ミニ大根を牛乳パックで栽培中。限られたスペースでどこまで成長するのか確かめます

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 今年の家庭菜園では、少し珍しい栽培方法に挑戦しようと思っています。それは牛乳パックに培地を詰めて、そこで根菜類を育てることです。畑では土の量や深さが無尽蔵にありますが、牛乳パックでは容積が1L、高さ(=深さ)は25cmしかありません。この条件の中で根菜がどこまで育つかのチャレンジをしたいのです。

 根菜類にはニンジンやゴボウなどがありますが、今回育てるものは「ミニ大根」です。ミニ大根はその名の通り、二十日大根より大きく、フルサイズの大根よりは小さい品種です。これならば牛乳パックでも栽培できそうです。

 ミニ大根の種を買うためにホームセンターのに行くと、どうやらミニ大根の中にも色々と種類があるようです。その中で見た目が気に入った、首の部分が赤くなる大根を育てることにしました。上手く成長すれば2ヶ月後には立派な大根となっているはずです。それでは種蒔きを始めましょう。 

 

 

 

 

ミニ大根の品種と種

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 今回育てるミニ大根の品種は『あやめっ娘』です。メーカーの説明によると、

  1. 中葉で立性、首色は鮮やかな赤紫色。
  2.  根長20~30cm、根径6~10cmサイズになり、大きさを見ながら好みのサイズで収穫する。
  3.  内部は白肉です入りが遅く、しっかりとした肉質で歯切れよく、甘みがあり、食味が優れる。
  4.  晩抽性で耐暑性があり、各種病害に比較的強く、春~秋冬まで栽培できる。

 

出典:
サカタのタネ ダイコン 「あやめっ娘」

https://www.sakataseed.co.jp/product/search/code042790.html

 とのことです。少々値の張る種だけあって、潜在能力が高いですね。

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 種は3mmほどの扁平型です。薬品処理がされているため、青い色となっています。

 

栽培装置

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 栽培装置はこの記事《牛乳パックを使ってニンジンを半水耕栽培しています。1Lの培地でどこまで育つでしょうか?》を参考にして組み立てました。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

 

2021年3月28日 種蒔き

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 種は1つの牛乳パックあたり5個を置き、厚さ5mm程度となるように覆土をしました。

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 発根するまでは室内に置いて管理します。覆土が盛り上がって双葉が見えてきたら、屋外に出して育てます。 

 

2021年3月31日 発芽(発芽から0日目)

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 双葉が開きましたので、本日を「発芽から0日目」として記録をしていきます。写真では分かりにくいですが、茎がすでに赤色となっています。

 

2021年4月3日 1回目の間引き(発芽から3日目)

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 双葉が大きくなってきました。培地の表面が乾燥気味のせいで踏ん張りが効かず、斜めになってしまった株がいつくかあります。根がしっかりと伸びるまでは、水やりを欠かさない方が良さそうです。

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 発芽率は9割と非常に良い結果となりました。育っている株を観察すると、どうやら2株だけ茎が緑色になっているものがあります。種袋には『茎が緑色のものは間引く』と書いてあります。おそらくこのまま育てると、普通の白首(または青首)大根になってしまうのでしょう。この緑茎の株はハサミを使って切り取っておきます。

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 またこのタイミングで、発芽に失敗していたり成長の遅い株の間引きも行いました。それでは本葉が出てくるのを待ちましょう。

 

2021年4月10日 支えを追加(発芽から10日目)

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 先日出た本葉も徐々に大きくなってきました。しかしやはり太陽の方に向かって斜めに、または倒れている株が多いです。このまま育てると、赤い部分が曲がった状態で太くなってしまうでしょう。何か対策をしなければならないです。

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 良い案がないか考えた結果、底を抜いたプラスチック製のカップを被せることにしました。

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 まずは間引きをして1牛乳パックに付き、1株となるようにします。 

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 そしてプラカップの下側が埋まるように培地に差し込みます。双葉が良い具合に引っかかるので、株が真っ直ぐ立つようになりました。しばらくの間、このまま様子を見ようと思います。

 

2021年4月18日 プラカップの効果(発芽から18日目)

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 カップの支えは上手く機能しており、倒れていた株も垂直に立つようになりました。

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 今のところ、まだ茎は太くなっていません。もし自立できるほどになったら、このプラカップは取ってしまおうと思います。

 

2021年4月24日 順調な成長(発芽から24日目)

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 大根は特に何事もなく、順調に成長しています。種袋によると、春蒔きの場合には収穫までに50~65日かかるそうです。現在、発芽してから24日目なので、折返し地点近くにきたことになります。

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 葉のサイズも大きくなっています。これから根の成長に期待しましょう。

 

2021年5月1日 支えの取り外し(発芽から32日目)

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 昼間の気温が25℃を超える夏日が多くなってきました。葉が少々の虫食いにあっていることを除けば、概ね良好な成長です。

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 先日行ったプラカップの支えですが、葉の枚数が多くなった結果、内側がかなり窮屈となっています。根も太くなっており、もう倒れることはないと思うので取り去ってしまいましょう。

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 ハサミを使ってカップを2分割にして外していきます。

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 支えがなくなった葉は横に広がりました。すると今度はこの葉が牛乳パックの縁に乗っかり、上手い具合に支えられています。現在の根の太さは小指ほど。牛乳パック内でどこまで太くなるのか見ものです。

 

2021年5月9日 太さ2.5cm(発芽から40日目)

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 大根の牛乳パックは、ベランダの手すりの縦棒にくくり付けて栽培をしています。葉が棒の間から外に出るので、とても具合が良いです。

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 近頃、根の太るスピードが上がった気がします。直径を測ると2.5cmでした。この品種「あやめっ娘」は根径3~8cmで収穫できます。牛乳パックの寸法は7cm×7cmですので、根径が5cmになったら採りましょう。

 

2021年5月15日 チョウの襲来(発芽から46日目)

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 葉が横方向に広がっており、1枚の写真に収められない程になってきました。中心部からは新しい葉が次々と出てきています。

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 撮影をしている時に、チョウが卵を産み去って行きました。それも何箇所も…このまま孵化したら葉が穴だらけになってしまうので、アオムシ対策薬の「ゼンターリ顆粒水和剤」を1000倍に希釈して散布しました。これで被害が軽減すると良いですが、どうでしょうか?

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 現在の根茎は約3cmです。この肥大化ペースですと、再来週には収穫ができるサイズになっていると思います。見えない地下部がどのくらいになっているのか気になります。

 

2021年5月23日 触診(発芽から54日目)

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 収穫まであと1週間を予定しているのに、最近の天候は曇りや雨続きです。そのせいか、肥大化のペースが落ちたように感じます。

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 根がどのくらい太くなっているのか確かめるために、牛乳パックを軽く押して触診をしてみました。上の方は抵抗があり、中に何か固いものがあるのが分かります。そう、大根ですね。

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 今度は下の方で行います。こちらはスカスカとした感じがします。もしかしてこの部分は太くなっていないのでしょうか?触診の結果、少なくとも上から10cmは大根になっているようです。しかし、それより下は何とも言えないです。答えは来週を待ちましょう。

 

2021年5月29日 収穫(発芽から60日目)

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 本日で発芽から60日目となり、収穫時期となりました。全体的に見ると、もっと葉が大きく広がるかと思ったのですが、それほどではなかったです。これはミニ大根の特性なのか、それとも牛乳パックでの栽培のせいなのか、現時点では何とも言えなさそうです。

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 途中からイモムシの猛攻にあってしまい、葉には多数の穴が空いています。

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 地上に出ている根の直径は5cmくらいです。よく見れば茎も同じ赤色になっていますね。

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 それでは引っこ抜いてみましょう。葉を掴んで上に引き上げます。

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 スポッと抜けたのは良いのですが、あまりにも予想外の姿です。牛乳パックの形のままきれいに取れました。

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 横に寝かせても形はそのままで、角もしっかりと残っています。まるで押し出す前の「ところてん」のようです。

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 どうやら根が牛乳パックの中を縦横無尽に伸びた結果、培地が固定されて崩れないようです。それならば手で掘って大根を取り出します。

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 するとどうでしょう。なんと牛乳パックの中に大根ができているではありませんか!

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 周りに付いた培地を洗い流して、まずは1本目の収穫です。定規で測ると、可食部の根の長さは12cm、直径は6cmでした。種袋によると本来は全長20〜30cmになるらしいので、だいぶ小さいです。しかし高さが25cmの牛乳パックで育ったと考えると、十分ではないでしょうか?

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 地上付近は濃い赤色となっており、あるところを境にその色が急激に変わっています。培地に入っていた箇所は白色ではなく、薄いピンク色です。

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 栽培の終えた牛乳パックを確認します。底面にはカビが生えていますが、裂ける様子はありません。少なくとも2ヶ月の栽培には耐えられるようです。

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 この調子で2本目の収穫もします。こちらも1本目と同様に、牛乳パックの形で出てきました。

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 4本を抜きました。これにて収穫は完了です。今回の栽培により、サイズは小ぶりとはなりますが、牛乳パックでも大根を育てられることが分かりました。

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 収穫した大根を近くで見ると、赤色が付いていない部分がありました。思い起こせば、ここは枯れた葉が張り付いていた場所です。きれいに発色させたい場合には、不要となった葉や茎をしっかりと取り除いた方が良さそうです。

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 大根の可食部の根長は12cmですが、本当の先端までの長さは30cmです。牛乳パックの高さは25cmのため、差の5cm分は底で巻いていた可能性があります。おそらく、もっと背の高い容器を使えば、可食部の長さを増やすことができるのでしょう。

 

2021年5月30日 あやめっ娘の色(発芽から61日目)

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 収穫の翌日なりました。気になっていたミニ大根「あやめっ娘」の中は何色なのか確認しましょう。葉を切り落としてその断面を見ると、白色をしています。ちなみに、この葉が無い状態での重さは210gでした。

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 今度は縦に割ると、こちらも中身は白かったです。

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 どうやら赤色は表面の皮だけにあるようです。と言うことは皮を剥くとただの大根になってしまうので、皮を付けたまま調理をした方が良さそうです。

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 今回は適当な厚さにスライスして、酢漬けにしました。酢に入れたことで、さらに赤色が鮮やかになった気がします。味は普通の大根と変わりませんが、食感がかなりガリガリとしています。これはこれで美味しいです。
 皮を剥かずに煮物にもしましたが、加熱によって見事に赤色がなくなってしまいました。あやめっ娘は生食が向いているようです。

 

まとめ

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 それでは栽培のまとめとなります。

 

  • ミニ大根「あやめっ娘」の種を牛乳パックに蒔いた結果、発芽から60日目で収穫ができました。可食部の根長は12cm 直径は6cmと少し小さめでした。

  • イモムシの対策薬を散布していましたが、葉には食べられた穴が多く開いてしまいました。完全な防御は難しいため、ある程度の食害は許容しましょう。

  • あやめっ娘の赤色は表面しかないので、皮を付けたままの調理をおすすめします。加熱すると赤色が消えるので、煮物に使う時は皮を剥いても良いです。

 

 今回は牛乳パックでミニ大根を育てました。さすがに1Lの培地量ではミニ大根のミニバージョンとなってしまいましたが、それでも最初に思っていたよりも立派なものが収穫できて嬉しかったです。次回はもっと培地が入る容器で栽培し、どこまで可食部を大きくできるのか試したいです。

 この記事が、牛乳パックを使ったミニ大根栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。