ニンニクを半水耕栽培で育ててみます。土耕栽培よりも大きいものを収穫したいです

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 昨年から今年にかけて、庭でニンニクを育てました。10月に植え付けをして、確か梅雨前に収穫した気がします。でき具合は小さなニンニクもありましたが、市販品と同じ大きさの立派なものも採れました。

 これに味を占めた私は、今年もニンニクを作ることにしました。しかしニンニクの栽培期間は半年と長く、種まきに一番良い季節である春に庭を占領してしまうのが欠点です。そこで今年はプランターで育てることに決めました。

 普通はホームセンターで培養土を買ってきて育てるのですが、ここはひとつバーミキュライトを土の代わりにした「半水耕栽培」を行ってみたいと思います。自分の予想では、土を使った場合よりも栄養の吸収が良くなり、大きく育つはずです。それではニンニクの半水耕栽培の日記をつけていきましょう。

 

 

 

 

ニンニクの種球

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 ニンニクの種球はホームセンターで購入しました。品種は「ホワイト6片」です。
 見た目はスーパーで売っているニンニクと全く同じで、もしかしたら料理にも使えるのかもしれません。ちなみに金額は1球500円で、食べるニンニクよりも1.5倍くらい高かったです。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

  

2018年10月14日 植え付け

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 購入したニンニクをそのまま植えるとひと塊で育ってしまうので、とりあえず1片ずつに分けます。数えたところ、大きい鱗片が10個、指先より小さい鱗片が2個ありました。小さいものは取り除いて、大きいものだけを植え付けます。

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 植え付けに使うバーミキュライトは、まず水道水で湿らせておきます。そしてここに鱗片を頭がすこし見えるかな程度の深さに埋めて完了です。この状態で日向に置いて、発芽するまで待ちます。

 

2018年10月20日 発芽(発芽から0日目)

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 先週ポリポットに植えたニンニク10片のうち、数個から芽が出てきました。 

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 まだ発芽していないものもありますが、ポットの底を見ると根が回っているのが分かります。これらの株ももうすぐ芽が出てくるはずなので、定植することに決めました。

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 適当な大きさのプランターにバーミキュライトを入れて、ニンニクの入ったポットを仮置きします。今回は10cm間隔で2列になるようにします。位置が決まりましたら、植え付けをしていきます。

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 植える前に根の状態を確認すると、ポリポットの形に沿って渦巻いていました。
 ポットの底には、バーミキュライトが流れ出ないように網戸のアミを敷いています。定植する時に取り外そうと思っていたのですが、太い根が入り込んでおり、もう外せない状態になってしまいました。しょうがないので今回はそのまま植えましたが、次回育てる時には直接プランターに植えた方が良いかもしれませんね。

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 植え付けの深さは、出てきた芽が少し隠れるくらいとしました。あとは液体肥料を十分に撒いて、芽が出てくるのを待ちます。

 

2018年10月28日 発芽率100%(発芽から8日目)

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 プランターに植え付けたニンニク10個は、無事に全て発芽しました。ちなみにプランターを置いているこの場所はエアコンの室外機の上です。日当たりの良い所を探した結果、この位置が最も良かったです。

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 今では2枚目の葉が出てきています。このニンニクの収穫は半年後ですので、成長するのを気長に待とうと思います。

 

2018年11月4日 結構大きくなる(発芽から15日目)

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 今週は暖かい日が多かったからか、ニンニクはかなり成長しました。

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 しかし全てが同じように大きくなっているわけではありません。左側手前の成長が芳しくありません。他のものと比べると半分くらいの大きさでしょうか。これから巻き返してくれるのか、今後の成長に期待しましょう。

 

2018年11月25日 モザイク病にかかる?(発芽から36日目)

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 1ヶ月前に植えたニンニクは一応育っていますが、あまり順調とは言えません。プランターの左半分側の調子がおかしいのです。

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 このように葉が黄色っぽくなり、ねじれが出てきています。この株はまだ軽症な方で、ひどいと葉がうねって地面に着いてしまっています。この症状から考えられるのは「モザイク病」です。
 この病気はウイルスが原因であり、葉にモザイク状の濃淡やねじれを生じさせ、株が萎縮してしまいます。困ったことにモザイク病に効く薬はないのです。とりあえずこのまま様子を見ますが、ちゃんと収穫できるのか不安になってきています。

 

2018年12月15日 ゆっくりと成長中(発芽から57日目)

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 12月に入り、寒くて外に出るのが億劫になってしまいます。そんな中でもニンニクはゆっくりとですが、確実に成長しています。モザイク病っぽい株も一緒に大きくなっており、特に枯れるような様子は見られません。

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 株元は前回よりも一回り太くなりました。

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 夏と違って、液肥の補充は1週間に1度くらいの頻度でも十分です。ニンニクの葉は撥水能力が高く、付いた液肥が玉になってコロコロと転がっていきます。
 これから本格的な冬が到来します。霜も降りると思いますが、今のうちに栄養を蓄えて、暖かくなる来年の春に一気に大きくなってほしいです。

 

2019年2月8日 葉先が枯れる(発芽から112日目)

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 時は進み、前回から約2ヶ月がたちました。この間、ニンニクはほとんど成長していません。

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 違いと言えば、寒さのためか葉先が枯れてきたくらいです。今はこんな感じですが、気温が上がれば一気に新芽を伸ばしてくれるはずです。暖かくなる3月までは我慢ですね。

 

2019年3月16日 大きくなる(発芽から148日目)

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 3月になり、寒さもだんだんと弱まってきました。地面にへばり付くようになっていた先月と比べると、ニンニクは立ち上がり、葉もかなり成長したように感じます。

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 根元の太さは人差し指くらいになりました。

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 しかし順調に育っているものもあれば、このように葉が雷のように曲がっているものや、

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 蛇のようにぐにゃぐにゃのものもあります。正直、収獲に期待はできそうもないですが、とりあえずそのまま育てていきます。

 

2019年4月6日 液肥の減るスピードが早い(発芽から169日目)

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 ニンニクは前回よりも一回り大きく成長しました。
 最近は日中の気温が20℃近くになる日があるので、気付くとプランターが軽くなっていることがあります。この際には底から流れ出す程度に液肥を補充しています。

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 根元を軽く掘ってみましたが、特に太くなっている感じはありませんでした。さすがにまだ時期ではないようです。

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 ところで左端にある一向に大きくならないニンニクは、他の株と比べても1/3の大きさしかありません。これ以上の成長は見込めないので取ってしまいましょう。

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 根の張りはやはり弱く、簡単に抜くことができました。残りは9株ですので、これらがちゃんと成長し収獲できることを願います。

 

2019年4月27日 葉がグネグネ(発芽から190日目)

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 昨年の10月にニンニクを植えたので、半年以上が経過したことになります。前回の写真と比べると、1回り以上大きくなっているようですね。ちなみにこのプランターに近づくと、ほのかにニンニクの香りがします。

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 最初から調子が悪かった左側の株は、成長するに従ってさらにグネグネに曲がっています。まるでメデューサを思わせるような姿となってしまいました。

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 こちらが正常な株ですので、差は一目瞭然ですね。果たしてグネグネの方は球根が大きくなるのでしょうか?
 2年前に畑でニンニクを育てた記録を見ると、6月上旬に収穫していました。と言うことはこの栽培もあと1ヶ月です。これからラストスパートをかけて、地下に栄養をたくさん溜め込んでほしいと思います。

 

2019年4月29日 葉枯病になる(発芽から191日目)

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 昨日、ニンニクの写真を撮っていて気になったことがあります。それは葉の調子が悪いことです。

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 この様に先が枯れていたり、

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 葉に小さな黒い粒がたくさん付着している株があるのです。この画像では分かりにくいので、アップにしてみましょう。

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 虫のフンにしてはあまりにも細かく、眼を凝らしてもギリギリ見えるかどうかの大きさです。
 ウェブでこの現象を調べたところ、『葉枯病』と症状が酷似しています。この病気は症状が進むと葉が黄変して枯れ上がります。また湿度が高い時は、病斑上に黒い粉状の胞子を作るとのことです。

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 葉枯病を治す薬はいくつかありますが、ちょうど家にあった殺菌剤「ダコニール1000」もこの症状に効きます。この農薬を水道水で1000倍に希釈して噴霧しようと思います。しかしニンニクの葉は撥水力があるので、スプレーした薬が上手く付着しない恐れがあります。そこで展着剤である「ダイン」を500mLに対して、0.1mLくらいを加えました。

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 農薬を散布する時には手袋やマスクをして、身体に付かないようにしましょう。あと風向きにも注意が必要です。風の流れが急に変わって、自分に掛かりそうになってしまいました。

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 薬液は症状が出ている株だけではなく、念のために全ての株に噴霧しました。だいたい300mLの液を使ったと思います。これで症状が収まることを祈りましょう。

 

2019年5月6日 病気が収まる(発芽から198日目)

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 先日、病気の治療薬を撒いたニンニクはどうなったでしょうか?

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 葉にあった黒い粒は大半がなくなっており、病気の進行は止まったようです。やはり農薬の力は偉大ですね。

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 今、一番育っているニンニクの茎は指よりも太くなっています。また、細いものでも人差し指くらいです。
 これから気温が上がってくると、葉がだんだんと枯れてきます。葉が全体の半分ほど枯れたら収穫時期ですので、もう少し時間がかかりそうですね。

 

2019年5月19日 枯れ始める(発芽から211日目)

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 最近は最高気温が25℃くらいの気候となっています。暑さが苦手なニンニクは徐々に枯れ始めてきました。

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 まだ緑色の葉はありますが、株元に近いところや先端部分は水分が抜けて薄茶色となっています。収穫までもう少しです。

 

2019年5月24日 収穫(発芽から216日目)

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 数日前に大雨と強風がありました。その影響を受けたニンニクは多くが傾き、中には倒れてしまったものもあります。
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 葉の枯れは進行しており、ほぼ全ての葉先が茶色くカサカサに乾燥しています。 

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 なぜか乾燥しかけている葉に、黒いアブラムシが数匹いました。このような葉でも美味しい汁が吸えるのでしょうか?

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 株の緑色はかなりくすんできており、今では黄緑色と言ったところです。

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 株元の葉は完全に枯れています。また心なしか細くなったようにも感じます。この茎を摘むとスカスカしており、中身があまりない触感です。確かにこれだと強風には耐えられそうもないです。
 ニンニクの収穫時期は5月中旬~6月中旬で、今がちょうどその期間に入っています。枯れもかなり進んで来ましたし、茎もスカスカなので本日収穫をしてしまいましょう。

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 一番取りやすい端の株から採っていきます。茎を掴んで上に引っ張ります。バーミキュライトを土の代わりに使っているので簡単に抜けるかなと思いきや、意外と抵抗があります。根がしっかりと張っているようです。

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 抜けました。根がヒゲの様に伸びていますね。この具合で他の株もどんどん取っていきます。

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 全9株を抜き終えました。このままではバーミキュライトで何が何だか分からないので、水洗いをしてきれいにしましょう。

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 これにて収穫の完了です。鱗片の植え付けから約220日、長い栽培が終わりました。バーミキュライトが取れたニンニクは真っ白で、惚れ惚れしてしまいます。 

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 収穫した中で一番大きいものと小さいものを比べてみましょう。小さい方はちょっと物足りないですが、大きい方は市販品と変わらないくらいのサイズとなりました。
 ちなみに左の小さい方は、ウイルス病にかかり葉がクネクネしていた株です。やはり病気にかかってしまうと、球根の成長が良くないようです。

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 球根の大きさが小→大となるように並べてみました。9株中4株は小サイズ、残りの5株はそこそこの大きさとなっています。以前に土耕栽培でニンニクを育てましたが、その時と同等または少し小さいサイズかなと思います。

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 よく見ると、とある株は雪だるまのように鱗片が2段重ねとなっていました。上の鱗片はどこから生えているのか謎ですね。

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 ニンニクは料理の風味付けなどに入れるので、一度に全てを消費することはないです。そこでいつでも使えるように保存作業をしておきましょう。
 まずは根と茎をハサミで切り落とします。茎はそうでもないですが、根を切るとニンニク特有の香りが漂ってきます。

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 あとは茎を紐で縛って、軒先などの日陰で風通しが良い場所に吊るしておけばOKです。時間が経つと茎や根がカラカラに乾燥しますが、中の鱗片は乾かないので大丈夫です。過去の経験から、この状態で1年くらいは持つはずです。もしニンニクを使いたくなったら、その都度ここに来て1個ずつ取っていきます。我が家の使用頻度ですと、半年くらいで使い切りそうです。

 

まとめ

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 それではニンニク栽培のまとめになります。

  • 昨年の10月に鱗片を植えて、約220日で収穫となりました。冬はほぼ育たず、暖かくなってきた春から成長が始まりました。このプランターの近くに近付くと、ほのかにニンニクの香りがしたのに驚きです。

  • 栽培後期に病気に掛かりましたが、それ以外はただ液肥を与えているだけの手間のかからない野菜だったなという印象です。今更ですが栽培期間がかなり長いので、短期間栽培がメリットの水耕で育てる意味はあったのかは疑問です。

  • 収穫したニンニクは小ぶりなものもありましたが、それでも市販品くらいの大きさに育ちました。ウイルス病になった株はあまり太らない傾向があるようです。

  220日をかけて半水耕でニンニクの栽培をしてみました。収獲した球根のサイズは土耕の場合と比べ、同じ〜小ぶりくらいでしたので育てる価値はあるかなと思います。

 ちなみに私が懇意にしているホームセンターの園芸コーナーには、同時期に植えたであろうニンニクがあります。こちらもプランター栽培ですが、私の育てたものの方が株の勢いや茎の太さが勝っていました。葉の茂り方から予想すると、球根も我が家の方が大きそうです。ちょっと嬉しいです。

 もしニンニクの半水耕栽培をしようとする方がいたら、この記事が参考になるのではないでしょうか。栽培期間が長いので、育つのをのんびり待ちましょう。それでは、皆様が立派なニンニクを収獲できることを祈って終わりにしたいと思います。この記事を最後まで読んで頂き、ありがとうございました。