安定した環境でアイスプラントの挿し木に挑戦。バーミキュライト挿し&育苗器栽培で発根日数を記録します

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 2020年2月、食用のアイスプラントを水に挿したところ見事に発根しました(参考記事:スーパーで買ってきたアイスプラントを挿し木にします。もし発根するならば手軽に株を増やせますね)。発根率は100%と非常に良かったのですが、根が出るまでの日数が12〜25日と、大きなばらつきがありました。

 この時の栽培条件を調べると、挿し穂を水に浸し、明るい窓辺に置いて発根を促していました。天候によって暖かい日もあれば寒い日もあるので、どうしても水温や気温の変化が大きくなってしまいます。おそらく発根に時間がかかったのは、気温が安定していなかったためだと考えられます。またこの時に用意できた挿し穂は3本と少なかったので、高い発根率は偶然の賜物だったのかもしれません。

 そこで今回の記事では、より安定した環境でアイスプラントの挿し木に挑戦してみます。具体的には挿し穂をバーミキュライトに挿し、光源付きの自作育苗器の中で栽培します。この環境下で発根するまでの日数や発芽率を記録し、今後のアイスプラント栽培の参考にしたいと思います。それでは早速、挿し穂の用意をしましょう。

 

 

 

 

2021年2月23日 挿し穂作り&挿し木(0日目)

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 こちらがスーパーで購入したアイスプラントです。食用のため大きな葉がたくさん付いています。挿し穂に必要なのは茎の部分ですので、葉は切り取ってしまいます。

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 大きな葉は根本から、中~小サイズは面積が半分となるように切ります。すると半分くらいの容量となりました。もちろん切り取った葉はサラダとして美味しくいただきます。

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 できた挿し穂のサイズは、手の幅くらいが数本で、

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大半が写真のような短いものとなっています。これほど短くても大丈夫なのか、少々不安が残ります。

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 それでは挿し穂を挿していきましょう。まず72セルのプラグトレイを3×5となるように切ります。そして各々のセルの底に土留めとして不織布を敷き、バーミキュライトを入れ、水道水で湿潤させました。

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 これらのセルにアイスプラントの挿し穂を1本ずつ挿したら完成です。

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 栽培は自作の育苗器《野菜の室内栽培で使うライトを改良。非防水型のLEDテープと大きなアルミ板を使って問題を解決します》を使って行います。光は16時間連続照射し、残りの8時間は暗所とします。なお、バーミキュライトが乾き気味になった場合には、水道水を底面から補給します。
 前回の結果から、挿し穂は早ければ2週間ほどで発根すると思います。果たして予定通りとなるでしょうか?

 

2021年2月27日 変化なし(4日目)

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 LEDの光を求めてか、挿し穂が上向きになってきました。今のところ発根している様子はありません。もう少し様子を見ましょう。

 

2021年3月5日 1つ発根(10日目)

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 見た目は前回の報告時とあまり変わりません。

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 しかしこの挿し穂は、他のものと比べて元気が良さそうです。葉の垂れもなく、張りもあります。

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 セルの底を確認すると、何本かの根が穴から出ていました。数日前に発根し、ここまで伸びたのでしょう。今のところ発根したのはこの株だけのようです。他の挿し穂にも期待しましょう。

 

2021年3月7日 2つ目の発根(12日目)

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 2つ目の挿し穂も発根していました。順調ですね。これからは発根した株には水道水ではなく、微粉ハイポネックスを水道を1000倍に希釈した液肥を与えて育てていきます。

 

2021年3月13日 発根率73%(18日目)

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 栽培を開始してから18日目、現在の発根率は73%となっています。傾向としては短い挿し穂よりも、枝が長いものの方が早く根が出てくるようです。

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 一番最初に発根した挿し穂が、なぜか白っぽく変化してしまいました。もしかしたら自作育苗器では都合が悪いのかしれません。そこで根が十分に回っている9本を植え替えて、屋外で育てることにしたました。 

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 こちらが植え替える直前のセルトレイから抜いた挿し穂です。

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 根はしっかりと伸びており、セルから抜いても培地が崩れることはありませんでした。発根していない挿し穂は残り4本です。あと一週間は様子を見て、それから最終的な発根率を計算したいと思います。

 

2021年3月21日 最終発根率80%(26日目)

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 挿し木を始めてから約1ヶ月になりました。最終的に発根した挿し穂の数は15本中12本、計算すると発根率は80%です。個人的にはそれほど悪い数値ではないと思っています。

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 発根しなかった3本の挿し穂は全て短いものであり、また先端に近いものでした。どうやらこの部分は、挿し穂にあまり向いていないようです。

まとめ

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 今回はアイスプラントの挿し穂を自作の育苗器を使って育てました。1ヶ月後の発芽率は80%であり、枝が長い挿し穂の方が発根する時期が早かったです。詳しい発根確認日は下記の『発根マップ』を見てほしいのですが、栽培開始から10~20日後に発根が始まるようです。この結果より、スーパーで売っているアイスプラントを挿し穂として使う場合には、長い枝が入っているパックを選んだ方が良さそうです。

 この記事がアイスプラント栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

 

発根マップ

■⑤③②③
⑦⑥⑤①■
②⑤⑥■④

○:発根済み(番号は発根順番)
■:未発根 

 

発根確認日
①3/5
②3/7
③3/8
④3/10
⑤3/12
⑥3/13
⑦3/18