種袋に書いてある名前が、あまりにも気になって買ってしまいました。その名も「KOIのミラクルストロベリー」です。パッケージのデザインから、KOI = 恋 だとは思いますが、なぜローマ字表記なのか?そしてミラクルストロベリーとは一体…ちなみに日本語の下に英語表記も書いてあり、それは「super strawberry in love」です。直訳すると、『恋する素晴らしい苺』になるのでしょうか。ミラクル(miracle)の単語は何処へ…
特に品種名が書いていなかったので、写真を元に私なりに調べた結果、おそらくワイルドストロベリーではないかと思います。ワイルドストロベリーは幸運を引き寄せる植物として知られているので、名前の由来はここから来ているのかもしれないです。
細かいところは取り敢えず棚上げとし、今回はこのKOIのミラクルストロベリー、もといワイルドストロベリーを育てます。最初は水耕栽培を考えましたが、栽培期間が長くなりそうなため、土の代わりにバーミキュライトを使う半水耕栽培とします。本格的な収穫は種蒔きの翌年から始まるので、今年は育成期間と割り切って株の充実に努めます。それでは栽培を始めましょう。
- ワイルドストロベリーの種
- 液体肥料
- 2021年5月23日 種蒔き
- 2021年5月30日 発根
- 2021年6月1日 発芽(発芽から0日目)
- 2021年6月5日 本葉が出始める(発芽から4日目)
- 2021年6月11日 黒斑点が発生(発芽から10日目)
- 2021年6月26日 2回目の間引き(発芽から25日目)
- 2021年7月10日 成長中(発芽から39日目)
- 2021年7月18日 蕾?を発見(発芽から47日目)
- 2021年7月19日 開花(発芽から48日目)
- 2021年8月1日 次々に咲く花(発芽から61日目)
- 2021年8月13日 植え替え(発芽から73日目)
- 2021年8月29日 不調の1株(発芽から89日目)
- 2021年9月26日 全株が不調(発芽から117日目)
- 2021年10月23日 回復中(発芽から144日目)
- 2021年12月4日 茂る葉(発芽から186日目)
- 2021年12月31日 プランターに植え替え(発芽から213日目)
- 2022年1月30日 傷む葉(発芽から243日目)
- 2022年3月27日 成長開始(発芽から299日目)
- 2022年4月24日 たくさんの実(発芽から327日目)
- 2022年4月26日 初収穫(発芽から329日目)
- 2022年5月6日 30個弱の収穫(発芽から339日目)
- 2022年5月29日 ジャム作り(発芽から362日目)
- まとめ
ワイルドストロベリーの種
種は直径1mmの涙型をしています。非常に細かいため、吹けば飛んでいってしまいそうです。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
2021年5月23日 種蒔き
ポリポットにバーミキュライトを入れて、液肥で十分に湿潤させました。同じものを合計4個作り、それぞれに種を7個くらい蒔きました。なお、ワイルドストロベリーの種は好光性のため、覆土は行いません。
上の写真は種蒔き後のポリポットです。バーミキュライトと同化しており、種がどこにあるのか全く分かりません。
このポリポットを適当な大きさのトレイに入れ、乾燥防止のために水道水で腰水をした上で、明るい室内に置いて発芽するのを待ちます。話によると、種の発芽までに1ヶ月かかることもあるらしいです。双葉が出てくるのを気長に待ちます。
2021年5月30日 発根
思っていたよりも動きは早く、種蒔きから7日目で発根してきました。本日からは半日陰の屋外に出して、葉の展開に備えます。
2021年6月1日 発芽(発芽から0日目)
無事に発芽したので、本日を「発芽から0日目」として記録をしていきます。種のサイズと同様に、でてきた双葉もすごく小さいです。発芽率は7割ほどと、許容範囲内でした。
2021年6月5日 本葉が出始める(発芽から4日目)
楕円形の双葉の間から、ギザギザしている本葉が見えてきました。
2021年6月11日 黒斑点が発生(発芽から10日目)
ワイルドストロベリーの成長は実にゆっくりです。やっと緑の部分が目立つようになってきました。
困ったことに何かの病気を患ったのか、葉に黒い小さな斑点が発生し、さらに色が抜けてきた株が出てきてしまいました。
放置していると他の株にも伝染する可能性があるため、ハサミで切って取り除きます。ついでにこのタイミングで1回目の間引きも行います。
病気の株と成長が遅い株を間引きし、1ポットあたり3株程度となるようにしました。次の間引きは、それぞれの葉が重なってきた頃に行う予定です。
2021年6月26日 2回目の間引き(発芽から25日目)
最近は雨の日が多く、培地が湿り気味です。そのため緑色の藻が表面を覆ってきました。しかしあまり影響はないので、このまま放置します。
葉が大きくなって、お互いに触れ合ってきました。それでは2回目の間引きを行いましょう。
1番成長している株を残して間引きの終わりです。定植できるサイズになるまで、あとどれ位かかるのでしょうか?
2021年7月10日 成長中(発芽から39日目)
ワイルドストロベリーはやっと成長速度が上がってきました。
最近はアブラムシが増えつつあります。見つけた時には、こよりにしたティッシュで突きながら、息で吹き飛ばしています。個体数が少なければ、この方法が一番楽です。
葉が大きくなると共に、株元が分岐してきました。このペースで進めば、60日目くらいには植え付けができそうですね。
2021年7月18日 蕾?を発見(発芽から47日目)
前回の写真と見比べると、一回り大きくなったのが分かりますね。
ふと株を確認すると、葉とは明らかに異なるものが根本から出ていました。もしかしたら蕾かもしれません。花が咲くまで待ってみましょう。
2021年7月19日 開花(発芽から48日目)
昨日見つけた蕾が咲きました。上手く受粉できていれば実になるはずです。
2021年8月1日 次々に咲く花(発芽から61日目)
発芽から2ヶ月が経過し、やっと株が大きくなってきました。もうそろそろ定植できるかもしれないです。
先日咲いた花に続いて、他の株も次々と花を咲かせています。
一番最初に咲いたものは花びらが落ち、そして垂れ下がってきました。この位置で実が大きくなるのでしょう。ワイルドストロベリーの実は小さいので、比較的早く収穫できるかもしれません。今から楽しみです。
2021年8月13日 植え替え(発芽から73日目)
35℃を超える気温の中でも順調に成長をしているワイルドストロベリーです。
花がたくさん咲いているので実になるのかと思いきや、どれも受粉しなかったようです。茎が垂れ下がってから数日が経過しても、実になる部分が大きくなりません。
株元からは多くの茎が出ており、立派な姿となりつつあります。枝や葉が増えるのは喜ばしいですが、最近は水やりの頻度が多くて困っています。晴れている日だと、朝と夕の2回水を与えないと培地がかなり乾燥してしまいます。地上部と培地量のバランスが悪いのでしょうから、大きいポリポットに植え替えることにしました。
植え替えるために培地を抜きました。ワイルドストロベリーの根は細くて分かりにくいですが、根張りは良いように見えます。この根は崩さずに大きいポリポットに入れ、周りをバーミキュライトで埋めます。
特に難しい工程はなく、作業は15分くらいで終わりました。直径9cmから15cmのポリポットに植え替えています。
ポリポットの容量を計算すると、植え替え前よりも4.5倍多くなりました。これならば水やりの回数が減りそうです。
2021年8月29日 不調の1株(発芽から89日目)
植え替えを行った結果、さらに成長スピートが上がりました。今はベランダで育てているのですが、結構な面積を占拠していて若干困っています。
花はたくさん咲けども、やはり実になりません。
ところで、4株のうち1株の調子が悪いです。左が不調株で、右が正常株です。正常株と比べると、高さが半分ほどしかありません。
中心部から出てくる新葉は緑色ではなく、茶色味がかかっています。
最も差が出ているところが茎の色です。正常株は赤いのですが、不調株はくすんだ色をしています。
この不調株は他の株と別にして、日陰の場所で養生をします。涼しくなる秋に復活してくれれば良いのですが、はたして…
2021年9月26日 全株が不調(発芽から117日目)
ワイルドストロベリーの具合が非常に悪いです。どの株も葉の艶がなくなり、明らかに元気がなくなっています。
4株の中から標準的な1株を選び出しました。やはり全体的に茶色の部分が多いのが気になります。
葉の一部はイモムシに食べられてしまい、穴が開いています。と言ってもこの被害は大きくないため、大丈夫だと思います。
問題なのは中心部にある新芽が茶色くなり、ほとんど大きくならないのです。どうやら前回報告した株の症状が、残りの3株でも起こっているようです。今のところは対策がなく、回復するのを待つしかありません。このまま経過観察を続けます。
2021年10月23日 回復中(発芽から144日目)
前回の報告から1ヶ月が経過しました。ボロボロだった株は今、息を吹き替えしつつあります。
中心部からは新しい芽が伸びてきており、鮮やかな緑色の部分が多くなっています。
開いた葉は非常に元気な状態です。
今までの茎は茶色でしたが、徐々に赤色のものが増えてきました。
嬉しいことに花も咲き始めました。やはりこれまでの気温はワイルドストロベリーにとって高かったのでしょう。この調子で枝葉がさらに増えてほしいです。
2021年12月4日 茂る葉(発芽から186日目)
11月を通り過ぎて、もう12月となりました。夏のひ弱な状態から、良くぞここまで回復してくれたものです。むしろ葉が茂り過ぎて、植替えを検討しなければならない程です。
花は次々と咲いています。ワイルドストロベリーは寒い方が調子が良いのかもしれないです。
花が咲いた後は実ができています。実っている数は多いのですが、赤くなってもう少しで食べごろだ、という頃に何故か無くなってしまうのです。おそらく鳥かネズミに食べられているのだと思います。私の口に入るのはいつになるのでしょうか?
2021年12月31日 プランターに植え替え(発芽から213日目)
2021年の最終日となりました。ワイルドストロベリーはあまりにも葉が茂っており、今のポリポットでは明らかに容量不足となっています。
この状態で春を迎えると、根詰まりを起こして成長不良を起こす可能性があります。そのためプランターに植え替えることにしました。
4株の中から成長の良い2株を選び、容量28Lのプランターに植えます。植え替えにはホームセンターで購入した「プランターの土」を使います。バーミキュライトも考えましたが、土の方が半分以下のコストだったため、今回は土を選びました。
それでは早速、植え替えましょう。ポリポットから外すと、底の方で多くの根が回っているのが確認できます。この根を軽く崩して土に植えます。
植え替えた後は水をたっぷりと与えて、作業の終了です。大きめのプランターを買ったつもりでしたが、株が広がっているために小さく見えてしまいます。このプランターは日の良く当たる場所に置いて、春になるのを待ちます。
2022年1月30日 傷む葉(発芽から243日目)
寒さの影響か、葉がかなり傷んできました。色が赤くなっていたり、中には枯れているものも見られます。
それでも中心部からは新しい葉が出てきています。3月になり暖かくなった頃、これらの葉が一気に成長してくれるでしょう。
2022年3月27日 成長開始(発芽から299日目)
前回の報告から2ヶ月、発芽から約300日が経過しました。季節は冬から春になり、それと共に新葉が伸びてきています。
また厳寒期には咲いていなかった花も、ぽつぽつと姿を見せ始めました。未だに1個も収穫できていないので、今年の春に期待です。
冬の間に枯れてしまった葉が株元に集積しており、風通しが非常に悪くなっています。このままだと病気の原因になりそうなので、不要な葉や枝をハサミで切り取っていきます。
作業後はプランターの土部分が見えるようになりました。
こちらが左側の株で、
こちらが右側の株となります。整枝をした結果、日光も当たりやすくなりました。今後は新芽の成長がさらに良くなるはずです。
2022年4月24日 たくさんの実(発芽から327日目)
順調すぎるほどに成長しています。このプランターサイズならば株は1つで十分でしたね。
現在、多くの花や実が付いている状態となっています。実はまだ緑色なので食べれませんが、全て熟したら結構な量が収穫ができそうです。
2022年4月26日 初収穫(発芽から329日目)
水やりをしていたら、1つだけ赤くなった実を発見しました。これは食べ頃に違いないです。早速収穫をします。
発芽から329日目にして、念願のKOIのミラクルストロベリーが採れました。種に紛れるようにアブラムシがいたため、よく水洗いをしてから食べました。味は甘みをあまり感じず、むしろ酸味が強かったです。生食にするよりも、ジャムなどの加工品にした方が良さそうです。
2022年5月6日 30個弱の収穫(発芽から339日目)
プランターの近くに寄ると、ほのかにイチゴの香りがして良いです。花の数は少し増えたように感じます。
懸念事項としては、茶色くなる葉が出てきたことです。とりあえず、このような葉は切り取っておきました。
ワイルドストロベリーの花の茎にはアブラムシが付きやすいです。先週までは大量にいたのですが、ここ数日で数がかなり減りました。どうやらテントウムシの幼虫が頑張って食べているようです。
実は赤くなったものから収穫していきます。
今回は30個弱が採れました。この実は洗った後に冷凍し、しばしの間保存をしておきます。
2022年5月29日 ジャム作り(発芽から362日目)
痛む葉がだんだんと多くなってきました。また以前よりも蕾の数が減ってきているように感じます。
先月は盛んに新芽を出していましたが、今はかなり少ないです。もう成長シーズンが終わってしまったのでしょうか?
とりあえず今ある実を収穫します。14個が採れました。
採った実は食べずに冷凍保していましたので、これを使ってジャムを作りましょう。本日収穫した分を合わせると、152gのワイルドストロベリーがあります。
小鍋の中に実と、実の重量の40%のグラニュー糖(60g)を入れて、弱火で煮詰めます。出来上がったジャムは紫に近い赤色で、濃厚な甘酸っぱい香りがしています。口に入れるとイチゴジャムとはまた違った風味があり、生で食べるよりも美味しかったです。
収穫した実の加工までできましたので、栽培記録はここで一旦終わりにしたいと思います。種を蒔いてから一年。途中で枯れることなく収穫できて良かったです。
まとめ
今回はワイルドストロベリー(KOIのミラクルストロベリー)を栽培しました。夏に調子が下がりましたが秋には回復し、翌春になると多数の実を付けました。個人的には生で食べるよりも、ジャムにした方が美味しかったです。
この記事がワイルドストロベリー栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。