「パクチー」を水耕栽培しています。上手く育てば、来春によだれ鶏のトッピングとして使えるかもしれないです

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 以前に鳥料理として「よだれ鶏」と呼ばれる中華料理を作りました。この料理を簡単に説明すると、茹でてスライスした鳥肉に辛味と酸味の効いたソースを掛けたものです。その際、参考にしたレシピには荒く刻んだ香菜をトッピングする様にと書いてありました。

 香菜が何か分からなかったため調べると、パクチーであるとのことです。個人的にパクチーの風味はそれほど得意としていません。しかし少量であれば、確かによだれ鶏に合いそうです。そこでスーパーにパクチーを探しに行きましたが、土地柄か時期的な問題か売っていませんでした。代わりにパクチーの種を手に入れたので、こちらを育てて使いたいと思います。

 今回のパクチー栽培は土耕ではなく水耕で行います。秋に種を蒔くため、収穫は翌年の春となるでしょう。上手く育てば、それこそ食べ切れないほどが採れるはずです。よだれ鶏に自家製パクチーを乗せて食べられるか否か、早速栽培を始めましょう。

 

 

 

 

パクチーの種

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 パクチーの種は直径3mmほどの球形をしています。種は香りがとても良く、オレンジの心地よい芳香がします。しかしなぜこの種から、あの独特の臭いがする葉に成長するのか不思議です。

 

栽培装置

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 栽培装置はこの記事《「黒色ビニール袋」を使って遮光仕様の水耕栽培装置を作製。液温上昇と藻の増殖を防ぎます 》を参考にして組み立てました。

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 追加した機能としては、お茶パックの底に穴を開けて化学繊維でできた布を通したことです。この布を通してカップ内の培地に液肥を供給します。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。栽培期間中は1週間に1度を目安に、液肥槽に入っている液体肥料の全交換を行います。

 

2021年11月7日 種蒔き

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 パクチーの発芽率はあまり良くないらしいので、1カップあたり少し多めの5個を蒔きました。覆土は5mmほどとしています。

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 種袋によると、種蒔き時期は9月中旬~10月下旬とのことです。今はこの期間から外れてしまっているので、栽培装置を不織布で覆って保温をしつつ、発芽するのを待ちます。

 

2021年11月16日 発芽(発芽から0日目)

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 種蒔きから10日ほどで発芽しました。種は1個につき2つの芽が出てるので、このカップでは、おそらく2個の種が発芽したのだと思います。本日を「発芽から0日目」として記録をしていきましょう。

 

2021年11月20日 1回目の間引き 発芽(発芽から4日目)

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 発芽も一段落しました。発芽率は7~8割で、思っていたよりも高かったです。開いた双葉が触れ合っていますので、1回目の間引きを行います。

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 ハサミを使って成長の悪い株を切っていきます。切った株からは、ほんのりとパクチーの香りがします。

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 これで間引きは終わりです。本葉が出てくるのを待ちましょう。

2021年12月4日 2回目の間引き(発芽から18日目)

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 12月になり、朝がかなり寒くなってきています。パクチーはゆっくりと成長しており、今は本葉が開いてきました。このタイミングで2回目の間引きを行います。

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 1カップにつき1株として作業の終了です。寒さのせいで成長は遅くなりますが、少量でも良いので年内に一度収穫をしたいものです。

 

2021年12月26日 成長中(発芽から40日目)

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 最高気温が10℃を切る日もありますが、どの株も枯れずに成長しています。

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 冬の霜対策として、栽培装置全体を不織布で包んでいます。今のところ葉の霜焼けは起きていないので、効果があるのだと思います。

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 さすがにこの株の大きさでは年内の収穫は難しそうです。来年に期待しましょう。

 

2022年2月5日 少し大きくなる(発芽から81日目)

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 まだ収穫できる大きさではありませんが、それなりのサイズとなってきました。日当たりの関係なのか、左側のカップの成長が早いです。

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 2月はまだ寒くて成長が滞りがちですから、初収穫は暖かくなった3月にできそうです。

 

2022年3月19日 葉の整理(発芽から123日目)

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 冬を超え、春になりました。どの株も新しい葉を伸ばしてきています。

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 5Lの容器に対して6株は多すぎたのか、根の量が非常に多いです。3株がちょうど良いかもしれないです。ちなみにこの液肥槽からは、かなり強いパクチー臭がします。

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 今までは横方向に短い葉が伸びていました。しかし暖かくなってきた現在は、中心部から縦方向に新芽が伸びています。

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 これからは一気に成長しそうです。そのため、冬の間に傷んだ葉や赤くなった葉を整理します。ハサミで切り取っていたのですが、ここでもパクチー臭が漂います。

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 これにて整枝作業の終了です。不要な葉がなくなって、風通しや日当たりが良くなりました。葉は順調に成長していますので、収穫は1〜2週間後にできそうです。

 

2022年4月3日 トウ立ち中(発芽から138日目)

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 問題なく成長しているな…と思って毎日を過ごしていたところ、やたらと背が伸びてきました。また今までとは異なる形の葉が出てきています。

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 まずこちらが通常の葉です。縁に浅い切れ込みがある丸型の葉です。

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 新しい形状の葉は切れ込みが深く、まるでニンジンの葉の形をしています。そしてこの葉は株の上部に多いです。

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 おそらく葉に変化が起きた理由は「トウ立ち」のためです。先端部をみると直径1mmほどの蕾が多数付いていました。他の葉物野菜と同様に花が咲くと葉が固くなるため、次の週末に収穫をしようと思います。

 

2022年4月10日 収穫&調理(発芽から145日目)

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 現在の高さは75cmとなりました。すごい勢いで伸びています。

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 蕾は膨らんできており、数日中に咲きそうな雰囲気があります。

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 それでは予定通り収穫をします。柔らかそうな葉を中心にハサミで切り取っていきます。

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 まずは1本を収穫しました。切り口から独特の香りがしています。鼻を近付けすぎなければ、レモンの様な柑橘系の爽やかな香りとも言えそうです。

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 パクチーを冷蔵庫で保管しておくと家族からクレームが来そうなため、調理で使う分だけを採りました。

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 それでは調理に移りましょう。栽培前の予定から少し変更して、収穫したパクチーは「よだれ鶏」のタレに使います。ちなみによだれ鶏とは、茹でた鶏肉に辛味と酸味の効いたタレを掛けた料理です。鶏肉の種類や茹で方は他のサイトを見て頂くことにして、今回はタレの作り方を紹介します。

材料
・パクチーのみじん切り 4g 
・長ネギのみじん切り 15g
・すりおろしニンニク 5g(チューブ入りのものが便利)
・酢 30g
・ごま油 20g
・豆板醤 3g
・醤油 8g
・上白糖 4g
・粉コショウ 小さじ1/2

作り方
 1.上記の材料を混ぜる
 2.完成 

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 これでよだれ鶏の完成です。パクチーをみじん切りにしていると、「おお、パクチー!」と心の中で言ってしまいそうな香りがしました。作ったタレを鶏肉に掛けて食べると、酸味などの中にパクチーの風味がしっかりと感じられました。個人的にはもう少しパクチーの量を減らしても良かったかなと思います。このあたりは好みなので、上手く加減をして貰えればと思います。

 

まとめ

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 今回はパクチーの水耕栽培に挑戦しました。秋に種を蒔いた結果、翌年の4月に初収穫となりました。しかしトウ立ちしつつの収穫になってしまったため、冬の間はしっかりと保温をした上で成長させるか、春に種蒔きをするのが良いと感じました。今ある株は収穫できる限界まで育てたいと思います。

 この記事がパクチーの水耕栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。