ドラゴンフルーツを鉢栽培しています。南国のトロピカルフルーツをいつ食べられるでしょうか?


 これまでは毎年野菜を育てていたので、今年は果実を育てたいと思っていました。5月下旬、ホームセンターに足を運ぶと、沖縄フェアと称してバナナやパパイヤなど数種類の南国フルーツ苗が売っており、その中に「ドラゴンフルーツ」がありました。

 ドラゴンフルーツとはサボテンの一種で、中南米で多く栽培されています。果実の皮は赤いものが多く、果肉の色は赤・白・黄となります。日本で流通している輸入品は未完熟で収穫されるため味が薄いですが、完熟したものは非常に甘くなるそうです。もしドラゴンフルーツを自分で育てていれば、実を採るタイミングを自由にでき、きっと美味しいものが食べられそうです。早速、苗を購入して栽培することにしました。

 買ってきた苗は小さいので、年内に実がなるかは疑問です。そのため今年は成長期間とし、株が充実した来年や再来年に期待したいと思います。それでは甘い実が採れることを期待しながら、栽培記録を開始しましょう。

 

 

 

 

2022年5月28日 支柱立て(0日目)


 こちらが購入したドラゴンフルーツの苗(赤肉種・白肉種)です。ポリポットの色が果肉の色になっているので、とても分かりやすいですね。
 品種名が気になりましたが、ラベルに書いてありませんでした。ドラゴンフルーツは種類によって自家受粉ができないものがあるそうです。そのため今回は2品種を購入し、他家受粉の場合でも対応できるようにしました。


 赤白共に、1段目の先端部付近から2段目の茎が出ています。


 ドラゴンフルーツはサボテンらしく、棘が生えています。棘は固くもなく柔らかくもない感じです。ただ素手で掴んだりすると刺さって痛いです。


 2段目の茎が倒れ気味となっていたため、割り箸を使って簡易的な支柱を立てました。これらのドラゴンフルーツは十分に気温が上がるまで、ポットのままで成長を見守っていきます。

 

2022年6月8日 脇芽かき(11日目)


 栽培11日目となりました。まだあまり変化はないように見えますが、確実に成長しています。


 どちらの品種も、先端部分がやや赤くなり盛り上がってきています。どうやらドラゴンフルーツの成長点は色が変わるようです。


 白肉種の1段目、棘が生えている場所から丸い脇芽が出てきました。この芽を成長させると栄養が分散してしまうため摘み取ります。今後も出てきた脇芽は全て取り除いておきます。

 

2022年6月17日 植替え(20日目)


 最近は動くと汗ばむ日が多く、最高気温は30℃に届きそうになっています。南国原産のドラゴンフルーツはこのくらいが適温なのか、成長速度が徐々に上がっています。特に白肉種の方が伸びが良いです。


 こちらは赤肉種の先端部です。何かホコリのようなものが付いているのが分かります。肉眼では見にくいので拡大します。


 その結果分かったのが、ホコリではなくカイガラムシの大群でした。形から考えると、おそらく「ナスコナカイガラムシ」でしょう。わらじ型が成虫で、矢じり型が幼虫になります。


 カイガラムシの困ったところは、単為生殖によりどんどん増えてしまうことです。この時点で気付いて良かったです。筆を使って払い落としておきました。


 気温も十分に上がっていますので、植替えを行います。用意したものは、培養土・10号スリット鉢・塩ビ管(VU管 直径5cm 長さ1m)です。


 塩ビ管は支柱として使います。この方法は海外でドラゴンフルーツを育てている方の栽培動画を見て取り入れました。最初は木の杭を支柱にしようかと思っていたのですが、軽くて腐らない塩ビ管の方が良いと思い選びました。なお、地上に出ている支柱の高さは75cmになります。


 それでは植え付けを行いましょう。赤白共に、あまり根は回っていませんでした。


 根を崩さないように支柱の両側に植えて、倒れないように紐で軽く縛ります。左側が赤肉種、右側が白肉種です。



 これで植替えの完了です。数日間は半日陰の場所で養生し、その後に日向へ出す予定です。今年の夏で支柱の一番上まで届くでしょうか?

 

2022年7月3日 順調に成長中(36日目)


 植え付けから約3週間が経過しました。特に病気になることもなく、順調に成長しています。

 

2022年7月31日 気根の伸長(64日目)



 7月も最終日となりました。先端部が日に日に成長しているのが分かります。


 現在の丈は赤肉種が41cm、白肉種が45cmです。


 茎の途中からは気根が出てきました。自然界ならばこの気根を木などに絡み付けて身体を固定します。しかし今は表面がツルツルとした塩ビ管の支柱があるだけですので、効果はほぼないでしょう。今後も紐で支えながら上へと成長させていきます。

 

2022年9月3日 成長点が食べられる(98日目)



 8月は特に報告する事象はなく、9月となりました。どちらの株もあと15cm程で支柱の上端に到達します。


 1週間前に、白肉種の頭頂部(成長点)がバッタか何かに食べられてしまいました。すると近くのトゲ座から新芽が伸びてきて、現在猛スピードで成長しています。ドラゴンフルーツは非常に再生力が強いようですね。

 

2022年9月17日 支柱の最上部に到達(112日目)



 9月中旬に入り、昼の暑さも耐えられるくらいとなってきました。ドラゴンフルーツは秋の成長時期に突入したのか、1日1cm以上のハイペースで伸びています。


 苗の購入から約120日で、赤白共に支柱の高さ(75cm)を超えました。もう少し成長をしたら摘芯をして脇芽を出させたいと思います。

 

2022年9月21日 白肉種の摘心(116日目)



 どちらの株も支柱の高さを完全に超えました。


 現在、左の赤肉種の丈は80cm、白肉種が81cmとなっています。ドラゴンフルーツは垂れ下がった枝に花を咲かせるそうです。そこで摘心をして、出てきた脇芽を下方向に伸ばします。


 今回は80cmの場所で摘心を行います。白肉種の先端は切れましたが、赤肉種は高さが足りないので数日後に行います。


 これで摘心の完了です。脇芽がどのように出てくるのか楽しみです。

 

2022年10月9日 白肉種の新芽(134日目)


 白肉種から2個の新芽が伸びてきました。なお、赤肉種はまだ変化がありません。
 10月になり肌寒い日が出てきています。真夏はすごい勢いで成長していましたが、気温が低下したからか今はやや停滞気味です。やはり実ができるのは来年でしょうか。

 

2022年11月13日 オレンジ色の斑点(169日目)



 前回の報告から1ヶ月が経過しています。やっと赤肉種からも新芽が出てきました。


 左側の赤肉種からは1つの芽が、右側の白肉種からは2つの芽が成長しつつあります。



 今、気になっているのは、枝の先端付近にオレンジ色の斑点が出てきていることです。どちらの株にも同じ症状が出ています。病気かと思いウェブで調べましたが、該当する案件は見つけられませんでした。この斑点が大きくなったり増えたりしないか、少し様子を見たいと思います。

 

2022年11月22日 冷害の可能性(178日目)


 オレンジ色の斑点は日に日に増えてきています。この2週間で新芽にも新たな斑点が発生してしまいました。


 斑点は時間がたつとオレンジ色→茶色に変化するようです。オレンジ色、茶色共に触ると固さがあり、表面は乾いてツルツルしています。どうも病気のような感じではないです。


 この斑点をよく観察すると、空を向いている面に多く、地面を向いている面には全くありません。もしかして寒さが当たったことによる冷害ではないでしょうか?最近の最低気温は10℃前後であり、南国原産であるドラゴンフルーツにとって気温が低すぎるのかもしれないです。


 そこで本日から室内(南向きの明るい窓辺)に取り込みます。予定では来年の暖かくなるまで水やりは全く行わないです。理由としては、水を切ることで耐寒性がアップする、と聞いたからです。
 ドラゴンフルーツは既に高さが1mもあり、室内での圧迫感がすごいです。今以上に枝が伸びる来年は、この場所に再び置けるかどうか若干の不安があります。次の冬はどうにかして屋外で越冬させたいところです。

 

2022年12月25日 斑点の進行が止まる(211日目)



 寒い12月とは言え、室内に置いているので少しずつ成長しています。


 オレンジ色の斑点ですが、室内に取り込んでからはピタリと止まりました。やはり寒さによるものだったようですね。とりあえずは一安心です。


 新しい変化としては、赤肉白肉種どちらも枝の先端付近から気根が出てきたことです。今のところの問題なく寒さを過ごしているようです。
 これから一年で最も寒くなるので、ドラゴンフルーツにとって厳しい期間となりそうです。もし室内でも冷害が起きるようならば、不織布を巻きつけるなどの対策をしたいと思います。

 

2023年1月30日 停滞中(247日目)



 1年で1番寒い時期のためか、ドラゴンフルーツの成長が滞っています。暖かくなるのを待つしかないでしょう。

 

2023年3月7日 動きなし(276日目)



 前回と同じく、姿に変化はないです。室内に置いているとは言え、さすがに2月も成長しませんでした。


 室内に移動させてからは、水やりを3ヶ月間行っていません。土はカラカラに乾いていますが、ドラゴンフルーツ自体に萎れなどは全く見られないです。サボテンなだけあって、水切れには相当強いようです。


 観察していて気付いたのは、トゲの根本から綿のようなものが生えていることです。写真の刺座だけではなく、赤肉白肉どちらの品種も上から下まで全体的に発生しています。気温の低下によって、保温のために生えてきたのでしょうか?暖かくなったらどう変化するのか気になるところです。