ペットボトルでフルサイズの大根を半水耕栽培。収穫物は根長25cmと予想していますが、どう育つでしょうか?

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 昨年にミニ大根をペットボトルで育てました(参考記事:ミニ大根をペットボトルで栽培しています。高さが欲しいのでペットボトルを逆さまにして使いましょう)。形が少し歪だったとは言え、根長15cmの立派なミニ大根となりました。この栽培が上手くできたので、次は同じペットボトル容器でフルサイズの大根(根長40cm)を育てたらどうなるのか知りたくなりました。

 栽培容器であるペットボトルの高さは約30cmです。そのため長さ40cmには育たないと思いますが、おそらく25cmくらいの「大きなミニ大根」にはなるのではないかと予想しています。懸念事項としては、栽培容器に入る培地量が限られているため、水不足になりやすそうな点です。もし水やり(液肥補充)の回数が多すぎると感じたら、栽培を終了して収穫しようと考えています。

 以前の栽培経験から、大根は本葉数枚の時が1番倒れやすいです。ただ、倒れていても茎が太くなる頃には自立する気もします。そこで今回は株が倒れてもサポートせず、そのまま育てていこうと思います。それではペットボトルと培地を用意して、種蒔きを行いましょう。

 

 

 

大根の種

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 大根の種は直径4mmほどで、いびつな球形をしています。今回栽培する品種は「若宮二号」です。この品種の特徴としては、

・根長38〜40㎝
・極晩抽性(トウ立ちが遅い)
・生食や煮物、浅漬けに適している

になります。どうやら様々な用途に使える万能な大根のようです。

 

栽培容器

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 栽培容器には高さが必要なため、ペットボトルの上下を逆さまにして使用します。ペットボトルのサイズは、概ね幅11cm 奥行9cm 高さ30cmです。

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 構造は上のイラストとなります。2Lペットボトルの底の部分を切り、口の部分に土留めの不織布を入れます。そして培地であるバーミキュライトを入れて、液肥で十分に湿潤させます。最後に、直射日光による培地温度の上昇を防ぐために、外側にアルミ蒸着保温シートを巻いて完成です。今回はこの容器を3つ作成しました。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

 

2022年3月27日 種蒔き

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 培地の中央に種を3個置き、厚さ1cmとなるように覆土を行いました。

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 この栽培容器は高さがあるため、培地上部の水はけが良すぎます。そのためラップを掛けて乾燥の予防をします。また発根して培地が盛り上がってくるまでは室内に置いておきます。

 

2022年3月30日 屋外に出す

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 表面の培地が割れてきました。この下では種が芽を出す準備をしているはずです。ラップを取り去り、本日から屋外に出します。

 

2022年4月3日 発芽(発芽から0日目)

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 双葉が開きましたので、本日を「発芽から0日目」として記録を取っていきます。発芽率は100%であり、非常に良好な結果でした。

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 双葉の間からは早くも小さな本葉が見えています。大根は成長が早いので、観察するのも楽しいです。

 

2022年4月10日 本葉が出る(発芽から7日目)

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 双葉が大きくなり、隣のペットボトルの株に触れそうとなっています。

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 株の中心部からは本葉が出てきました。もう少し大きくなったら間引きをしようと思います。

 

2022年4月12日 間引き(発芽から9日目)

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 本葉が大きくなり、また枚数も増えてきたので、少し窮屈な感じとなっています。間引きをしてスペースを開けることにしましょう。

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 最も成長の良い株を選び、それ以外をハサミで切り取っていきます。

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 これで間引きの終了です。株が倒れていますが、気にせずに育てていきます。

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 ちなみに間引きをした株は味噌汁の具として使いました。無駄なく食べられるのは良いことですね。

 

2022年4月23日 根の肥大化開始(発芽から20日目)


 現在の葉の枚数は5~6枚となっています。今のところ運が良いのか、アブラムシやアオムシ、ハダニなどの被害は全くないです。


 株元を見ると、表皮(初生皮層)に亀裂が入っています。これは根の肥大化が始まる合図です。次の週末にはどのくらい太くなっているのか楽しみです。

 

2022年5月1日 根径1.5cm(発芽から28日目)


 ペットボトルを上下逆さまに使っているため、普通に置くとすぐに倒れてしまいます。そこで適当な鉢に入れて自立するようしました。この方法ならば倒れにくいですし、葉が広がってきても簡単に株間を広げられて具合が良いです。


 現在の根径は1.5cmとなっています。これからどこまで成長するでしょうか?

 

2022年5月8日 根径2.5cm(発芽から35日目)


 日に日に根は太り、根径が2.5cmになりました。この他の変化としては、地上に出ている根の部分が明らかに増えています。

 

2022年5月14日 根径4cm(発芽から41日目) 


 発芽から40日が経過しました。この3株の中で、左側の株の性質が少し異なっています。葉の色が深緑ではなく黄緑であり、また枚数も多いです。ただ味は変わらないと思いますので、このまま育てていきます。


 葉に空いた穴を多数発見してしまいました。数日前にはなかったものです。もしやと思い葉の裏を見ると、体調1cmほどのイモムシが数匹いました。このまま放置していると穴だらけにされてしまうので、退治薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」を散布しておきました。これでしばらくの間は大丈夫でしょう。


 根の肥大化は進み、1番育っているものは直径4cmとなりました。このペースで進めば、1~2週間後に収穫ができそうです。

 

2022年5月21日 根径5cm(発芽から48日目) 


 根の直径が5cm弱となりました。もう少し太らせましょう。

 

2022年5月28日 収穫(発芽から55日目) 


 もうそろそろ水やりの限界が来そうです。朝にたっぷりと液肥を与えても、夕方には培地が乾いてしまっているのです。今後夏に向けてさらに気温が上がるので、日中に水不足が起きそうです。そのため本日で栽培終了とし、収穫をしたいと思います。


 引き抜く前に、外観のチェックを行いましょう。培地から上に出ている部分は約8cmで、薄い緑色となっています。


 アオムシによる葉の食害は比較的少なかったです。これならば食べられそうです。


 栽培容器(ペットボトル)の口からは十分な量の根が見えています。これは期待できそうです。


 それでは収穫をしましょう。葉を束ねて上に引き上げます。


 あまり力を入れずにスポッと抜けました。流水で周りに付いている培地を取り除きましょう。


 これで収穫の完了です。フルサイズの大根を育てましたが、栽培容器が小さかったせいか予想通りのミニ大根となりました。


 栽培状況を再現してみます。容器高さの半分程度しか根は太らなかったようです。



 残りの2本も収穫しました。葉を落とした状態での根長・根径・重量のデータは以下になります。

No      :根長   / 根径   / 重量(葉なし) 
大根①:24cm / 5.7cm / 397g
大根②:23cm / 5.6cm / 350g
大根③:22cm / 4.7cm / 284g

 大根③は大根①②よりも一回り小さかったです。この大根③は葉がやけに茂っていた株になります。根の太りが悪かった理由は、葉の成長に栄養を取られてしまったからでしょうか?
 この中の1本を丸々使って、浅漬けを作りました。葉も根もシャキシャキとしており、市販の大根と遜色はありませんでした。残りの2本も美味しく食べたいと思います。

 

まとめ


 今回は2Lペットボトルでフルサイズの大根を栽培しました。根の伸びるスペースが狭かったのか、根長が23cmほどにしかならなかったです。もう少し栽培期間を長くできれば、また違った結果になったかもしれません。

 できるだけ長い大根を育てるために、栽培容器として上下を逆さまにしたペットボトルを使いました。ただ、この方法は非常に安定性が悪かったです。特に葉が成長してくると重心が上へ移動してしまい、簡単に倒れてしまいます。何かもう少し良い方法がないか検討したいと思います。

 この記事が大根栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。