夏に水菜を育てる際、栽培期間を長くして大株にすると葉が固くなってしまいます。そのため同じ重さならば小株で多数を収穫した方が、美味しく食べられます。
私が普段使っている水耕栽培装置は、6株を同時に育てることができます。しかし今回のような早採りでは、微々たる量にしかならないでしょう。一度にもっとたくさん育てられる装置の方が効率が良いです。そこで目につけたのが「トレイ栽培法」です。
この方法は育苗で使うプラグトレイで種蒔き〜収穫までを行う育て方です。72穴のトレイでは株同士が約5cm間隔ですが、小株採りならば大丈夫でしょう。それでは栽培のスタートです。
- 水菜の品種
- 液体肥料
- 栽培場所
- アオムシ・イモムシ対策薬
- 2020年8月2日 種蒔き
- 2020年8月3日 もうすぐ発芽
- 2020年8月4日 発芽(発芽から0日目)
- 2020年8月6日 間引き(発芽から2日目)
- 2020年8月9日 撤退→蒔き直し(発芽から5日目)
- 2020年8月13日 発芽(発芽から0日目)
- 2020年8月15日 間引き(発芽から2日目)
- 2020年8月17日 伸びる茎(発芽から4日目)
- 2020年8月22日 倒れる株(発芽から9日目)
- 2020年8月29日 脇芽が出てくる(発芽から16日目)
- 2020年9月5日 もうすぐ収穫(発芽から23日目)
- 2020年9月12日 収穫(発芽から30日目)
- まとめ
水菜の品種
育てる水菜の名称は「サラダみずな」で、品種は『早生千筋京水菜』になります。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
栽培場所
夏は日光が強すぎて、葉が縮れたり枯れたりする葉焼けが起きる可能性があります。そこで遮光率22%の寒冷紗を設置し、その内側で栽培します。
アオムシ・イモムシ対策薬
葉物野菜の天敵は葉を食害するアオムシ・イモムシです。そのためこれらの対策薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」を定期的に散布していきます。希釈倍率は1000倍とし、葉に定着しやすいように展着剤(商品名:ダイン)を加えます。
2020年8月2日 種蒔き
栽培装置はこの記事 《カブのトレイ栽培に挑戦中。水耕栽培を応用して土の代わりにバーミキュライトを使ってみます》を参考にして組み立てます。
液肥で湿潤させた培地に種を1セルあたり4〜5個蒔き、覆土は3mmほどとしました。水切りトレイに液肥はまだ入れずに、室内の涼しい場所に置いて芽が出てくるのを待ちます。
2020年8月3日 もうすぐ発芽
培地がこんもりと持ち上がり、黄色い葉が少し見えています。明日には発芽すると思いますので、栽培装置を屋外に出します。
2020年8月4日 発芽(発芽から0日目)
双葉が開きましたが、暑さのためか若干茎が伸びている株があります。とりあえずは本日を「発芽から0日目」として記録していきます。
液肥はこのタイミングで水切りトレイに入れました。量はプラグトレイの底が触れる程度とし、減ったら適宜補充をしていきます。液肥の全交換は3〜4日に1回する予定です。
2020年8月6日 間引き(発芽から2日目)
双葉が大きくなってきたので、1回目の間引きを行いましょう。
発芽に失敗している株や、徒長している株を中心に切り取っていきます。
これで作業は完了です。茎が長いので倒れないか心配です。
2020年8月9日 撤退→蒔き直し(発芽から5日目)
本葉が出てきましたが、順調な成長とは言い難い状況です。
茎が細いせいで自分の重さに耐えられず、傾く株が多く出てきました。
中には株元の茎が干からび、完全に倒れたものもあります。
全体的に茎が伸び気味で、これからの成長はあまり期待できそうにないです。原因はおそらく液肥を入れたタイミングが早かったためです。発芽時の暑さと多湿により、徒長したのでしょう。今回の水菜は諦めて、一度全て抜き取ります。
そして再度種を蒔き、発芽するのを待ちます。次は液肥を入れるタイミングを遅らせて栽培をしてみます。
2020年8月13日 発芽(発芽から0日目)
本日、大半の種が発芽しました。多湿にならないようにしても、茎が伸び気味の株が出てきています。ここ数日の気温は35℃を超えているので、やはり水菜の夏蒔きは難しいようです。とりあえずはこのまま栽培を続けます。
2020年8月15日 間引き(発芽から2日目)
双葉の間から本葉が出てきました。それでは間引きを行いましょう。
できるだけ背の低いものを残しました。
天気予報を確認すると、最高気温が35℃を超えるのも来週までだそうです。それ以降は30℃前後となるので、もうしばらくの辛抱です。
2020年8月17日 伸びる茎(発芽から4日目)
もうずっと暑いです。水菜の茎はさらに伸びています。
とうとう倒れる株が出てきてしまいました。今のところこの1株だけなので、株元に培地を盛って垂直に戻しておきます。他の株も傾きつつあるので、この流れは止められそうもないです。
2020年8月22日 倒れる株(発芽から9日目)
前回から5日が経過しました。本葉が成長し、水菜らしい姿になってきています。
しかし先端部が重くなったせいで、8割くらいの株が倒れています。倒れても成長はするので、とりあえずは栽培を続けましょう。
2020年8月29日 脇芽が出てくる(発芽から16日目)
かなり葉が茂ってきました。種蒔きから2週間でこのサイズになるとは、思っていたよりも成長が早いです。
脇芽も出てきたので、来週にはさらに水菜らしい姿となるでしょう。
2020年9月5日 もうすぐ収穫(発芽から23日目)
発芽当初のヒョロヒョロ水菜の姿はもうありません。立派なジャングルに育ちつつあります。
葉も食べごたえがある大きさになりました。
茎の分岐は増えていますが、もう少し多くしたいです。収穫は次の週末としましょう。
2020年9月12日 収穫(発芽から30日目)
非常にわしゃわしゃしており、収穫するには丁度良い茂り具合になりました。
株元からの分岐も十分です。
ふと大きな葉を見ると、緑色が少し抜けているところがありました。おそらくハダニでしょう。この水菜だけではなく、別のトレイで育てている小松菜にも同様の被害があります。もしかしたら移ってきたのかもしれません。
葉を裏返すとやはりいました、ハダニです。ハダニは写真のように赤くて小さな虫です。
この写真をパソコンで見ていたら、ハダニの周りに粒々したものがありました。画像を拡大すると卵のようにも見えます。もし仮にこれが全て孵化したら、すごい勢いで増えますね…
それはさておき、収穫に入りましょう。ハサミで株元を切っていきます。
これで収穫の完了です。重さを測ると、24株で261gでした。この水菜はよく水洗いをして、サラダの具材として使いました。エグ味もなくて美味しかったです。
まとめ
水菜のトレイ栽培は大成功でした。発芽した時は茎が間延びしてどうなるかと思いましたが、結果としては特に問題なく育ちました。次は気温の落ち着いた時に種蒔きをして、不安のない発芽を迎えたいです。
この記事が水菜の水耕栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。