水菜を育てている時に、良く似た名前の「ミブナ」と呼ばれる葉物野菜を知りました。調べると水菜との外見上の違いは、葉の切れ込みがあるかないか程度のようです。味は独特の香りと辛みがあり、旬は冬〜春に掛けてです。
ちょうど今、空いている栽培装置がありますので、このミブナを育ててみようと思います。種袋の育て方を読むと、株は最大数kgになるそうです。しかし今回はA4用紙サイズの栽培装置を使いますから、ある程度の大きさで収穫したいと思います。それでは栽培のスタートです。
- ミブナ
- 液体肥料
- 栽培場所
- アオムシ・イモムシ対策薬
- 2020年9月12日 種蒔き
- 2020年9月14日 発芽(発芽から0日目)
- 2020年9月17日 1回目の間引き(発芽から3日目)
- 2020年9月21日 2回目の間引き(発芽から7日目)
- 2020年9月27日 成長中(発芽から13日目)
- 2020年10月11日 問題のない成長(発芽から27日目)
- 2020年10月24日 収穫(発芽から40日目)
- 2020年11月21日 多数の分岐(発芽から68日目)
- まとめ
ミブナ
ミブナは漢字で『壬生菜』と書きます。京都市の壬生地区で古くから栽培されていた野菜で、ミズナ(水菜)とは区別されることが多いです。晩生種のため大株となりますが、今回は栽培装置が葉で一杯になったら収穫します。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
栽培場所
9月になったとは言え、まだ日光が強い日があります。このような時は遮光率22%の寒冷紗を設置し、その内側に栽培装置を置きます。涼しくなってきたら寒冷紗は外す予定です。また栽培は南側のベランダに置いた4段の棚で行い、栽培装置を1日ごとに1段動かして日当たりを均一化させます。
アオムシ・イモムシ対策薬
葉物野菜の天敵は葉を食害するアオムシ・イモムシです。そのためこれらの退治薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」を定期的に散布していきます。希釈倍率は1000倍とし、葉に定着しやすいように展着剤(商品名:ダイン)を加えます。
2020年9月12日 種蒔き
栽培装置はこの記事《カブのトレイ栽培に挑戦中。水耕栽培を応用して土の代わりにバーミキュライトを使ってみます》を参考にして作りました。右奥のセルには培地を入れずに、液肥の水位確認用として使います。
蒔いた種の数は1セルあたり3〜5個、覆土は約3mmとしました。水切りトレイに液肥はまだ入れず、ある程度育ってから溜める予定です。種蒔きが終わった栽培装置は、屋外に置いて発芽するのを待ちます。
2020年9月14日 発芽(発芽から0日目)
芽が出たので、本日を「発芽から0日目」として記録をしていきます。
ミブナの双葉は水菜と全く見分けが付きません。本葉が出てくるのを待ちましょう。
2020年9月17日 1回目の間引き(発芽から3日目)
発芽から3日が経過しました。発芽率が良く密集している状況なので、本日1回目の間引きを行います。
間引くのは発芽に失敗している種や、明らかに成長の遅い株です。これらの根元をハサミで切っていきます。
1セルにつき2~3株を残しました。ミブナの成長は早いと思うので、2回目の間引きは数日後となりそうです。
2020年9月21日 2回目の間引き(発芽から7日目)
双葉の面積が2倍くらいとなり、中心部からは長細い本葉が出てきました。水菜とは異なり、葉に切れ込みは入っていません。このタイミングで2回目の間引きをしましょう。
1番成長の良い株を選び、残りは全て取り除きました。
2回目の間引きが終わりましたので、これからは水切りトレイに液肥を溜めて育てていきます。水切りトレイの周りを覆っているのは黒い不織布で、藻の増殖を防ぐための遮光材として取り付けています。
発芽当初とは異なり、だんだんと茎が伸びてきています。地面から双葉の付け根までの長さは約3cmです。水やりは控え気味にしていたことから、気温が高いせいで徒長気味になったかもしれないです。とりあえずは、このまま育てていきましょう。
2020年9月27日 成長中(発芽から13日目)
小さかった本葉も大きくなり、だんだんとトレイの中が緑色となってきました。定期的にアオムシ対策薬を散布しているおかげか、虫食いはありません。今のところ、順調すぎる成長です。
2020年10月11日 問題のない成長(発芽から27日目)
前回から2週間が経過しました。特に何かトラブルが起きるわけでもなく、ただ液肥を与えているだけで大きくなりました。全体的に縦方向に伸びているのが分かりますね。
葉の長さは手の幅と同じくらいになっています。
株元の分岐はまだ多くなく、今は6本ほどが出ている状態です。しかしこのペースで成長すれば、あと1~2週間で収穫ができそうです。
2020年10月24日 収穫(発芽から40日目)
ミブナは育ちに育ち、トレイから溢れかえっています。この大きさになると液肥を吸うペースが早く、ほぼ毎日補充しています。正直な話、結構面倒なので本日収穫をしてしまいましょう。
その前に少し気になった点について書きます。
現在、ハダニが発生しており、葉の一部が黄色っぽく変色しています。ただ食べられない程ではないので、今回はそのまま収穫します。よく洗えば大丈夫だと思います。
またなぜか1枚の葉だけ、完全に丸まっているものがあります。念のため中を覗くと…
体調1cmほどのクモが隠れていました。もしかしたらイモムシなどの害虫を食べてくれたのかもしれないです。これは逃しておきましょう。
それでは収穫作業に入ります。株元をハサミで切っていきます。
これでミブナの収穫完了です。あまり大きくないので柔らかそうな葉です。
収穫した17株の重量は200gでした。このミブナは煮浸しにして食べました。茎がしっかりとしているので食感はシャキシャキとしています。味は若干の苦味があり、水菜とは違った味で美味しかったです。
ちなみにミブナは大株になるらしいので、6株を残してさらに育てることにした。
残した株の中には、このように株元から次々と新芽を出しているものがあります。どう成長するのか観察しましょう。
2020年11月21日 多数の分岐(発芽から68日目)
収穫から約1ヶ月が経過しました。残した6株は新しい枝を出しながら大きくなっています。前回の写真と見比べると、あのスカスカ具合からよくもここまで育ったものです。
一部の葉は何者かにかじられた跡がありますが、許容範囲内でしょう。
株元の分岐は盛んで、現在20~30本が出ています。培地から出ている白い茎は太くなり、大根を思い出させる姿となっています。正直な話、1ヶ月でここまで大きくなるとは思いもしませんでした。
予想以上に成長したのは喜ばしいことですが、ある問題が現在進行中で起きています。それは大量のアブラムシが発生していることです。株の内側を指で開けると、びっしりとアブラムシが付いているのが分かります。良く洗えば大丈夫そうですが、発生初期に対策をしておけば良かったです。
まとめ
それでは栽培のまとめになります。
- 種は蒔いてから2日で発芽し、40日目で収穫できました。栽培中は特に問題となるようなアクシデントはなく、非常に育てやすかったです。
- 水菜と比べるとミブナは歯ごたえがしっかりとしており、また多少の苦味ありました。
- 収穫時に6株を残して、さらに成長させました。日数が経過するにつれ枝の分岐は増え、大株になっていきました。
今回は水菜と似たような名前の「ミブナ」を育てました。関西では良く売られている野菜のようですが、関東に住んでいる私にとっては見たことも食べたこともない野菜でした。これを機に、ミブナの美味しい食べ方を調べてみたいと思います。
本記事がミブナ栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。