ケールの水耕栽培に再挑戦。根腐れに注意しつつ、前回の知見を生かして今度こそ収穫をしたいです

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 昨年の夏にケールを水耕栽培しました(【栽培断念】「食べる健康ケール」を水耕栽培しています。クセがないらしいので、サラダやおひたしにして食べようと思います)。結果としては根腐れが発生したせいで収穫ができず、とても悔しい思いをしました。この時に使った種はまだたくさん余っているため、2022年の春、再びケールの栽培に挑戦することにします。

 前回の経験から、ケールは大きく育つことが分かりました。そこで今回は、ザルとバケツを組み合わせた大型の栽培装置を利用します。またできるだけ長期間の収穫をしたいので、種は2月にポリポットに蒔き、暖かくなる頃には定植できる大きさの苗にします。

 「食べる健康ケール」はちりめん状の見た目と、アクの少さが売りの品種です。もし収穫ができたならば、採りたてをすぐに茹でて味を確認しようと考えています。それでは2回目のケール栽培のスタートです。

 

 

 

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

 

2022年1月29日 種蒔き

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 直径9cmのポリポットにバーミキュライトを入れ、液肥で湿潤させました。ここに種を8個ほど蒔き、厚さ3mmとなるように覆土を行いました。このポリポットは室内の暖かい場所(気温18℃程度)に置き、発根するのを待ちます。

 

2022年1月31日 発根

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 覆土を軽く掘ると、種から根が出ているのが確認できました。

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 そこで本日からはベランダに設置したビニールハウス内で育てていきます。このビニールハウスは太陽が出ている場合、冬でも35℃に達することがあります。あまりにも高温になるので、ポリポットの置く位置や風通しなどを工夫し、25℃を超えないようにします。

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 一方で夜間は室内に移動をさせて、冷え込みから守ります。その際には室内灯の影響をなくすために、箱の中に入れて遮光をします。
 手間は掛かりますが、これらの作業は育苗が終るまで行います。ケールの初期成長が早まると良いのですが、はたしてどうでしょうか?

 

2022年2月3日 発芽(発芽から0日目)

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 双葉が開きましたので、本日を「発芽から0日目」として栽培記録を付けていきます。寒さのためか、発芽の度合いにばらつきが見られます。

 

2022年2月11日 ゆっくりな成長(発芽から7日目)

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 発芽から一週間が経過しました。保温をしているとは言え、やはり成長がゆっくりです。今は双葉の間から小さな本葉が見えてきたところです。しばらくの間はこの調子で進みそうですね。

 

2022年2月20日 1回目の間引き(発芽から16日目)

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 現在、成長の早い株は2枚目の本葉が大きくなっているところです。それに伴い、特に右のポリポット内が窮屈になっていますので、間引きをしたいと思います。

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 発芽に失敗していたり、成長の良くない株をハサミで切り取っていきます。

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 3株ずつを残して1回目の間引きの終了です。天気予報を見ると、来週からは最高気温が15℃くらいの暖かい日が続くようです。ケールの成長が早くなると嬉しいです。

 

2022年2月27日 2回目の間引き(発芽から23日目)

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 ビニールハウスで育てているお陰か、1回目の間引きから一週間でかなり大きくなりました。現在、本葉が3~4枚出ている状態です。それでは2回目の間引きを行います。

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 成長の良いものを1株選んで、残りを切り取りました。引き続きビニールハウス内で育苗していきます。

 

2022年3月12日 定植(発芽から36日目)

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 2回目の間引きから2週間が経過しました。小さかった株も大きくなり、今ではポリポットの直径ほどに葉が広がっています。定植するには良いサイズとなっていますので、順調に成長した右の株を栽培装置に植え付けます。

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 栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にして組み立てました。

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 ポリポットを外すと、根は薄っすらと底に広がっていました。

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 株を栽培装置の中心に置き、周りをバーミキュライトで埋めます。そして液肥を十分に与えておきます。

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 最後に、水分の蒸発を抑えるためのアルミ蒸着保温シートを取り付け、重石(タイル)を乗せれば定植の完了です。ケールはアブラナ科の野菜なので、アオムシの攻撃を受けやすいです。その時には薬を適切に使って退治していきたいと思います。

 

2022年3月19日 成長中(発芽から43日目)

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 定植から1週間が経過しました。2倍くらいの大きさになっていますが、まだ収穫できるサイズではありませんね。もう少し待ちましょう。
 我が家の庭を見ると、モンシロチョウが優雅に飛んでいました。この感じですと、近々アオムシの被害が出てきそうです。

 

2022年4月3日 初収穫(発芽から58日目)

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 暖かい気候の中で成長スピードが一気に高まり、前回の報告時とは似ても似つかない姿となりました。

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 葉は十分に大きくなり、もう収穫しても良い頃合いでしょう。それでは初収穫を行います。

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 ハサミを使って、栽培装置からはみ出ている葉を切っていきます。

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 1回目の収穫が完了しました。今回は7枚の葉が採れました。それでは早速、調理に移りましょう。

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 収穫した葉は大きかったので、鍋(フライパン)に入るように半分に切って湯がきます。お湯に入れると、色が黄緑→鮮やかなグリーンに変わりました。

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 柔らかくなったら引き上げて水気を絞り、適当な大きさに切ります。茎の部分は思った以上に固かったため、取り除いてあります。
 上の写真では黒に近いグリーンですが、実際はもう少し明るい色をしています。食べた感想としては食感が結構残っており、歯ざわりが良いなと感じました。ただ単体で食べると、青臭いような、何とも言えないケール臭?がします。本来のケールよりも風味は抑えられているのだとは思いますので、ミックスサラダの具材の1つとして利用するのが良さそうです。

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 収穫後の株は、かなりスッキリとした姿になりました。再び収穫できるサイズになるのを待ちます。

 

2022年4月10日 回復中(発芽から65日目)

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 中心部からは次々と新しい葉が出てきています。順調に次の収穫へと向かっています。

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 根は真っ白で、とても綺麗な色をしています。

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 まだアオムシの被害はないですが、その対策をしておきます。用意するものは、

・浅型プランター
・トンネル支柱
・防虫ネット

です。

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 これらの資材を写真のように組み立て、その中に栽培装置を入れます。ケールの周りには防虫ネットがありますので、物理的にチョウが近付けなくなります。若干ですがトンネル支柱がぐらついているため、後ほどビニールテープなどでプランター穴との隙間を埋めておこうと思います。

 

2022年4月16日 2回目の収穫(発芽から71日目)

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 1回目の収穫から2週間で再度収穫できるまでに成長しました。

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 大きい葉は縁のカールが弱くなってしまうようですが、食べる分には問題ないでしょう。それでは前回と同じく、栽培装置からはみ出した葉を採っていきます。

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 2回目の収穫では5枚が採れました。中心にある固い葉脈を切り取ってから調理する予定です。

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 そして再び成長するのを待ちます。次の収穫も2週間後となりそうです。

 

2022年4月17日 液肥のキャベツ臭(発芽から72日目)

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 根を確認するためにザルを上げたところ、液肥からはっきりとした臭いがしてきました。臭いを具体的に表すと、「キャベツの芯を切って、その断面を嗅いだ時の臭い」です。また若干の磯臭さもする気がします。

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 私なりに調べた結果、この臭いの原因は「ジメチルスルフィド(C2H6S)」ではないかと考えています。キャベツには辛味成分であるイソチオシアネートと呼ばれる物質が含まれています。この物質が前述のジメチルスルフィドに変化すると、

・キャベツが腐った臭い
・潮臭さ

のように表される悪臭成分となります。
 この臭いが根腐れの前兆なのか、それともただ単に生理現象なのかの判断は難しいです。今のところ根は白さを保っており、地上部も不調の気配は見当たりません。念のため液肥を全交換して様子を見ます。

 

2022年4月30日 3回目の収穫(発芽から85日目)


 暖かい日が続いており、新芽がどんどん大きくなっています。今回も前回と同じように、2週間で収穫できる姿となりました。改めて全体を観察すると、葉が五角形となるように配置されていて、またカールした縁が凹凸を生み出しているためか、ヒトデのように見えなくもないです。


 茎は今のところ詰まっており、間延びする気配はないです。後ほど3回目の収穫をしておきます。


 キャベツ臭がしていた液肥と根は、特に問題なかったです。根の量は順調に増えて、液肥の臭いも収まっています。液肥交換が効いたのかもしれないですね。
 今後のケールですが、収穫と回復を繰り返すことになります。そのため本日で栽培記録を終了しようと思います。

 

まとめ

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 今回はケールの水耕栽培に再チャレンジをしました。大型の栽培装置を使ったためか非常に良く成長して、2週間ごとに収穫ができました。育てた「食べる健康ケール」は、ケールにしては独特の臭みが少ないため、比較的食べやすい品種だと感じました。これからもかき取り収穫をしつつ、できるだけ長い期間栽培したいです。

 この記事がケールの水耕栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。