見切り品の「クレソン」を水耕栽培。挿すだけなので手軽に育てられます

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 「クレソン」はウォーターレタスとかオランダガラシとも呼ばれている葉物野菜で、田んぼや沼などの湿った場所に生えています。マスタードのようなピリッとした辛味があり、肉料理の付け合せやサラダとして食べられています。

 以前、庭でクレソンを育てたことがあります。その時は春に苗を植えて、大きくなるのを楽しみに待っていました。ところが初夏の頃には元気がなくなり、真夏になったら葉が溶けて、株自体が消失してしまったのです。クレソンは暑さに弱いと聞いていましたので半日陰に植えたのですが、それでも夏の暑さは厳しかったようです。

 クレソンは湿った環境を好む植物ですから、水耕栽培との相性が良さそうです。リベンジも兼ねて、いつか育ててみたいなと思いつつ月日がたってしまいました。

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 そしてこの週末、スーパーに行ったところ、見切り品コーナーに40%OFF(税込み74円)で売られているクレソンを発見したのです。そのクレソンは全体的にしなびており、一部の葉は黄色に変色していました。しかし「栽培する」には問題なさそうです。それでは、この廃棄される寸前のクレソンを水耕栽培で増やして食べてみたいと思います。

 

 

 

 

クレソンの根

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 実はクレソンは茎を水に挿しておくだけで発根し、成長してくれます。今回手に入れたクレソンはすでに根が出ていましたので、この状態のまま培地に埋めて育てようと思います。
 種から育てるとこの大きさになるまでに2〜3週間はかかりますから、栽培時間の大幅な短縮ができますね。

 

2018年10月7日 定植(定植から0日目)

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 買ってきたクレソンをそれぞれのカップに1〜2本挿しました。深さは節が2個埋まる程度です。水だけでは育ちませんので、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを与えていきます。

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 最初は葉も付けていたのですが、あまりにもしなびていたので切り取ってしまいました。もちろん全ての葉を取り除いたわけではなく、元気そうな葉は残しました。しかし中には、ただの茎だけになってしまったものもあります。はたして、この状態でもちゃんと芽は出てくれるのでしょうか?若干の不安が残ります。
 クレソンを定植した水耕栽培装置は、明るい日陰に置いておきました。数日間は様子を見て、何事もないようでしたら日向に移動させようと思います。 

 

2018年10月11日 シャキッとする(定植から4日目)

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 クレソンを挿してから4日がたちました。前回の写真を見ると、どの株もシナシナで頭が垂れていました。しかし今では、シャキッと立ち上がっているのが分かるかと思います。

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 いくつかの枝は枯れてしまっていますが、

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生き残った枝からは新しい葉が出てきました。

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 今回は節を2つ分挿しましたが、そこから芽が出てきている株もあります。クレソンの成長はかなり早いようですね。
 

2018年10月14日 脇芽が出る(定植から7日目)

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 クレソンをバーミキュライトに挿して、一週間がたちました。特に枯れそうな株はないので、明るい日陰から日が当たる2階のベランダに移動させました。

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 前回の報告した時よりも、先端部分の葉が大きくなっています。

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 それぞれの節からは新しい脇芽が出てきました。これが育てば立派なクレソンになることでしょう。すぐに元は取れそうです。

 

2018年10月21日 根が液肥層に到達(定植から14日目)

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 買ってきたクレソンは順調に成長し、だんだんと緑の葉が多くなってきています。

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 他の野菜と同じくクレソンも上方向に伸びるのかなと思っていたら、どうも横方向に育つようです。この株だけではなく、他にも傾き気味のものがあります。

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 茎をバーミキュライトに挿してから2週間。ようやく根が出てきました。
 これから冬に向かって気温が下がっていきますが、寒さに負けず元気に育ってほしいです。 

 

2018年10月28日 一次収穫(定植から21日目)

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 クレソンを水耕栽培装置に挿してから3週間が経過しました。最初は枝だけだったものが、今では葉が増えてワシャワシャな感じになってきています。

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 前回、枝が垂れ下がってきたと報告しましたが、今ではほぼ全ての株が地面に向かうように成長しています。どうもクレソンは「匍匐(ほふく)性」の植物みたいですね。

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 あまりにもクレソンの元気が良く、このまま放置しておくとジャングルになってしまいそうです。そこで枝葉の整理も兼ねて、1回目の収穫をしたいと思います。
 収穫は、株の半分くらいのところをハサミで切って行います。茎は柔らかく、普通のハサミでも簡単に切ることができました。

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 数十秒で収穫は完了です。ひとつかみくらいの量が採れましたので、購入した金額分(74円)は回収できました。

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 クレソンは節々から根が出ていますので、これを植えればいくらでも増やすことができます。しかしこれ以上多くなると収拾がつかなくなるので、今回は収穫した分は全て食べることにしました。

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 早速、このままの状態で葉をかじってみます。最初はプラムの様な爽やかな酸味と香りが口に広がり、それからだんだんと大根の葉の風味と軽い辛味がしてきます。クレソンは肉料理の付け合わせとして出されますが、この味ならば口の中がさっぱりとして確かに良さそうです。
 残りは切ったレタスと混ぜて、サラダとして美味しくいただきました。ドレッシングはゴマなどの濃厚系より、フレンチドレッシングのような軽い系のものがおすすめです。クレソンの風味はあまり強くないので、それを隠さないようなドレッシング選びが重要です。

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 収穫は上半分だけにしたので、数週間後にはまた収穫できそうです。もう少しクレソンの観察を続けてみましょう。

 

2018年11月10日  二次収穫(定植から34日目)

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 前回の収穫から2週間が経過しました。クレソンは予想以上のスピードで成長して、今では中のプラカップが見えないほどに茂っています。また茎が地面に着きそうなくらいに伸びてきているのも分かるでしょうか。

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 脇芽がどんどん増えてきており、採るには十分な量となっています。それでは2回目の収穫を行いましょう。

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 今回はボール1つ分の量が収穫できました。このくらいのカサがあれば、クレソンだけのサラダが食べられそうです。

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 収穫後はこのような感じになりました。収穫したのは装置からはみ出た茎と、内部の混み合っている部分になります。1週間後に様子を見て、茎が多くなっているようであればまた収穫をしたいと思います。

 

2018年11月25日 葉が傷む(定植から49日目)

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 あれほど勢い良く育っていたクレソンは、ここにきて成長がゆっくりとなってきました。さすがにこの量ではまだ収穫できそうもありませんね。私の目測ですと、次回の収穫は2週間後になる予定です。

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 もう11月の終わりとなり、だんだんと真冬に向かっています。寒さのせいか、最初の方に出てきた葉が枯れ始めてきました。このような葉は見つけたらハサミで切って取り除いています。

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 地上部は枯れていても、根は非常に元気が良いです。株の大きさの割には根の量が多く、これがクレソンの成長を支えているのかもしれません。

 

2018年12月1日 もっさりと茂る(定植から55日目)

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 前回から一週間がたちました。ベランダの中で1番日当たりの良い場所に移動させたので、クレソンの成長速度が戻ってきた気がします。スカスカ気味だった葉も、だいぶ茂ってきました。

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 伸びた茎は再び容器の外側に出てきています。このペースで成長すれば、結構な収穫量になりそうです。来週が楽しみですね。

 

2018年12月9日 三次収穫(定植から63日目)

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 さらに1週間が経過したクレソンは、カップが見えないくらいにモジャモジャになってしまいました。すごい勢いです。それでは収穫をしましょう。

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 今回も前回と同様に、外側にはみ出た葉だけではなく、内側の枝も整理するように切っていきます。切り取った枝の中には傷んで枯れてしまった葉がありましたので、その都度取り除きながら作業をします。

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 これで3回目の収穫は完了です。手のひら程度の大きさの容器に山盛りのクレソンを採ることができました。今までで1番多い収穫量です。収穫したクレソンはサラダではなく、味噌汁の具として使ってみようと計画中です。生で食べれるのですから、きっと汁物にしても美味しいはずです。
 最後になりますが、このまま観察を続けても収穫の報告だけになってしまいそうです。そのため3回目の収穫が終わった今回で報告を終わりにしようと思います。

 

まとめ

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 それではクレソンを育てたまとめをしましょう。

  • 見切り品のクレソンを培地に刺すだけで、簡単に育てることができました。ベランダで栽培しているおかげかもしれませんが、害虫が付くこともなく本当に手間がかからなかったです。

  • クレソンの枝を刺す今回の方法では、最初の収穫を21日目でできました。種から育てると収穫まで時間がかかりますので、栽培期間の大幅な短縮ができました。

  • 収穫は2ヶ月間で3回できました。特に3回目の収穫量が一番多かったです。枝を残しておけばまた新芽が出てくるので、数週間ごとに収穫を楽しめそうです。

 

 今回、葉が黄色くなってしまった「見切り品のクレソン」を水耕栽培してみました。成長速度が早いうえ、何度も収穫できるので非常にコストパフォマンスに優れた野菜だと思います。これから本格的な冬ですのでさすがに成長が遅くなりますが、それを耐えればもう春です。暖かくなれば再び大きくなってくれることでしょう。

 スーパーで買ってきたクレソンの栽培では、簡単に元がとれてしまいます。葉物野菜を育ててみたいけど何が良いのか分からない…という方は、まずはクレソンを育ててみましょう。私がイチオシする野菜です。

 

【追記】2018年12月23日 葉が濃緑色になる(定植から77日目)

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 クレソンの成長はかなり鈍くなっており、まだ収獲できそうな感じではないです。

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 今までは緑色の葉でしたが、ここ最近は濃い緑色の葉になってきています。この色ではあまり食欲をそそられませんね。

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 久しぶりに液肥の全交換を行いました。寒さのせいか藻が生えることはなく、液肥は透明を維持しています。根も真っ白で、腐っているような部分はありません。
 今現在、クレソンはあまり成長していませんが、春になれば再び大きくなってくるでしょう。こたつに入りながら、クレソンのサラダを食べられる日を楽しみに待っています。


【追記】2019年2月9日 雪が積もる(定植から125日目)

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 本日は予報通り、雪がちらつく天気でした。ただニュースで言っていたように何cmも積もるわけではなく、芝生や庭木の葉が白くなる程度でした。もちろんベランダに置いてあるクレソンにも雪は積もっています。

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 クレソンの葉はこのように赤く変色していますが、決して枯れているわけではありません。赤いだけでちゃんと生きています。

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 手で株の内部を見ると、中側は緑色の葉がたくさんあります。雪が降っても全く枯れる気配はありませんね。私よりも全然寒さに強いです。

 

【追記】2019年3月9日 剪定(定植から153日目)

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 3月になりました。朝晩はまだ寒いですが昼間は暖かく、ダウンコートを着ていると汗をかいてしまうくらいです。クレソンも気温が上がっているのが分かるのか、新しい枝を伸ばしつつあります。

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 そこで春になる前に、このもじゃもじゃと伸びている枝を整理することにしました。傷んだり枯れている枝を取り除きつつ、食べられそうな部分を収獲していきます。最終的にはサラダ数回分の枝を採ることができました。

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 大幅な整理の結果、株はここまで小さくなりました。これからもっと暖かくなれば、すぐに同じ大きさに戻ってくれることでしょう。まだまだクレソンの栽培は続きそうです。

 

【追記】2019年3月31日 鳥&アブラムシ襲来(定植から174日目)

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 剪定したクレソンはすっかり成長しました。気温が上がっているせいか、葉の色も濃い緑となってきています。

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 しかし春の到来と共に、角の葉が何者かによって食べられていました。これは多分、鳥のせいだと思います。被害は少ないので特に対策はせず、回復するのを待とうと思います。

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 今まで害虫の被害がなかったクレソンにも、とうとうアブラムシが付いてしまいました。新芽のところにゴマ粒みたいなものがいるのが分かるでしょうか?数減らしを兼ねて、これらの葉は全て収獲しました。
 アブラムシはボールに水を入れてガサガサ洗うと落ちるので、料理に使ってしまいましょう。アブラムシの繁殖力は強靭なので、これからどのくらいの被害を受けるのか考えたくないです…

 

【追記】2019年4月6日 液肥層に何かがいる(定植から180日目)

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 先週は暖かい日が続いていたのですが、今は寒さが戻ってきています。気温の低下のせいか、クレソンの葉は緑色から濃い紫色に再び変化しました。

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 液肥を補充しよう蓋を開けたところ、何やら見慣れないものがありました。プラカップや側面の壁に茶色い米粒みたいなものが、十数個付いていたのです。

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 目を凝らしてよく見ると、幼虫っぽいです。しかし容器を揺らしても動かないので、もしかしたらサナギかもしれないです。
 プラカップと蓋は接着していないので、部分的に隙間が開いています。そこから虫が入って卵を産んだのでしょう。もし液肥層で大繁殖してしまったら駆除は難しいです。もう少し様子を見てから対応を考えようと思います。

 

【追記】2019年4月27日 撤収(定植から201日目)

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 今まで収穫を繰り返してきたクレソンですが、最近の暖かさで一気に成長しています。前回見つけたサナギのようなものは、特に増えることはありませんでした。
 おせんべい型に育っているクレソンをよく見ると、何やら中央部分の葉がありません。何やら良からぬことが起きている気配がします。

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 拡大すると、葉にかじられた痕があったり、

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 それどころか茎だけになっている部分もあります。葉や茎には糸状のものと共に、1mmにも満たない小さなフンが大量に付着しています。これはきっと青虫の仕業に違いないです。

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 見つけました。体調1cmくらいの青虫です。この写真だけで2匹、実際はクレソン全体に大量にいます。10や20という単位ではありません。100匹はいそうです。
 今まで害虫が付かなかったので、てっきりクレソンは虫に強い野菜だと思っていました。しかしそうではなく、季節的なものだったようです。
 青虫とそのフンがあまりに多いので、クレソンの栽培はこれで終わりにしよう思います。栽培期間200日、収穫した回数は数知れず。もう十分に元は取れました。再び育てようと思ったら、スーパーで買ってくればOKです。
 最後になりますが、ここまでクレソンの栽培日記を読んで頂き、ありがとうございました。

(追記:後日調べたところ、この青虫はチョウの一種である「コナガ」の幼虫と思われます)