間引きしたズッキーニの挿し木に挑戦。1週間目で根が出て、2週間目で定植できるくらいになりました

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 野菜の種蒔きをする時は、1粒だけ蒔くことは少ないです。もしかしたら芽が出ない可能性もありますし、途中で生育不調になることも考えられます。この対策として数粒の種を一緒に蒔いて発芽させ、間引きをしながら一番元気の良い株を選抜します。

 先日、100円ショップでズッキーニの種を購入しました。種蒔きをしようと中を開けると、なんと3粒しか入っていなかったのです。仕方ないので、これらを1つの容器に全部蒔いたところ、運良く全てが発芽してくれました。2週間が経過すると本葉も大きくなり、次のステップである間引きに入ります。3株を1株にするのですが、どれも十分に育っており、選ばれなかった2株を捨てるのは惜しい気がします。

 以前、枝豆の『胚軸切断挿し木法』を調べた時に、キュウリやカボチャも茎から根が再生することを知りました。ズッキーニもカボチャの仲間なので、上手く養生すれば根が再生するのではないでしょうか?もしできるならば、間引きした株を有効活用できそうです。そこで今回の記事では、間引きしたズッキーニを挿し木にして根が再生するか実験をしてみます。

 

 

 

 

2020年4月25日AM 間引き&挿し木(挿し木から0日目)

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 これが間引きをする前のズッキーニです。発芽してから14日目となります。現在の本葉は1枚であり、中心部からは2枚目の葉が1cmほど見えている状態です。

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 この3株の中から2株を間引きます。どれも同じような成長具合なので、残すものを選ぶのに悩みます。最終的には茎が他よりも少しだけ太い株に決めました。
 間引きは地上すれすれの位置にハサミを入れ、茎を切断しました。この後に根の再生を行うので、念のため良く切れる剪定バサミを使っています。

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 これが間引きをした2株です。本日は晴れているので、萎れないように水道水に挿しています。

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 切った茎にはもちろん根がありません。

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 これらの株は水道水で湿潤させたバーミキュライトに挿して、発根するまで室内の明るい日陰で養生します。

 

2020年4月25日PM 萎れる(挿し木から0.3日目)

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 挿し木をしてから数時間が経過しました。根がなくなったせいで水が吸えなくなり、ぐったりと萎れています。

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 このままでは枯れる危険があります。そこでトレーに5mmほど水道水を張って、バーミキュライトが常に濡れている状態になるようにしました。もうできることはないので、このまま見守ります。

 

2020年5月1日 発根(挿し木から6日目)

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 ズッキーニは数日間萎れていましたが、徐々に葉が立ち上がり、今ではシャキッとしています。とりあえず危機は脱したようです。

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 しかし萎れのダメージは完全に回復できず、葉の先端が少し枯れていたり、

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双葉には治らないであろう損傷を受けました。挿し木をする際に葉を半分ほど切って、蒸散を抑えた方が良かったかもしれません。

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 バーミキュライトに埋まっている先端は、今どうなっているでしょうか?抜いてみると、どちらの株も切り口の少し上に小さな突起が出ています。形状からして、これは根だと思います。挿し木をしてから1週間ほどで根が再生しました。
 実は挿し木をしてから本日まで、時々抜いて切り口の変化を観察していたのです。最初は茎が緑色だったのですが、だんだんと白色となって膨らみ始めました。この状態で数日間停滞した後、本日発根していました。
 今までは水道水のみを与えていましたが、発根したので微粉ハイポネックスを1000倍に希釈した液肥に切り替えます。根があるとは言え小さいので、引き続き室内で様子を見ます。

 

2020年5月9日 再生の成功(挿し木から14日目)

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 前回の報告から8日間が経過しました。根付いたのか、新しい葉が次々と出てきています。

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 株元には蕾も付き始めました。見たところ全て雄花で、まだ雌花はないようです。

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 ここまで成長しているのですから、根はかなり成長しているはずです。そこでポットから培地を抜いたところ、側面や底に根が回っているのが分かりました。前回見た1mmほどの根から、8日間でここまで伸びるとは驚きです。
 今までは《間引きをした》ズッキーニの成長を追っていました。参考として、間引きにより《選抜された》株と大きさの比較してみましょう。

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 左が今回の《間引き株》、右が《選抜株》になります。はい、見ての通り大きさが全く違います。もちろんどちらも同じ日に発芽したものです。
 選抜株はこの2週間で成長し、巨大となっています。一方で、間引き株は根が再生するまでほぼ成長しなかったので、これほどの差が生まれたようです。

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 一番大きい葉の横に今回のズッキーニを並べました。葉1枚と同じ大きさですね。
 正直、ここまで違いが出るとは思ってもいませんでした。本当はこのまま育てて収穫時期や収穫量の差も検討したいのですが、残念なことに栽培場所にはズッキーニを2株育てられるスペースはありません。そのため今回は「発根に成功した」ところで終わりにしようと思います。

 

まとめ

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 それは今回の実験のまとめになります。 

 

  • 間引きをしたズッキーニを挿し木にしました。6日目で発根し、14日目では定植できる程度に根が育ちました。

  • 挿し木をしてから数日間は萎れた状態でした。根がなくなると水を吸う力が衰えるので、葉の数を減らした方が良かったかもしれません。

  • 根が再生するまでの間は成長が停滞します。そのため選抜した株と比べると、大幅に成長の遅れが出ました。

 

 今回は間引きをしたズッキーニの挿し木を行いました。危ない期間もありましたが、最終的にはしっかりとした根が伸びてくれました。

 根を再生するための2週間は成長が滞るため、最終的に初収穫時期が遅れる可能性があります。余程珍しい品種でない限りは根を再生するのではなく、種を多く蒔いて株数を確保した方が良いでしょう。

 この記事がズッキーニ栽培のお役に立てると幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。