とあるネットの記事を読んで驚きました。それはブロッコリーを挿し木で更新(再生)すると、ずっと栽培できるらしいのです。記事によれば、収穫が終わった株の茎を切り、挿し穂を作ります。発根したら、鉢上げ→育苗→定植→栽培→収穫 をシーズン毎に続ければ良いとのことです。ブロッコリーは種から育てるものだと思っていた自分には、目からウロコの栽培方法です。
今、家の庭を見ると、収穫が終わったブロッコリーの株が放置されています。そこでこの株から挿し穂を作って、実際に発根するのかを実験したいと思います。挿し穂については蕾が有るものと無いものの2種類を用意し、どちらがより適しているかを検証します。
現在の季節は冬なので、仮に発根するにしても時間がかかりそうです。念のため数日に1度は挿し穂を引き上げて、根が出ているかの確認をする予定です。それではブロッコリーの発根試験を始めましょう。
- 2022年2月5日 挿し木(0日目)
- 2022年2月12日 切り口が盛り上がる(7日目)
- 2022年2月16日 カルスの発生(11日目)
- 2022年2月19日 発根(14日目)
- 2022年2月23日 植え替え(18日目)
- 2022年2月26日 発根率100%(21日目)
- まとめ
2022年2月5日 挿し木(0日目)
こちらが収穫を終えたブロッコリーの株となります。脇芽にできる蕾もほぼ採り尽くし、あとは廃棄を待つだけの状態です。
観察するとブロッコリーは蕾がある枝と、蕾がなく葉のみの枝の2種類があります。どちらが挿し穂に適しているのか分かりませんので、今回は両方を使います。
ハサミを使って、それぞれの枝を3本ずつ切っていきます。
出来上がった挿し穂です。左側が蕾のある枝(蕾あり枝)で、右側が蕾がない葉のみの枝(蕾なし枝)になります。蕾あり枝に関しては栄養が取られないように、脇から出ている蕾を切り落としておきます。
この挿し穂を水道水で湿潤させたバーミキュライトに挿します。そして明るい室内に置き、発根するのを待ちます。なお切り口はカッターなどできれいな面を出さず、ハサミで切りっぱなしの状態です。
2022年2月12日 切り口が盛り上がる(7日目)
試験開始から1週間が経過しました。蕾なし枝は特に変化が見られません。一方で蕾あり枝は若干の動きがありました。
蕾あり枝3本中、2本の切り口が盛り上がってきたのです。もしかしたら細胞分裂が盛んに行われているのかもしれないですね。
また切り落とした葉の残り部分が黄色くなり、本体と分離しつつあります。
2022年2月16日 カルスの発生(11日目)
蕾あり枝の切り口からカルス(未分化の植物細胞塊)っぽいものが盛り上がってきました。順調に進めば、ここから根などが生えてきそうです。
2022年2月19日 発根(14日目)
ブロッコリーを挿し木にしてから2週間となりました。カルスの発生した枝がどうなっているか確かめましょう。
喜ばしいことに、長さ3mm程の根が伸びていました。これらの枝はもう少し養生をした後に、植え替えたいと思います。
残りの蕾あり枝ですが、こちらは他の2本と同様に切り口が盛り上がりつつあります。
一方で蕾なし枝は、全く変化が見られません。もしかしたら挿し穂には向いていないのでしょうか?もう少し様子を見ます。
2022年2月23日 植え替え(18日目)
先日発根した蕾あり枝の根が順調に伸びてきています。根が出ている場所は表皮付近であり、芯部分からは生えていません。
成長が始まった証なのか、極小さな蕾が成長してきました。こちらも最初の頃と同様にハサミで切っておきます。
発根したこれらの枝は、直径9cmのポリポットに植え替えを行いました。土の代わりにバーミキュライトを使い、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈した液肥で育てていきます。
変化がないと思って諦めていた蕾なし枝ですが、何の前触れもなく急に根が出てきました。長さは3〜5mmで、それぞれ数本ずつあります。こちらも後日ポリポットに植え替えを予定しています。
2022年2月26日 発根率100%(21日目)
挿し木を開始してから21日目となりました。取り残されていた蕾あり枝も無事に発根しました。小さな根が1本出ているのが分かるでしょうか?
また蕾なし枝の3本も根が伸びてきています。
これら4本の枝は、先日の蕾あり枝と同様の条件で植え替えをしました。
まとめ
今回は収穫の終わったブロッコリーの株から挿し穂を作り、発根するかの試験を行いました。挿し穂は「蕾あり枝」と「蕾なし枝」を各3本用意し、バーミキュライトを用いて根が出てくるのを待ちました。どちらの枝も21日間で発根し、発根率は100%でした。
試験前は蕾あり枝のみの発根を予想していましたが、実際には蕾なし枝からも根が出てきて驚きました。どちらも発根したことにより、ブロッコリーの枝には再生能力があることが分かりました。今後は植え替えた挿し穂がどのように成長していくのかを観察していきたいと思います。
この記事がブロッコリー栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。