先日、初心に帰ってペットボトルを利用した水耕栽培装置を作成しました。特に難しい作業もなく、30分ほどの短時間で完成しました。もちろん作っただけでは意味がないので、この装置で何か野菜を育ててみたいと思います。
手元にある十数種類の種の中で選んだのは「水菜」です。種を蒔けば簡単に発芽し、病気にも強く、さらに成長も早いので水耕栽培ではメジャーな野菜の1つです。水菜が育てられれば、他の葉物野菜は一通りできるでしょう。
今回の記事では『初めての水耕栽培』を想定して、ペットボトル栽培装置で水菜を育ててみます。秋真っ盛りの中で育てるのでアオムシの被害が心配ですが、どうなるでしょうか?それでは栽培のスタートです。
- 水菜の種
- 栽培装置
- 液体肥料
- 2019年8月28日 種蒔き
- 2019年9月1日 発芽(発芽から0日目)
- 2019年9月4日 1回目の間引き(発芽から3日目)
- 2019年9月7日 順調に成長(発芽から6日目)
- 2019年9月11日 2回目の間引き(発芽から10日目)
- 2019年9月22日 盛んに成長(発芽から21日目)
- 2019年9月28日 ハダニの発生(発芽から27日目)
- 2019年10月5日 ハダニの増殖(発芽から34日目)
- 2019年10月26日 アブラムシの増殖(発芽から55日目)
- 2019年11月16日 調子が悪いため収穫(発芽から76日目)
- まとめ
水菜の種
種は新品を持ち合わせていなかったので、2年ほど前に買ったものを使用します。この種は農薬(チウラム)処理がされており、青色となっていることが特徴です。
栽培装置
栽培装置は500mLのペットボトルを用意し、この記事《ペットボトルで水耕栽培の装置作り。意外と簡単で30分で完成しました 》を参考にして作りました。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。私の購入したものは500g入りですが、120g入りも売っています。価格も500円くらいなので、お試しにはちょうど良い量と金額です。
2019年8月28日 種蒔き
種は1年以上前に購入したものなので、もしかしたら発芽率が下がっているかもしれません。そこで少し多めの8個を培地に蒔き、厚さ数mmの覆土を行いました。この状態で日の当たる屋外に出して、発芽するのを待ちます。
2019年9月1日 発芽(発芽から0日目)
種を蒔いてから2日目で芽が地上に見えてきて、4日目の本日に双葉が開きました。今日を「発芽0日目」として記録をしていきます。
種は8個蒔いたのですが、今のところ4個しか芽が出てきていません。もしかしたら、まだ発芽していないお寝坊の種があるのかもしれないですね。もう数日待ってみましょう。
2019年9月4日 1回目の間引き(発芽から3日目)
双葉も大きくなり、中心部からは本葉も見えてきました。最終的に発芽したのは5株で、計算すると発芽率は60%強です。新しい種ですと100%近くの発芽率になりますから、やはり芽が出る力が衰えるのかもしれません。種は蒔く年に買った方が良さそうです。
この面積に5株があると狭いので、1回目の間引きを行いましょう。成長の遅い株や葉が欠けているものなどをハサミで切ってしまいます。指でつまんで抜くと周りの株も一緒に抜けてしまうことがあるので、ハサミを使う方法がおすすめです。
2株を残して作業完了です。次は本葉が数枚になったタイミングで最後の間引きをし、1株にしていきます。
2019年9月7日 順調に成長(発芽から6日目)
発芽から一週間目にして、最初の本葉が大きくなってきました。今のところ順調に育っています。
2019年9月11日 2回目の間引き(発芽から10日目)
今週は季節外れの夏がきてしまい、気温が35℃を超える猛暑日が2日もありました。あまりにも日差しが強かったため一時的に半日陰に移動させましたが、今は気温が平年並みになったので日なたに戻しています。
この暑さでも水菜は特にダメージを受けている気配はありません。本葉も2セット目が出てきましたので、2回目の間引きを行います。
成長の良い株を残して、最後の間引きの終了です。前回育てた記録を見ると、あと30日ほどで収穫できそうです。
2019年9月22日 盛んに成長(発芽から21日目)
水菜は特にトラブルなく、順調に成長しています。葉の数が多くなり、それっぽい姿となってきました。
と言っても食べられる大きさにはなっていませんので、まだ我慢です。
株の中心部からは次々と新芽が出てきています。今の季節は暑くもなく寒くもないので、数日で立派な葉に成長するでしょう。
2019年9月28日 ハダニの発生(発芽から27日目)
最近は最高気温が30℃に届かない日も多くなっており、やっと過ごしやすい気候となってきました。そのおかげか、水菜の葉の数は前回より2倍くらいに増えました。
それに伴い、株元から出ている枝の数も多くなっています。
葉を観察していると、表面が均一な緑ではなく、ところどころ薄い黄緑色になっていました。これは?と思い裏返してみると、赤いハダニが20匹ほどいたのです。葉の色が変わっていたのはハダニが汁を吸っていたからでしょう。
農薬を使って退治する量でもないので、とりあえずは軽く拭っておきました。もし手に負えないくらい増えてしまったら、その時には薬を使おうと思っています。
2019年10月5日 ハダニの増殖(発芽から34日目)
発芽から1ヶ月が経過すると、水菜はここまで大きくなりました。前回のハダニはどうなったでしょうか?
何となくですが、葉の色がより黄色に近付いた気がします。裏面を見るとやはりハダニがおり、悪いことに前よりも数が増えていました。そこで天然成分で作られた殺虫剤『アーリーセーフ』を500倍に薄めてたっぷりと散布しておきました。
この薬は安全性が高い代わりに、何回か使わないとハダニを退治することはできません。これから雨の日が続くらしいので、次は晴れた日に撒こうと思っています。
2019年10月26日 アブラムシの増殖(発芽から55日目)
発芽から50日を超えた水菜ですが、ちょっと成長が遅い気がします。最初の予定では、今頃に収穫しているはずでした。
一応、株元からは新しい芽が出てきつつあります。
この場所を見て感じたのは、地上部の大きさの割に根が太く、工作用ハサミでは切れないくらいの直径になっていることです。もしかしてこれからの成長に期待ができるでしょうか?
最近ハダニが減ってきて良かったと思っていたら、今度はアブラムシが増えてきました。水菜の汁を吸って丸々と太っています。
アブラムシの数はまだそれほど多くないので、300倍に希釈したアーリーセーフを撒いて退治しておきます。もう少し寒くなるとアブラムシが減るので、それまでの我慢ですね。
2019年11月16日 調子が悪いため収穫(発芽から76日目)
2週間ほど前から大きい葉が枯れ初め、おかしいと思っていました。そして今週、とうとう水菜の成長が止まってしまいました…
茎は赤っぽくなってきています。今まで何回か水菜を育てましたが、このような現象は見たことがありません。生育不良の影響でしょうか?
成長が止まった原因を探しましょう。葉には特に病気の症状はありません。ただ緑色が薄い気がします。
容器を開けて根を見ると、色が少し茶色っぽくなっており、根腐れの初期な感じがします。おそらく根の傷みが地上部の成長を妨げているのでしょう。
根腐れが起きると、短期間での回復は見込めません。不本意ですが、これ以上悪くなる前に収穫してしまおうと思います。
採れた水菜は指でつまめるサイズです。本当はもっと大きくしたかったのですが、その夢は叶いませんでした。
この水菜は退治しきれなかったアブラムシが付いていたので、よく洗ってからサラダの具材にしました。小さくても水菜の味がして美味しかったです。
まとめ
今回は初心に戻り、ペットボトルで水菜を栽培しました。大きく育てようと思っていたのですが途中で成長が止まってしまい、半端なサイズでの収穫となりました。
500mLのペットボトルで育てた感想は、「液肥の補充回数が多い」です。ペットボトルに入る液肥の量は100~200mLほど。油断していると水切れを起こしてしまいます。特に夏場には注意が必要でしょう。もし栽培スペースに余裕があるならば、2Lのペットボトルで作ると液肥補充の頻度を少なくできるのでオススメです。
この記事がペットボトル栽培にチャレンジする方のお役に立てれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。