性が悪いのかも…と感じるほどです。今回の栽培ではぜひとも結球したレタスを収穫したいと思います。それではロメインレタスの水耕栽培のスタートです。
- ロメインレタスの種
- 水耕栽培装置
- 液体肥料
- 2020年3月8日 種蒔き
- 2020年3月10日 防虫ネットを設置
- 2020年3月13日 発芽(発芽から0日目)
- 2020年3月20日 1回目の間引き(発芽から7日目)
- 2020年3月22日 本葉が見えてくる(発芽から9日目)
- 2020年3月28日 2回目の間引き(発芽から15日目)
- 2020年4月3日 徐々に成長(発芽から22日目)
- 2020年4月11日 白菜っぽい見た目(発芽から30日目)
- 2020年4月19日 巻き始める(発芽から37日目)
- 2020年5月2日 窮屈な栽培装置(発芽から50日目)
- 2020年5月9日 もうすぐで収穫(発芽から57日目)
- 2020年5月13日 初収穫(発芽から61日目)
- 2020年5月16日 残りの収穫(発芽から64日目)
- まとめ
ロメインレタスの種
種は長さ3~4mmの細長い形をしており、表面には先端から先端に向かって細かい筋が付いています。
水耕栽培装置
栽培装置はこの記事《底面給水式の水耕栽培装置を改良。水面が低下しても液肥が供給されるようにしました》を参考にして組み立てました。
種袋に載っている収穫したロメインレタスは縦に細長いです。しかし、おそらくその周りには外葉があったはずです。そこである程度大きくなっても良いように、栽培装置に3つのプラカップをセットし、株間が開くようにしました。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
2020年3月8日 種蒔き
ロメインレタスの種を1カップあたり5~6個を蒔き、ごく薄く覆土を行いました。この栽培装置を室内に置いて、発根するのを待ちます。
2020年3月10日 防虫ネットを設置
小さすぎて写真には撮れませんでしたが、発根が確認できました。これからは屋外に出して育てていきます。とその前に、虫除けネットを設置しましょう。まずステンレス製の針金を加工して支柱を作ります。
ここに不織布をかぶせて、裾を適当なヒモで縛ります。これで虫が入れないようになりました。
ちなみに液肥槽を覆っているのは「アルミ蒸着保温シート」です。日光で液肥の温度が上がりすぎないよう、影を作る役割を期待して取り付けています。この状態で屋外の日が良く当たる場所に置きます。
2020年3月13日 発芽(発芽から0日目)
無事に発芽しましたので、本日を「発芽0日目」として栽培日誌を付けていきます。
今は夜なので双葉が閉じていますが、昼になるとちゃんと開きます。今日から60日くらいで収穫でしょうか?上手く結球してくれることを願いましょう。
2020年3月20日 1回目の間引き(発芽から7日目)
この1週間は寒さが戻ってきており、成長が遅くなっています。それでも双葉は十分に大きくなり、中心部からは小さな本葉が見えてきました。
株同士が触れ合ってきたので、1回目の間引きを行います。先の細いハサミを使って成長の良い3株以外を切り取ります。
間引きをしたことによって空間が開きました。これでストレスなく成長してくれるでしょう。
地上部はまだ指先ほどの大きさしかないにも関わらず、底からは根が飛び出てきました。今は給水布が浸る程度の液肥しか入っていません。そこで液面がプラカップの底に触れるまで足しておきました。
来週の天気予報を確認すると、最高気温20℃ 最低気温10℃の晴れる日が続くそうです。7日後には全く違った姿になっていそうですね。
2020年3月22日 本葉が見えてくる(発芽から9日目)
この3連休は晴れの日が続いており、ロメインレタスも順調に成長しています。今は双葉の間から本葉が見えてきました。良い調子です。
2020年3月28日 2回目の間引き(発芽から15日目)
1週間が過ぎると本葉も大きくなり、カップ内が狭くなってきました。それでは2回目の間引きを行いましょう。
3株の中で一番成長の良い株を残して、残りは全て間引きます。だいぶスッキリしました。
今は3枚目の本葉が見えているところです。今日から雨や曇が続く予報ですので、少し成長が遅くなるかもしれませんね。
2020年4月3日 徐々に成長(発芽から22日目)
葉は徐々に大きくなり、カップから出るくらいの高さにまで成長しました。光が十分に当たっているおかげか、鮮やかな緑色になっています。
縁が波打っている葉が出てきて、何となくレタスっぽい姿になってきました。今のところ害虫などの被害はなく、順調な成長です。
2020年4月11日 白菜っぽい見た目(発芽から30日目)
ロメインレタスは特に何事もなく成長中です。1週間で3倍くらいの大きさになりました。
葉はパリッとしており、レタスと言うより白菜っぽい感じを受けます。
根は茶色くはなっていますが、見たところ根腐れではなさそうです。昨年の栽培では根腐れに悩まされたので、どうしても気になってしまいます。
2020年4月19日 巻き始める(発芽から37日目)
晴れた暖かい天候が続いているおかけで急成長してきました。真横から見ると他のレタス系とは異なり、葉が立ち上がっているのが分かりますね。
中心部から出てくる葉は螺旋状で密になっています。とうとう巻き始めたみたいです。調べると、今の時点からあと30〜40日で収穫となるそうです。鳥や虫に食べられないように気を付けて育てていきたいと思います。
2020年5月2日 窮屈な栽培装置(発芽から50日目)
発芽から50日が経過しました。ロメインレタスは急成長し窮屈になったので、防虫ネットと支柱は取り去ってしまいました。今のところ虫による被害は出ていません。
中心部の葉も密度が高くなってきました。あとは縦方向に成長すれば完璧です。
2020年5月9日 もうすぐで収穫(発芽から57日目)
パット見て分かるように、前回よりもさらに窮屈となっています。このくらいの大きさになるならば、1つの装置で1株が良いですね。
外葉の茎はかなり太くなっています。レタスとは思えない感じで、食べごたえがありそうです。
真上から見ると、結球によって中心部が徐々に狭まってきています。この部分が数cmになったら収穫時期なので、来週には採れるでしょう。
2020年5月13日 初収穫(発芽から61日目)
収穫は次の週末を予定していました。ところが手前の株が予想以上に早く育ってしまったので、これだけ先行して採ってしまおうと思います。
ロメインレタスの収穫時期は、頭頂部の空間が少し開いている時です。今回の株は完全に閉まっており、少し採り遅れた感じがします。1〜2日前の状態がベストでした。
収穫は株元を切って行います。しかしこのままではプラカップが邪魔をしてハサミが入りません。株をカップから引き抜こうとしても、根が絡み合って抜けないのです。
そこで今回はプラカップを壊すことにしました。この部分からハサミを入れて切ります。ちなみにロメインレタスの茎は太そうだったので、刃の厚い枝切りばさみを使いました。
これで1株目の収穫完了です。十分に大きく成長し、中心部の葉も上手く巻いています。葉は一般的な玉レタスとは異なり、小松菜のような肉厚感があります。重さはこの状態で218gでした。
切り口からは白い液体化がじわりと出てきます。包丁で切って中を確認したいところですが、現在の時刻は朝の5時30分です。会社に行かなくてはならないので、この作業は週末に採る2株の方で行いましょう。
2020年5月16日 残りの収穫(発芽から64日目)
初収穫から数日がたちました。収穫には少し早かった残りの2株も良い具合に成長しています。
頭頂部は少し開いた状態です。それでは収穫を始めましょう。
前回上手く取れなかったカップは、下の根を切ることで壊さずに回収できました。 根は中を何周にも渡って回っており、特に底の部分はカップと同じ形がついています。
収穫した株の重量は216gと225gでした。合計400gを超えると、持っていても重さを感じます。
それではロメインレタスの中身がどうなっているのか確認しましょう。縦半分に切ってみます。
すると鮮やかな色の葉が出てきました。中心部に近いところは日に当たっていないので、黄色っぽい葉になっています。
葉が生える茎は三角形をしており、先端からは新しい葉が出てきています。トウ立ちの気配もなく、良いタイミングで収穫できました。もう少し強く結球してくれると、種袋の写真と同じになったと思います。それでも始めての栽培なのでこれで満足です。
収穫したロメインレタスはザク切りにし、ベーコンとマヨネーズで炒めました。加熱しても葉がシャキシャキしており、一皿はぺろりと食べられます。少し苦味もありますが、これはこれで良いアクセントになっています。言い過ぎかもしれませんが、ここ最近育てた野菜の中で一番美味しかったです。
ちなみに生で食べると、苦味が前面に出てきます。サラダにする場合は他の野菜や焼いたベーコン、卵なども入れて、豪華仕様にすると美味しく食べられると思います。
まとめ
それでは栽培のまとめになります。
- ロメインレタスは発芽してから60〜65日で収穫できました。栽培後期になると成長が早くなるので、収穫時期を逃さないように気を付けましょう。
- 外葉が広がるので、5Lの栽培容器と使うと3株を育てるのが限界でした。できれば1〜2株に抑えた方が、余裕をもって栽培できます。
- 収穫したロメインレタスは非常に美味しかったです。加熱しても食感が残るので、炒め物にオススメです。
2020年春の水耕栽培では、ロメインレタスを選びました。正直な話、育てる前は「変わり種レタス」くらいにしか思っていなかったです。しかし食べると非常に美味しく、また60日という比較的短期間でできたので評価が一気に上がりました。ロメインレタスの水耕栽培、おすすめです。