聖護院大根を水耕で育てます。丸大根ならば上手く栽培できるかもしれないです


 以前に牛乳パックやペットボトルで大根の栽培を試みました(参考記事:①ミニ大根を牛乳パックで栽培中。限られたスペースでどこまで成長するのか確かめます ②ペットボトルでフルサイズの大根を半水耕栽培。収穫物は根長25cmと予想していますが、どう育つでしょうか?)。しかしやはり容器の高さが足りないためか、根の長いものは収穫できなかったのです。そこでふと思い付きました。根の浅い「丸大根」ならば上手く育てられるのではないかと。

 丸大根とはカブの様な形をしている大根のことです。この大根は横に広がるので、長大根と比べて下方向の土が少なくても大丈夫なはずです。早速種を買いにホームセンターに行き、丸大根の一種である『聖護院大根』を手に入れました。この品種の特徴は根が直径20cm 重さ4kgと、かなり大きく育つことです。そのためペットボトルではなく大型の栽培装置を使って育てることにしました。

 今回の栽培では、丸大根である聖護院大根の水耕栽培に挑戦します。秋蒔き冬採りの大根なので害虫の被害は少ないでしょう。それでも虫、特にアオムシが発生したら適切に薬を使って株を守っていきます。それでは種蒔きを始めましょう。

 

 

 

 

栽培装置


 栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にして組み立てました。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

 

アオムシ・イモムシ対策薬

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 葉物野菜の天敵は葉を食害するアオムシ・イモムシです。もし葉を食べられているようでしたら、退治薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」を散布します。希釈倍率は1000倍とし、葉に定着しやすいように展着剤(商品名:ダイン)を加えます。

 

聖護院大根の種


 聖護院大根は大きくなる丸くなる品種ですが、種は長大根と見た目は変わりません。やや歪な卵型で、茶色の外皮をしています。

 

2022年9月4日 種蒔き


 栽培装置の中央に大根の種を5個置き、厚さ5mmほどとなるように覆土を行いました。この装置は日の良く当たる屋外に置き、発芽するのを待ちます。

 

2022年9月7日 発芽(発芽から0日目)


 双葉が開きましたので、本日を「発芽から0日目」として記録をしていきます。大根の双葉は意外と大きいので、種蒔きの時には間隔を開け気味にすると具合が良いでしょう。

 

2022年9月11日 1回目の間引き(発芽から4日目)


 発芽から4日間が経過しました。茎が伸び、既に本葉が出てきています。


 成長スピードが思っていたよりも早いです。そのため1回目の間引きを行って、スペースを開けます。成長の遅い株を中心に、茎をハサミで切っていきます。


 5株を2株にして作業終了です。このまま本葉の枚数がもう少し増えるのを待ちます。

 

2022年9月21日 2回目の間引き(発芽から14日目)


 たった10日間でかなり大きくなりました。本葉は3枚ほどが出てきており、立派な株になりつつあります。


 本葉の形は長大根と同じように深い切れ込みが入っています。それではこの2株を1株に間引きましょう。


 若干ですが、茎の細い方をハサミで切ります。


 2回目の間引きも終わりました。あとは株元の肥大化が始まるのを待つばかりです。

 

2022年10月2日 成長中(発芽から25日目)


 特に何事もなく成長をしている大根です。葉が一気に伸びて、今では幅が栽培装置の直径を超えました。


 イモムシ退治薬を定期的に散布しているおかげか、葉に穴開きはほぼありません。


 根の肥大化が始まりました。ここから何倍にも太るはずなので、とても期待してしまいます。

 

2022年10月9日 根茎2.7cm(発芽から32日目)


 今年の大根は優秀です。トラブルは全くなく、順調すぎるほどの成長を見せています。


 株元の太さは直径2.7cmとなりました。

 

2022年10月16日 根茎4.0cm(発芽から39日目)


 前回の報告から1週間が経過しました。現在の根径は4.0cmと、急成長をしています。今のところ、根の形は縦長で長大根と同じです。ここから横方向に大きくなるのでしょうか?観察を続けます。

 

2022年10月31日 根茎6.6cm(発芽から54日目)


 葉が茂ってきました。これらの葉によって株元への直射日光が遮られるため、培地には藻が生えにくくなっています。


 根茎は6.6cmと、さらに大きくなりました。もうそろそろノギスでは測れない太さです。まだまだ成長してもらいましょう。

 

2022年11月13日 丸大根っぽい姿(発芽から67日目)


 下側が膨らんできて、やっと丸大根っぽい姿になってきました。肌もきれいですし、順調に成長をしています。

 

2022年12月6日 停滞気味(発芽から90日目)


 発芽から90日が経過しました。最近、下葉が黄色くなって枯れる事が多いです。しかし中心部の葉のは全て正常な状態です。ただの葉の更新なのか、何か問題が起きているのか悩むところです。


 気温が下がって来たせいか、根の肥大化するスピードが落ちているように感じます。もう少し様子を見て、年内に収穫するかを決めようと思います。

 

2022年12月25日 もう少しで収穫(発芽から109日目)


 強い寒さに当たっても元気に過ごしている大根です。


 株元はまだ成長しているようです。この部分の肥大化がなくなったら収穫をしたいと思います。

 

2023年1月9日 収穫(発芽から124日目)


 遠目での姿は2週間前とほぼ変わりがない状態です。


 株元は思っていたよりも肌が綺麗で、虫食いや凸凹は全く見られません。今までに栽培した大根の中で最も状態が良いです。
 前回の写真と見比べると、株元の肥大化が止まったように感じます。これ以上育てていると内部にスが入る危険がありますので、本日収穫をしたいと思います。


 茎を束ねて掴み、上に引っ張り上げます。抜いたら余分な根を切り、付着しているバーミキュライトを洗い流します。


 これで収穫の完了です。持っているとずっしりとした重みを感じます。バケツで栽培した割には大きくできたのではないでしょうか?


 光に当たっていた所は黄色っぽい緑色になっています。


 そしてバーミキュライトに埋まっていた部分は白色です。横(円周)方向にシワがあるのですが、年輪と同じく成長でできたものでしょうか?


 大根を栽培すると、いつも葉がアブラムシやハダニのせいでボロボロになっています。しかし今回はその被害がなかったため、この部分も食べられそうで嬉しいです。


 収穫した大根の重量は、葉付きで1369g、肥大化部のみでは1200gとなりました。育て方によっては4kgにもなる聖護院大根ですが、さすがにバケツでの栽培では1kg超えが限界でした。もっと大きいサイズの栽培装置を用意すれば、より成長すると思います。ただそれならば、土耕栽培の方が水やりなどの管理が楽になりそうですね。何はともあれ、無事に収穫ができて良かったです。

 

まとめ


 今回は聖護院大根の水耕栽培に挑戦しました。栽培期間は約4ヶ月と予想以上にかかってしまいましたが、形の崩れもなく、肌がとても綺麗な大根となりました。また収穫物の重さは1.2kgであり、家族数人分には丁度良いサイズだと思います。この大根は後日、千枚漬けにして食べる予定です。

 この記事が大根栽培のお役に立てると幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


だいこん 種子 冬どり 聖護院 略称:しし 丸大根 (9ml)

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