自分の中で『芋ようかん』と言えば、舟和のものを思い浮かべます。甘みがちょうど良く、口当たりが滑らかな美味しい芋ようかんです。また子供の時から食べていますので、親しみがあることも要因の1つかもしれません。
私が小学生の時に同級生から「芋ようかんは簡単にできるよ」と聞いたので、いつか作ってみようと思っていました。しかし忘れたまま二十数年が経過し、30歳を超えてしまいました。今になってなぜかそのことを思い出したので、芋ようかんを作ってみることにしました。目標の味は舟和の芋ようかんです。
いろいろと材料の配合を変えて作った結果、少量の寒天を加えると、型崩れが起きにくいねっとりとした芋ようかんになることが分かりました。また裏ごしのひと手間をかけることで、滑らかな口当たりになります。それでは早速レシピを紹介しましょう。
材料
- サツマイモ 1本(約300~350g)
- グラニュー糖
(焼いて裏ごししたサツマイモg×0.12)g - 水
(焼いて裏ごししたサツマイモg×0.2)g - 粉寒天
(焼いて裏ごししたサツマイモg×0.01)g - 塩 ひとつまみ
準備
- サツマイモは140℃のオーブンで焼いた後、裏ごしをする
作り方
- 裏ごししたサツマイモ、グラニュー糖、塩を混ぜる
- 鍋に水と粉寒天を入れ、弱火で寒天を溶かす
- 1を2に入れて、弱火で加熱する
- 型に入れて冷やす
- 完成
実際の作業とコツ
今回使用したサツマイモは『あまゆう』と呼ばれるねっとり系の品種です。この芋は甘みを増やすために、長期間の熟成をしていることが特徴です。
おすすめ! コープの商品 さつまいも(べにはるか)
収穫後、貯蔵庫で寝かせることで、でんぷんが糖に変わり、特有の甘さが生まれるべにはるか。加熱することで、さらに蜜のような甘さが加わり、ねっとりとした食感が楽しめます。今回は、千葉県にある多古町旬の味産直(たこまちしゅんのあじさんちょく)センターを訪れました。
※1月~3月、一番甘さがのり、おいしい時期に多古町旬の味産直センターから出荷される「べにはるか」は、「あまゆう」という商品名でご案内します出典:コープデリ連合会 おすすめ!コープの商品
https://www.coopnet.jp/product/osusume_coop/2016/201602.html
あまゆうの切り口からは蜜が垂れており、かなり美味しそうな印象を受けます。
まずはこの芋を「焼き芋」にします。表面の汚れを取るために軽く水洗いをし、そのままの状態でオーブンに入れます。そして予熱なしの140℃で、竹串がすっと通るまで焼きます。
加熱時間は、細いサツマイモですと30〜60分、太いものですと90分以上かかります。写真の芋では75分くらいかかりました。低温でじっくり焼くことで、より甘みが強くなります。のんびり待ちましょう。
竹串がすっと通るようになったら取り出して皮を剥き、裏ごしをします。そして裏ごしをしたサツマイモの重量を計っておきます。この重さが他の材料の基準となります。例えば、裏ごししたサツマイモが300gならば、グラニュー糖 36g、水 60g、粉寒天 3gといった具合です。
あまゆうは水分の多いねっとり系の芋なので、裏ごしした時点で半ペースト状となっています。
ここに塩と規定量のグラニュー糖を加え混ぜます。そして一旦作業を止めます。
次に、規定量の水と粉寒天を鍋に入れ、弱火で寒天を溶かします。寒天が溶けると液が透明になり、とろみが出てきます。
今回使った粉寒天は、株式会社朝日が販売しているものです。他メーカーを使ったことがないので比較できませんが、この商品は水と混ざりやすいので重宝しています。
寒天が溶けたら、サツマイモペーストを加えて弱火で加熱します。大体70℃くらいになればOKです。
最後に型に詰めて冷やせば完成です。裏ごししたサツマイモ約300gを使ったところ、幅15×奥行10×高さ3cmの弁当箱がちょうど良い大きさの型となりました。スムーズな取り出しのために、型にラップを敷いてから生地を入れましょう。
この芋ようかんは舟和のものと比べても、遜色のない味だと思っています。ホクホクさよりもねっとりさを重視ししたので、少量の寒天を加えているのがポイントです。 寒天を加えすぎると芋ようかんではなく、「芋ゼリー」になってしまうので気を付けましょう。またサツマイモの種類によって甘みや水分量が異なるので、上手く作れない時には材料の加減が必要かもしれません。
もし美味しいサツマイモのが手に入ったら、芋ようかんにしてみてはいかがでしょうか?焼くのに時間がかかりますが、その価値はある味だと思っています。ぜひお試し下さい。