昨年、オカヒジキを水耕で育てようとしました。しかし種蒔きをしたのが時期外れの6月中旬だったせいか、上手く発芽せずに失敗してしまいました。
《参考記事》
【発芽せず】水耕栽培で「オカヒジキ」に挑戦。シャキシャキとした食感が美味しい野菜です
このまま放置すると、『水耕栽培できない野菜』というレッテルを貼られてしまうかもしれません。そこで再びオカヒジキの栽培にチャレンジすることに決めました。もちろん昨年と同じ失敗をしないために、今年は最適温度である4月中旬に栽培を開始します。それでは2回目のオカヒジキ栽培のスタートです。
- オカヒジキの種
- 栽培装置
- 液体肥料
- 2019年4月13日 種蒔き
- 2019年4月14日 早くも発根
- 2019年4月16日 もうすぐで発芽
- 2019年4月18日 発芽(発芽から0日目)
- 2019年4月27日 本葉が出る(発芽から9日目)
- 2019年5月4日 1回目の間引き(発芽から16日目)
- 2019年5月12日 2日目の間引き(発芽から24日目)
- 2019年5月19日 手の平サイズになる(発芽から31日目)
- 2019年5月25日 順調に成長(発芽から37日目)
- 2019年6月2日 収穫(発芽から45日目)
- まとめ
- 【追記】2019年6月16日 収穫できずに撤収(発芽から59日目)
オカヒジキの種
今年は違うメーカーの種を購入しました。しかし当たり前ですが、種の形や色は前回と同じです。やはりパックマンに出てくる敵のような形をしています。
栽培装置
今年の栽培で利用する装置は、この記事《底面給水式の水耕栽培装置を改良。水面が低下しても液肥が供給されるようにしました》を参考にして組み立てました。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
2019年4月13日 種蒔き
種は1カップ当たり5個を置き、厚さ数mmとなるように覆土をしました。
前回発芽に失敗した理由として、培地に含まれる水分が多かったことも原因として考えられました。そこで今回、液肥をカップの底以下にして発芽するのを待ちます。実際には、深さ4cmくらいとなるように液肥を入れました。
最近、発芽したばかりの苗を鳥に食べられる事件が多発しています。その対策として、装置に網戸の網を取り付けました。この網はプラスチックの糸で作られているので、いくらクチバシで突こうとも破けることはありません。
種蒔き作業はこれで終わりなので、栽培装置をベランダに置いて発芽するのを待ちます。
2019年4月14日 早くも発根
まさかの種蒔きから24時間で発根し、頭が地上に出てきました。今まで育てた野菜の中でも一番早い成長かもしれません。
2019年4月16日 もうすぐで発芽
種から茎が立ち上がり、もうすぐで双葉が出てきそうになっています。写真の株が一番美しく成長しているもので、今は「杖」の形をしています。明日には種の殻が取れて、葉が見えると思います。
種の中には、根が地面に沿って横に伸びているものもあります。去年のこともありますので、これらがちゃんと発芽してくれるのか少し不安です。
2019年4月18日 発芽(発芽から0日目)
オカヒジキは無事発芽しました。本日を「発芽0日目」として、成長を記録していこうと思います。
種から出た芽は針のように細いです。発芽率を計算すると約80%でした。残りの20%は発根していても双葉が出ませんでした。あと2個多く種を蒔けば良かったかなと感じています。
発芽した苗は予想よりも成長が早く、すぐに網に達してしまいそうです。そこで針金で支柱を立てて、網を張り直しました。早く本葉が出てくれると嬉しいですね。
2019年4月27日 本葉が出る(発芽から9日目)
発芽した種はいずれも枯れることなく、順調に育っています。
4日ほど前から本葉が伸び始め、今では長さ2cmほどになりました。成長の早い株では、すでに2セット目の葉が見えています。本葉は双葉と同じ形で、特に目立った差はないようです。
葉のボリュームと比べると、茎がやけに細いのが気になってしまいます。個人的には「その茎でよく立っていられるな」と感じます。実は本日間引きをする予定でしたが、もう少し茎が太くなったら行いたいと思います。
2019年5月4日 1回目の間引き(発芽から16日目)
先週と比べると本葉がさらに多くなり、株同士が触れ合うようになってきました。本当はもう少し茎が太くなってほしかったですが、混み合っていますので本日1回目の間引きを行います。
ハサミを使って成長が遅い株を切り取ります。株元の茎はまだ細いので、何の手応えもなく切れました。
最終的に1カップ当たり2株としました。次の間引きで本命を決めたいと思います。
オカヒジキは自立しているように見えますが、実はカップの葉で支えられているだけです。中には完全に倒れてしまっているものもあります。もしかしたら匍匐(ほふく)性の野菜なのかもしれません。
間引いた株を観察すると、小さいながらも葉がヒジキの様に厚みがあります。また中心部からは何枚もの葉が見えていますので、残した株の成長に期待ができそうです。
2019年5月12日 2日目の間引き(発芽から24日目)
オカヒジキはここ数日で一気に葉の数が増えました。このまま1カップにつき2株で栽培しても良いかな?と思いましたが、初栽培なので種袋に書いてある育て方通り、1株で育てようと思います。
前回と同じくハサミで1株ずつとなるように間引きました。スカスカとなってしまい、少し寂しいです。
間引きをしていて気付いたことがあります。それは『株元の茎が固くなってる』ことです。
見た目は細いですが、ハサミで切ったところパチンと小さな音が鳴りました。1回目の間引では抵抗なく切れたので、木質化しているのかもしれません。これならば風が吹いても折れることはなさそうです。
とある株を見ると葉にかじられた跡と、青虫のフンらしきものが付いていました。網の隙間から虫が入ってしまったのかもしれません。犯人を探しましたが近くにはいませんでした。もし被害が増えるようでしたら、対策を考えようと思います。
2019年5月19日 手の平サイズになる(発芽から31日目)
スカスカだったオカヒジキも、かなり葉が茂ってきました。先週、青虫っぽい虫の影がありましたが、特に被害は出ていません。きっとどこかに行ってしまったのでしょう。
今までは直線状に育っていましたが、分岐が増えて手の平サイズとなっています。こう見ると野菜っぽくなく、先人はよくこの植物を食べようと思ったものです。
根に近い茎は緑色ではなく、紫が混じった赤色となっています。
ひ弱そうに見えた株元は硬質化しており、これならば一安心です。ただし細いのは変わらずで、倒れながら成長しています。心配になり調べると、この育ち方で正常とのことです。
これまで使っていた支柱では狭くなってきたので、ステンレスの針金を利用して新しく作り直しました。これでまだ上方向に成長できそうです。
2019年5月25日 順調に成長(発芽から37日目)
現在順調に成長しています。先週よりもかなり茎が伸びて、葉の数も多くなってきました。また枝が横に広がってきたことから、防虫ネットは外してしまいました。もう少しで収穫できそうな感じです。
2019年6月2日 収穫(発芽から45日目)
前回の写真と見比べると、もじゃもじゃ感が一気に増えましたね。途中で数匹のアブラムシが付きましたが、いつの間にかいなくなりました。もしかしてオカヒジキの汁は美味しくないのでしょうか?
葉の付け根に新芽とは違う、何か黄色い粒が付いていました。
調べると、これはオカヒジキの花だそうです。黄色いボンボンは雄しべで、画像では見えませんが雌しべもあります。大きく写っていますが本当は非常に小さく、目を凝らしてやっと見えるくらいです。今まで見た花の中でも断トツで小さいです。
枝からは何本もの脇芽が出てきており、まるで竹ほうきのようです。あまり大きくなると固くなるらしいので、このタイミングで収穫をしましょう。
早速、ハサミで丈の半分くらいの茎を切り取っていきます。
これで収穫の完了です。5株でソフトボールほどの量を収穫できました。しかしこのままでは料理に使えません。なぜならば太い枝はスジが多く、口の中に残ってしまうからです。そこで採ったオカヒジキから柔らかい部分を選別していきます。
オカヒジキをよく見ると、枝分かれしているところが赤くなっている茎があります。このような茎は、噛み切れないほどのスジがあります。
そこでまず柔らかい葉先を取ります。長さは人差し指程度、茎の太さは1mmくらいまでが目安です。次に固い茎から横に出ている脇芽を回収します。もし脇芽が伸びすぎて赤い茎になっていたら、脇芽の脇芽を取りましょう。このように収穫したオカヒジキを食べられる部分とそれ以外に分けていきます。
仕分けるとこんな感じになりました。右側の固い茎は食べられないので捨てます。
5株を育てて40gを収穫できました。この時点でソフトボール→野球ボールの量へと減っています。今回は収穫したオカヒジキを湯がいて『お浸し』にしたいと思います。
少量の塩を入れたお湯に、洗ったオカヒジキを入れます。時々食べてみて、青臭さがなくなったらザルに開けて水気を切りました。加熱した時間は数分くらいです。確かに見た目は、色違いのヒジキと言って良いかもしれません。
茹で上がったオカヒジキはゴルフボールまでカサが減ってしまいました。これで1.5人前になります。食べると非常にシャキシャキしていて美味しいです。味に癖はなく、と言うか味がないので食感を楽しむ野菜になります。醤油を掛けても良いですが、私のおすすめは「辛子」醤油で食べることです。爽やかな辛子の風味とオカヒジキの食感が絶妙にマッチします。
まとめ
それではオカヒジキの栽培まとめを行います。
- 昨年は発芽に失敗したオカヒジキですが、種蒔きを適切な時期にしたところ水耕栽培でも育てられました。
- 栽培初期〜中期は茎が細く頼りない株ですが、それを過ぎれば早いスピードで成長します。害虫もほぼ付かなかったので、育てやすい野菜だと思います。
- 固い茎があるので、収穫した後に選別をして調理する必要があります。カサは工程を踏むごとに、ソフトボール→野球ボール→ゴルフボールに減っていきました。
昨年のリベンジでオカヒジキを育てた結果、しっかりと収穫までいけました。熱を加えても葉の食感は残り、とてもシャキシャキしている野菜です。ただし5株を育てて1.5人前しか採れなかったので、効率の面ではあまり良くありません。家族数人で食べようと思うと、栽培装置を3個ほど用意する必要があるでしょう。
葉物野菜の中では異色の姿をしているオカヒジキ。お腹いっぱい食べるのはなかなか難しいですか、試しに育ててみてはどうでしょうか?きっとこの食感の虜になるはずです。
ところでオカヒジキは株元に枝を残しておくと、何回か収穫できるとのことです。現在は写真のようになっていますので、収穫できる大きさに戻ったらまた報告したいと思います。
【追記】2019年6月16日 収穫できずに撤収(発芽から59日目)
2週間前に収穫してから何故か一向に育つ気配がありません。葉先が少し伸びたくらいで、収穫できる量にはほど遠いです。
理由を探るべくオカヒジキを観察すると、節に半球形状のものが付いていました。この茎だけではなく、
こちらにもあります。探すと色々な箇所で見付けることができました。
何かの病気にかかったのかな?と思っていたら、ある映像が脳裏に浮かびました。それは「オカヒジキの種」です。
蒔く前に撮影した種ですが、形や大きさがそっくりです。さらに良く株を見ると、黄色い花があちらこちらに咲いていました。これらから考察するに、今オカヒジキは種を作るのに力を使っており、新芽を伸ばすことを止めてしまったのかもしれません。
こうなってしまうと2回目の収穫は期待薄なので撤収することにしました。収穫ができなかったのは残念ですが、もしオカヒジキを育てようと思っている方の参考になれば幸いです。