一昨年、昨年とアイスプラントの水耕栽培を行いました。しかし結果は失敗続きで、まともに収穫できたのは1度ほどしかなかった気がします。しかしその失敗の中から、何となく成功しそうな栽培条件を発見しました。1つは霜に当てないこと。2つ目は液肥槽に藻を生やさないことです。
今回の記事では、挿し木で発根をさせたアイスプラントを水耕栽培します。3月から育て始めることで霜による低温障害を避け、さらに液肥槽を黒色のビニール袋で覆って藻の増殖を防ぎます。
はたしてこれらの施策でアイスプラントの水耕栽培が成功するのか?それとも失敗の回数がただ増えるだけなのか…早速、栽培装置に苗を植え付けましょう。
- アイスプラントの苗
- 栽培装置
- 液体肥料
- 2021年3月13日 植え付け(0日目)
- 2021年3月21日 屋外に出す(8日目)
- 2021年3月27日 変化なし(14日目)
- 2021年4月3日 急成長(21日目)
- 2021年4月11日 初収穫(29日目)
- 2021年4月24日 成長が止まる(42日目)
- 2021年5月2日 改善せず(51日目)
- 2021年5月4日 成長不良のため撤収(53日目)
- まとめ
アイスプラントの苗
アイスプラントはこの記事《安定した環境でアイスプラントの挿し木に挑戦。バーミキュライト挿し&育苗器栽培で発根日数を記録します》で育てたものを2つ選んで使います。
栽培装置
栽培装置はこの記事《「黒色ビニール袋」を使って遮光仕様の水耕栽培装置を作製。液温上昇と藻の増殖を防ぎます 》を参考にして組み立てました。写真では3つ穴となっていますが、今回は1つ穴のものを使用します。
追加した機能としては、お茶パックの底に穴を開けて化学繊維でできた布を通したことです。アイスプラントの根は長くて細いため、手荒に扱うと切れてしまいそうです。そこで垂らした布に根を這わせることで、無理な力が掛からないようにしています。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
2021年3月13日 植え付け(0日目)
本日、セルトレイから抜き取った苗を栽培装置に植え付けました。苗の大きさはプラカップの中に収まる程度です。まずは明るい窓辺に1週間ほど置き、根が十分に伸びるのを待ちます。
2021年3月21日 屋外に出す(8日目)
明るい窓辺に1週間置いたところ、少しだけ大きくなりました。根がお茶パックを突き抜けていますので、今日から屋外に出して太陽の下で育てていきます。
2021年3月27日 変化なし(14日目)
まだ大きな変化は見られません。もう少し様子を見ましょう。
2021年4月3日 急成長(21日目)
前回の報告より1週間が経過しました。気温がアイスプラントにあっているのか、猛スピードで成長しています。伸びた枝や葉が蓋を覆いそうな勢いです。
葉の緑色は濃く、非常に調子が良さそうです。このまま成長すれば、来週には初収獲ができるかもしれません。
液肥槽は黒ビニールで遮光をしているので、藻は発生していません。以前育てた時は根に藻が生えて、根腐れが起きてしまいました。この感じならば、今回の栽培は大丈夫そうですね。
2021年4月11日 初収穫(29日目)
アイスプラントはこんもりと盛り上がり、枝は蓋からはみ出て垂れ下がっています。葉のサイズは、大きすぎず小さすぎずの良い具合です。それでは初めての収穫をしましょう。
今回はかき取り収穫をしますので、他よりも伸びていたり、込み入っている枝を切っていきます。
これで収穫が完了しました。過去の栽培を含めて、最も美味しそうなアイスプラントです。
アイスプラントには吸収した塩類を貯める「塩のう細胞」があります。茎にあるキラキラした膨らみが、それになります。中には液肥から吸収した成分が入っているのでしょう。
収穫量は2株で157gとなりました。早速試食をしてみると、新葉だからなのか非常に柔らかく、またほんのりと塩の味がします。以前食べた、スーパーで買ってきたアイスプラントは青臭い味がしました。しかし今回は収穫したものはクセが全くなく、食べやすかったです。これならばサラダに入れても、他の野菜の味を邪魔しなさそうですね。
収穫後の株は、半分くらいの大きさになりました。根の状態も良いので、再び育てて収穫したいと思います。
ちなみに普段は不織布をかけて栽培をしています。なぜかアイスプラントは鳥に狙われることが多いので、その対策です。次の収穫は3週間後くらいでしょうか?今から楽しみです。
2021年4月24日 成長が止まる(42日目)
収穫から2週間が経過しました。先週までは順調に成長していたのですが、今週になったらどちらの株もパタリと成長が止まってしまいました。
成長が止まるだけではなく、葉の色が深緑→黄緑になってきています。もしや根腐れが起きて、栄養分が吸えなくなっているのでしょうか?
液肥槽を開けて根の状態を確認します。しかし見た目では根腐れが起きているようには感じません。指で触っても根が切れやすかったり、溶けていることもないです。もちろん液肥の匂いも通常通りとなります。今のところ原因が分からないので、とりあえず液肥を全交換して様子を見ます。
2021年5月2日 改善せず(51日目)
液肥の交換を2回行いましたが、ほぼ成長していません。特に左側のアイスプラントは先週と全く同じ姿です。本格的にダメかもしれないです。
今気になっているのは、葉の先端の赤い色が増えてきたことです。以前、根腐れが起きたアイスプラントも写真と同じ様に赤くなっていました。やはり根にダメージは行っているのだと思います。
あと1週間だけ待って、もし成長が見られないようであれば撤収するしかなさそうです。
2021年5月4日 成長不良のため撤収(53日目)
前回より2日が経ちましたが、全く成長していない上に、
今度は多くの新葉が黄色く変色してきました。また遠目から見ると、全体的に株の緑色が薄くなった様に感じます。
根を確認すると以前の白さはなくなり、濃いクリーム色となりつつあります。
おそらくと言うよりも、完全に成長不良を起こしています。アイスプラントは暑さに弱いので、仮にこの状態から復活してもすぐに枯れてしまうでしょう。残念ですが撤収をします。
まとめ
今回のアイスプラント栽培も上手くできませんでした。収穫できたあの1回は幻だったのではないかと感じているくらいです。
独立して育てていた2株が同時に調子が悪くなるのは考えにくいです。もし液肥に根腐れを起こすような細菌が増えたとしても、片方との繋がりはないので、もう片方は無事なはずです。ただ思い起こせば「収穫」は同じタイミングで行ったので、これが成長不良の切っ掛けとなったのかもしれません。
今までの結果より、私の水耕栽培環境(エアレーションなし・5L液肥槽など)ではアイスプラントを育てるのは難しいのかもしれないです。しかし諦めずに、これからの栽培でどの条件が成長の邪魔をしているのか明らかにしていきたいと思います。
この記事がアイスプラント栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。