園芸店のネットサイトを見ていたら、面白い野菜の種を発見しました。それは「プンタレッタ」です。プンタレッタの外見は水菜のような、一方でフキノトウのような…何とも言い表せない姿です。収穫する部位は、若葉や中心部の太い茎?となります。今までにこのような野菜を見たことがありません。興味が出てきたので、早速種を購入しました。
種の到着後によく調べると、プンタレッタはチコリーの一種であり、葉や茎には若干の苦味があります。イタリアのローマで良く食べられている野菜で、中心から伸びてくる可食部は抽苔した若芽とのことです。
今回は、このプンタレッタを水耕栽培してみようと思います。大株となりそうなので、バケツとザルを組み合わせた栽培装置で育てる予定です。それでは種蒔きを始めましょう。
- プンタレッタの種
- 液体肥料
- 2021年9月12日 種蒔き
- 2021年9月15日 発芽(発芽から0日目)
- 2021年9月19日 1回目の間引き(発芽から4日目)
- 2021年9月26日 成長中(発芽から11日目)
- 2021年10月17日 遅い成長(発芽から32日目)
- 2021年11月3日 植え替え(発芽から49日目)
- 2021年11月20日 植え替え成功(発芽から66日目)
- 2021年12月14日 株元が太い(発芽から90日目)
- 2022年1月23日 成長が止まる(発芽から130日目)
- 2022年2月23日 株元の成長(発芽から161日目)
- 2022年3月12日 抽苔?開始(発芽から178日目)
- 2022年3月19日 収穫(発芽から184日目)
- まとめ
- 【番外編】2022年4月2日 もう片方を収穫(発芽から198日目)
- 【追記】2022年4月11日 天ぷらが美味しい
プンタレッタの種
プンタレッタの種は薄茶色の四角い形をしています。種袋の説明によると、
イタリア国内では冬の短期間に市場に出回らない希少なイタリア野菜。とうの部分をバーニャカウダー※などで食べるのがおすすめ。茎は細かく裂き、氷水などにさらしておくとクルッとカールし、サラダとして食べるのがおすすめ。シャキシャキとした食感とほろ苦さをお楽しみください。
※バーニャカウダー:ニンニク・アンチョビ・オリーブオイルのソース
とのことです。どのくらいの苦味があるのか気になるところです。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。栽培期間中は1週間に1度、液肥槽に入っている液体肥料の全交換を行います。
2021年9月12日 種蒔き
3号ポリポットにバーミキュライトを入れ、液肥で湿潤させました。ここに種を5個程度を置き、厚さ3mmとなるように覆土を行いました。これを屋外に出して発芽するのを待ちます。
2021年9月15日 発芽(発芽から0日目)
双葉が開きましたので、本日を「発芽から0日目」として記録をしていきます。写真を撮ったのは夜だったので、双葉が閉じています。朝日が当たれば、再び葉が開くでしょう。
2021年9月19日 1回目の間引き(発芽から4日目)
双葉が大きくなって、隣同士の株が触れ合ってきました。それでは間引きを行ってスペースを開けましょう。
成長度合いはどの株も同じ位なので、どれを残すか悩みます。最終的には位置が悪いものを中心に切り取ります。
これで1回目の間引きが終わりました。まだ本葉の姿が見られないので、プンタレッタの成長はゆっくりのようです。
2021年9月26日 成長中(発芽から11日目)
双葉の間からは細長い本葉が出てきました。これから様子を見ながら間引きをして、最終的には1ポットにつき1株となるようにします。
2021年10月17日 遅い成長(発芽から32日目)
先日に間引きを行い、今は1ポットにつき1株となりました。発芽から1ヶ月が経過してもヒョロっとしており、あまり大きくなってくれないです。
2021年11月3日 植え替え(発芽から49日目)
プンタレッタは急に成長して、ポリポットの大きさと不釣り合いなサイズとなっています。成長適温に入ったのかもしれないですね。
茎は太くなり、また中心部から新しい葉が出てきています。
このままポットで成長させるのは難しいので、栽培装置に植え替えをしたいと思います。2ポットがありますが、今回は成長の良い写真の株を使います。
栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にて組み立てました。
それでは早速作業をしていきます。培地をポットから抜くと、かなりの量の根がありました。根の成長具合を見ると、今が植え替えにベストなタイミングです。
株が栽培装置の中心となるように植え付けました。
最後に、培地表面に藻が発生するのを防止&液肥の過剰な蒸発防止のために、穴を開けたアルミ蒸着保温シートを取り付けました。この穴は成長に応じて大きくしていこうと思っています。
発芽~今までの成長ペースを考えると、収穫までにはまだまだ時間がかかるでしょう。焦らずに急がずに、成長するのを待ちます。
2021年11月20日 植え替え成功(発芽から66日目)
植え替えから2週間が経過しました。株はぐったりすることもなく成長中です。ポリポット→栽培装置への移植は成功したようです。
新しい動きとしては、株元の外側に新芽が出てきたことです。側面に細い葉があるのが分かるでしょうか?
細長かった葉は徐々に幅広になってきています。何となく小松菜っぽい感じがしますね。
2021年12月14日 株元が太い(発芽から90日目)
12月に入り寒い日が多くなりました。しかしプンタレッタの成長は止まりません。栽培装置と比べても、見劣りしないサイズとなっています。
株元からは新芽が次々に伸びてきています。そして太さは指を超えました。
もちろん中心部からも葉が出てきています。まだまだ大きくなりそうです。
2022年1月23日 成長が止まる(発芽から130日目)
あまりにも寒すぎるのか、最近は目に見える成長がなくなっています。
防寒対策をせずにそのままの状態で屋外に出していたところ、若葉が霜によって萎れてしまいました。厳寒期は不織布を掛けおくなどをした方が良いかもしれないです。
葉にダメージを受けていても、茎の隙間からは新しい葉が見えています。暖かくさえなれば再び成長を始めるはずです。
2022年2月23日 株元の成長(発芽から161日目)
最近、数は少ないですがアオムシを発見するようになりました。この寒い中、元気に葉を食べています。見つけ次第、指で摘んで取り除いています。
前回の報告よりも株元が太くなったようです。私の握りこぶしと比較すると少しは分かりやすいでしょうか。この中には大きな蕾があることを期待しています。
2022年3月12日 抽苔?開始(発芽から178日目)
新しく出てくる葉の数も多くなり、それに伴って葉が外へ外へと押し出されています。また最近は液肥の減るスピードが早くなっています。
根は液肥槽一杯まで広がっています。地上部と比べると、根の量がとても多いですね。
株の中心部を見ると、何か細長いものが立ち上がってきています。トウ立ちが始まったのでしょうか?しかし他の方が育てている収穫間近のプンタレッタは、もっとトウの数が多く、そして太いです。もう少し様子を見て、場合によっては次の週末に収穫したいと思います。
2022年3月19日 収穫(発芽から184日目)
完全に収穫時期を逃しました…1週間くらい大丈夫だろうと思っていたら、トウがぐんぐん伸びて、この姿となってしまいました。
トウが密集しているので、その姿はまるで摩天楼のようです。プンタレッタの収穫は、トウが少し伸びてきた時が適切です。先週に収穫をするべきでした。
1番背の高いトウです。指ほどの太さがあり、とても固そうです。筋も多そうですし、食べられるのでしょうか?
とりあえず収穫をします。根本をハサミで切っていきます。
最初の1本が採れました。切り口からは、レタスの様に白い樹液があふれ出てきています。意外にも茎の中心部は空洞でした。この調子で全部を収穫しましょう。
1株から1握りほどのトウが収穫できました。試食として1cmほどに切ったものを食べました。食感はシャキシャキとして、歯ざわりがとても気持ちいいです。筋っぽさは確かにありますが、我慢できる程度です。ただ苦味が強くて、非常に食べにくい印象です。そこで白髪ネギのように薄く細くスライスし水にさらしたところ、苦味が少なくなり、さらに筋っぽさも消えました。これをサラダの具材として使えば、ホロ苦さがアクセントになる一品となりそうです。
まとめ
今回はプンタレッタの水耕栽培を行いました。収穫時期を逃してしまいましたが、どうにか食べられるトウを採れて良かったです。栽培で感じたのは、初期成長が遅いことと、防寒をした方が良いことです。霜が降りると新芽が傷んでいたので、やはり不織布などを掛けておいた方が安心でしょう。もし2回目の栽培があるならば、この経験を基にしてもっと上手く栽培ができそうです。
この記事がプンタレッタ栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
【番外編】2022年4月2日 もう片方を収穫(発芽から198日目)
本編ではプンタレッタの苗を2株作りました。1株は水耕栽培で育て、実はもう1株は南向きの庭に植えておきました。完全に放置栽培で、霜が降りて凍ったり雪に埋もれた日もありました。しかしそれにも関わらず、葉の緑色が濃くて非常に元気な状態です。また虫や病気の被害もなく、手のかけた水耕よりも立派な株となりました。
中心部からは食べ頃のトウがニョキニョと伸びつつあります。
今が収穫の適齢期に間違いないです。株元にハサミを入れて切り取ります。
露地栽培のプンタレッタの収穫完了です。大きくて写真に収まらない部分があります。それでは外葉を切り落として、可食部であるトウのみとしましょう。
意外にも大きいです。重さは500gもありました。これぞ私が求めていた収穫物です。
トウは中心部だけではなく、側面からも出ています。まるでマツボックリやホップの実を連想させる姿です。
料理に使う時には、手で1個ずつもいでいくと良いです。このサイズだと筋っぽさもなくて、美味しく食べられました。
【追記】2022年4月11日 天ぷらが美味しい
トウを生で食べるのも良いですが、私のおすすめは天ぷらです。番外編で採ったプンタレッタを使ったのですが、苦味も程よく消えてとても美味しかったです。個人的には麺つゆだと味が負けるので、塩または何も付けないのが好きです。