春に種を蒔いた野菜は、だいたい6月に収穫を迎えました。次の種蒔きシーズンは秋になります。すると今の7〜8月は空白の期間となってしまい、手持ち無沙汰です。そこでこの季節でも育てられ、成長の早い野菜を調べることにしました。そして見つけたのが「春菊」です。
春菊は独特の香りがあるキク科の葉物野菜です。基本的に加熱して食べますが、品種によっては生食が可能なものもあります。種蒔きは7月初旬でもできるので、私にとってはちょうど良い野菜です。
春菊の品種には大葉・中葉・小葉があり、それぞれに異なった特徴があります。また産地によって味が違うらしく、東京産の春菊は苦く、広島産は甘いらしいのです。水耕栽培ではどのような味に育つのか、とても気になるところではあります。それでは春菊の水耕栽培を始めましょう。
- 春菊の種
- 栽培装置
- 液体肥料
- 2020年7月12日 種蒔き
- 2020年7月15日 発芽(発芽から0日目)
- 2020年7月18日 1回目の間引き(発芽から3日目)
- 2020年7月23日 2回目の間引き(発芽から8日目)
- 2020年8月2日 脇芽が出る(発芽から18日目)
- 2020年8月8日 順調な成長(発芽から24日目)
- 2020年8月15日 摘心(発芽から31日目)
- 2020年8月23日 葉の変色(発芽から38日目)
- 2020年9月5日 撤収(発芽から51日目)
- まとめ
春菊の種
種の大きさは2×4mmほどの四角形で、色は薄茶色をしています。品種は中葉種です。種袋には明記されていませんが、文章を読む限りでは株ごと抜き取って収穫する「株張り型」だと思います。
栽培装置
栽培装置はこの記事《「黒色ビニール袋」を使って遮光仕様の水耕栽培装置を作製。液温上昇と藻の増殖を防ぎます 》を参考にして組み立てました。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
2020年7月12日 種蒔き
春菊の発芽率は他の野菜と比べて低く、約50%です。そこで今回は1カップあたり7~8個の種を蒔きました。覆土は3mmほどとし、屋外に置いて発芽するのを待ちます。
2020年7月15日 発芽(発芽から0日目)
双葉が開いたので、本日を「発芽から0日目」として記録していきます。発芽率は目測で70%程度です。しかし中には運の悪いカップがあり、2個しか芽が出ていないものがあります。出揃うまでもう少し待ってみましょう。
2020年7月18日 1回目の間引き(発芽から3日目)
結局、前回から新しく発芽したものはなかったです。双葉が大きくなっているので、1回目の間引きを行いましょう。
発芽に失敗している種や、徒長気味の株を取り除いていきます。
1カップあたり2~3株を残して作業は終わりです。次回の間引きは、本葉が数枚出てきた頃にする予定です。
2020年7月23日 2回目の間引き(発芽から8日目)
現在、ギザギザしている本葉が2枚が出てきており、株によっては3,4枚目も見えている状態です。株同士が触れ合っているので、2回目の間引きを行います。
1番成長の良い株を残して間引きは終わりです。もう少し本葉の数が多くなれば、もっと春菊らしい姿になるでしょう。
2020年8月2日 脇芽が出る(発芽から18日目)
10日前と比べると、かなり大きくなったのが分かりますね。育てて初めて知ったのですが、春菊はレタスなどと違い、直射日当が当たっても葉が萎れにくいです。そのため置き場所に融通がきき、意外と育てやすいです。
葉元からは脇芽が出てきました。この分岐が増えることで、株が横に広がっていきます。今のところ、順調すぎる成長です。
2020年8月8日 順調な成長(発芽から24日目)
特にトラブルなく成長中です。日当たりの問題なのか、左の方が丈が低くなっています。防虫ネットを掛けていないにも関わらず、イモムシやアブラムシは全く見当たりません。
葉の切れ込みが多いのが、中葉春菊の特徴です。
液肥槽の根は健全な状態です。根腐れを起こしているような茶色い部分は皆無です。
春菊は太い1本の根が出て、そこから分岐をするようです。細い根は白色ですが、太い根はオレンジ色をしています。
2020年8月15日 摘心(発芽から31日目)
35℃を超える暑さの中、春菊は着実に成長しています。
以前この春菊を『株張り型』と伝えましたが、育ててみると株元からの分岐は全くありません。そのため実際は『株立ち型』だったようです。
株立ち型は脇芽がたくさん出てくるので、その都度、摘み採っていく品種です。脇芽を伸ばすには摘心が必要になるため、今回はこの作業を行います。今の丈は20cmと、摘心するにはちょうど良い頃合いです。
株元から5節ほどが残るように、上部を切り落します。
これで摘芯の完了です。これからは脇芽の方に栄養が行き、横方向に広がるでしょう。
もちろん摘芯した部分はちゃんと食べられます。今回は刻んで、チャーハンの具として入れてみました。正直、香りが強くてチャーハンとは合いませんでした…次は定番のおひたしで食べたいと思います。
2020年8月23日 葉の変色(発芽から38日目)
摘心をして1週間がたちました。
先端部がなくなった株は徐々に脇芽を伸ばしてきています。写真では分かりにくいですが、葉の付け根から新しい枝が出ています。
春菊の調子があまり良くなく、全ての株で大きな葉が黄色くなる現象が起きています。最初、ハダニの被害かと思ったのですが、葉の裏側には何もいませんでした。とりあえずこれらの葉は切り落とし、装置を明るい日陰に移動して様子を見ることにします。
2020年9月5日 撤収(発芽から51日目)
春菊の調子が非常に悪いです。摘心から3週間が経過しても、大きくなってくれません。
このようにある程度育った脇芽でも、葉が垂れ下がって成長がストップしています。
また、葉の縁が黄色く枯れる症状は今でも続いています。
そしてこの株は枯れてしまいました…
液肥槽の根を確認しましょう。腐敗しているわけではないですが、全体的に濃いめの黄土色になっています。
新しい根は全く伸びていないので、やはり不調なのは確かです。
成長が止まったり枯れたりした原因は「暑さ」だと思います。この夏は最高気温が40℃届きそうな日が何日もありました。その結果、株が徐々に弱ってしまったのだと思います。残念ですが、今回の栽培はここで終わりにします。
まとめ
隙間期間を利用して春菊の栽培にチャレンジしましたが、失敗となってしまいました。今年の夏はかなり厳しい環境だったのでしょう。次はもう少し涼しい時に種蒔きをしたいと思います。
この記事が春菊栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。