リーフレタス3種をポリポットで半水耕栽培。かき採り収穫をしながら長く楽しみます

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 私と同じく、父も家庭菜園をしています。私のメインはベランダでの水耕栽培ですが、父親は庭での土耕栽培です。父親は数年前から、サニーレタスを面白い方法で栽培しています。それはポリポットに種を蒔き、植え替えをせずにそのまま育て、かき取り収穫をしているのです。

 ポリポットは限られた量の土しかないので、大きく育たないと思いきや、意外にも立派な株となっているのです。この「ポリポット栽培」の利点としては、準備が簡単・移動が楽・後片付けが最小限なことでしょう。こうして考えると、むしろベランダ菜園で使った方が恩恵がありそうです。そこでこの栽培方法を少しアレンジして、私も葉物野菜作りにチャレンジすることにしました。父と同じサニーレタスでは面白味に欠けますので、今回はサニーレタスではないリーフレタスを3品種育ててみようと思います。

 今の季節は夏。夏蒔きのレタスで一番難しいのは、おそらく発芽でしょう。レタスの種は25℃以上になると、発芽率が悪くなってしまいます。そこで少しでも発芽率を良くするために、空調の効いた部屋で発根をさせてから屋外に出す予定です。それでは栽培を始めましょう。

 

 

 

 

リーフレタスの品種

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 栽培するリーフレタスは以下の3種類を選びました(説明は種袋より)。

  • ロロロッサ
    根張りは中程度の品種で、葉先はカールする。とても濃い鮮やかな赤色の葉。

  • ロログリーン
    根張りは中程度の品種で、葉先はカールする。明るい緑の葉をした品種です。

  • オークリーフ
    独特の姿が人気の極早生品種です。対暑性が強く、高温期の栽培にも適しています。

 

栽培容器

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 栽培容器の作り方は以下の通りです。
 直径9cmのポリポットの底に、土留めのための不織布を敷きます。ここにバーミキュライトを9割ほど入れ、液体肥料で湿潤させます。最後に、ドーナツ型に切り出したアルミ蒸着保温シートを乗せれば完成です。
 このドーナツ型の保温シートは、バーミキュライトに直射日光が当たるのを防止して、液肥の蒸発を抑えるためのものです。外径は8cm、内側の穴は直径2cmで、取り外しができるように一箇所に切れ込みを入れています。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

 

2021年8月21日 種蒔き

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 リーフレタスの種はポリポットの中央に5個ほどを置き、厚さが3mmとなるように覆土を行いました。また品種が分かるように、名前を書いたプラスチック板を挿しています。今回はリーフレタス3品種をそれぞれ1個ポットずつ育てます。
 レタス系の種は高温だと発芽しにくくなります。そこでできるだけ空調の効いた室内(気温:26〜27℃)に置いて、発芽するのを待ちます。

 

 2021年8月24日 発芽(発芽から0日目)

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 昨日(8月23日)に発根を確認したので、ポリポットを屋外に出しました。そして無事に双葉が開きました。本日を「発芽から0日目」として栽培の記録をしていきます。
 発根率は約80%と、思っていたよりも高かったです。空調の効いた部屋に置いていたのが良かったのかもしれないです。

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 狭い面積に株がひしめき合っているので、1回目の間引きを行います。発芽に失敗しているものを中心部に切り取っていきます。

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 1ポットあたり3株まで減らしました。この状態で、本葉が出てくるのを待ちます。 

 

2021年8月29日 成長度合い(発芽から5日目)

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 発芽から5日が経過しました。同じレタス系の品種であっても、成長度合いに差が出ています。

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 1番成長の早い品種がロログリーンです。本葉が双葉よりも大きくなり、また若干の「縮れ」が出てきています。

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 次点はオークリーフです。こちらの本葉は双葉と同じ大きさです。

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 成長が遅めなのは葉が紫色になるロロロッサです。葉の成長がやっと始まった感じです。それぞれの株が、これからどの様に成長していくのか楽しみです。

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 余談ですが、アルミ蒸着保温シートが飛ばないように押さえているのは、庭にあった石です。大きすぎないものを選んで、2つ置いています。しかし滑りやすいので、もう少し操作性の良いものに変えたいと思っています。

 

2021年8月31日 2回目の間引き(発芽から7日目)

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 ロログリーンが成長して、本葉が触れ合ってきました。このタイミングで2回目の間引きを行います。

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 1回目と同様に、ハサミで切り取りました。今後はこの株を育てていきましょう。ロロロッサとオークグリーンも、葉が触れ合ってきたら間引きをして1株にします。

 

2021年9月5日 オークリーフの元気がない(発芽から12日目)

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 成長速度はやはり中央のロログリーンが最も早く、次点で左側のロロロッサです。

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 右側のオークリーフは調子が良くないのか、双葉の色がくすんだ緑色となっています。このまま枯れてしまわないか心配なところです。

 

2021年9月19日 成長中(発芽から26日目)

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 前回から2週間が経過しました。リーフレタス達は急激に成長し、見違えるほどのサイズとなっています。

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 ロロロッサは葉先が徐々に色付いてきました。予定ではもっと深い紫色になるはずです。

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 オークリーフも成長はしていますが、他の2株と比較すると小さいです。枯れなかっただけ良しとしましょう。

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 ロログリーンは葉の一部を食べられてしまいました。幸いなことに近くで小さなイモムシを見つけたので、摘んで取り除いておきます。このペースで成長すれば、ロログリーンが最初の収穫となりそうです。

 

2021年9月26日 徒長気味(発芽から33日目)

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 先週は全体的に暑い日が多く、中には最高気温が30℃を超える時もありました。この高温のせいか、何とリーフレタスの茎が間延びをし始めたのです。

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 特に顕著なのか写真のオークリーフで、明らかに徒長しています。そしてロログリーンも徒長っぽいような茎の動きをしています。一方で、ロロロッサは問題なく育っています。
 天気予報を確認すると、これからの1週間は平年並みの涼しい気温となっています。ロログリーンの徒長は止まるのか、そしてオークリーフはどうなってしまうのか。できれば蒔き直しは避けたいところです。

 

2021年10月3日 完全に徒長(発芽から40日目)

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 茎の成長は止まることなく、完全に徒長をしてしまいました。

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 ロログリーンは中心から太い茎がすっくと伸びています。このままですと、いつの日か先端部に蕾が付きそうです。

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 オークリーフも長く茎が伸びています。しかし細いせいで自重を支えることができず、地面を這うように成長中です。

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 ロロロッサは他の2株とは異なり、特に徒長の気配は見られません。
 実はこの3株の他にも同じ栽培方法で、ロログリーン・ロロロッサ・オークリーフを育てています。それらもロログリーンとオークリーフは全て徒長し、ロロロッサは徒長していません。やはり品種により、徒長する条件が違うようですね。
 徒長してしまったロログリーンとオークリーフは収穫をして、栽培を終えようと思います。今後はロロロッサの栽培記録を取っていきます。

 

2021年10月17日 もうすぐ収穫(発芽から54日目)

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 1ポットだけになってしまったリーフレタスですが、順調に成長をしています。色が薄い紫→濃い紫に変化してきました。

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 葉もだんだんと大きくなっており、もうすぐで収穫できそうです。

 

2021年10月24日 初収穫(発芽から61日目)

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 葉は横方向に成長し、ポットの縁からはみ出しています。また色が先週よりもさらに濃い紫色に変わりました。

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 葉の大部分は紫色ですが、中心の混み合っているところは緑色です。どうやら太陽が当たっている箇所が紫色になるようです。

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 十分に成長しているので、早速ロロロッサの初収穫をします。下の方の成長している葉をハサミで切り取っていきます。

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 まずは1枚の収穫完了です。サイズは小ぶりで、1口サイズとなっています。

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 この調子で6枚ほどを収穫しました。このロロロッサは単体では食べずに、レタス中心のサラダの彩りとして少量を入れました。濃い紫色が映えて、サラダ全体がより美味しそうに見えたのが良かったです。

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 今回の栽培ではかき取り収穫をしていくため、中心部の葉を残しておきます。これが成長すれば再び収穫ができるはずです。次の収穫はいつになるでしょうか?

 

2021年11月3日 2回目の収穫(発芽から71日目)

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 収穫から10日間ほどがたちました。残していた葉が成長し、再びドーム型となっています。

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 このくらいのサイズであれば2回目の収穫ができそうです。

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 今回も大きくなった外葉を採りました。収穫量は前回と同じくらいとなっています。

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 収穫後の株がこちらの写真です。気持ち良く採っていたところ、気付いたらほとんどの葉がなくなっていました…この状態から次の収穫ができるようになるには、少し時間がかかりそうですね。

 

2021年11月21日 アブラムシ発見(発芽から89日目)

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 前回の収穫から3週間が経過しました。やっと大きくなり、あともう少しで収穫できそうです。

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 しかしやや困ったことに、中心部の葉にアブラムシいるのを発見してしまいました。このまま放置していると加速度的に増えるため、ティッシュで拭き取ったり、水で洗い流しました。アブラムシは厄介な敵ですので、今後の動向によっては薬に頼る必要もありそうです。

 

2021年11月27日 3回目の収穫(発芽から95日目)

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 ロロロッサは順調に成長し、収穫できる大きさになりました。

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 危惧していたアブラムシですが、やはり増殖してしまっているようです。収穫後に殺虫剤を散布しましょう。

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 ところでロロロッサはこの記事の株の他に、後から種蒔きをした分の3株があります。1株から採れる量は多くないため、そこは株数を育ててカバーします。

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 4株分の葉を収穫するとボウル1杯分となりました。アブラムシが付いているかもしれないので、念入りに水洗いをして冷蔵庫内に保管しておきます。

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 収穫が終わった後は、アブラムシ対策として「ベニカベジフルスプレー」を撒いておきます。効果は1ヶ月ほどあるため、しばらくの間は安心して育てられそうです。
 これからのロロロッサは栽培と収穫と繰り返すことになります。そのため3回目の収穫が終わったこのタイミングで、栽培記録を一旦終わりにしようと思います。

 

まとめ

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 今回はポリポットを使って、3種類のリーフレタス(ロロロッサ・ロログリーン・オークリーフ)を育てました。しかしロログリーンとオークリーフは暑さのためか、途中で徒長をしてしまい収穫までは辿り着けませんでした。その反面ロロロッサは順調に成長し、3回の収穫ができました。

 ポリポット内で育てた印象としては、やや成長が遅く、また葉が大きくなりにくいと感じました。原因としては、根の伸びるスペースが少ないことが考えられます。そこでポリポット栽培する時には株数を増やして、総収穫量をアップさせる作戦を取る必要がありそうです。今後は4株の中から大きくなった葉を収穫しつつ、株の限界を迎えるまで育てていく予定です。

 この記事がリーフレタス栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。