ソラマメの水耕栽培に挑戦しています。前回の栽培を糧にして、立派な実を収穫したいです

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 2019年冬~2020年春にかけて、ソラマメを栽培しました《「半水耕栽培で「ソラマメ」を栽培中。収穫は来年の春ですので気長に待ちます》。この栽培では5Lの容器を鉢として使いましたが、ソラマメの根は予想以上に多く、根詰まり気味でした。また根腐れが発生してしまい、収穫量が少なくなってしまったことも残念な点でした。そこで今年はザルとバケツを組み合わせた栽培装置を使って、ソラマメの栽培に再挑戦したいと思います。この栽培装置ならば根の伸びるスペースが多くありますし、通気性も良いため根腐れが起きにくりそうです。

 ソラマメは耐寒性がある野菜ですが、越冬する時の本葉数が5枚以上だと寒害を受けやすくなるそうです。前回の栽培では種蒔きが早かったためか、かなり大きな状態で冬を迎えていました。今回の栽培では種蒔き時期を11月初旬にして、幼苗の状態で本格的な冬を迎えたいと思います。それではソラマメの栽培を始めましょう。

 

 

 

 

ソラマメの種

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 栽培をするソラマメは「お多福そら豆」です。種の長さは2cmほどで、農薬処理をされているために青い色をしています。お多福そら豆の特徴は以下の通りです。

  • そら豆の中でも有名な味の良い品種です。
  • 種実は長さ4センチ、巾2.5センチ程度になるほど大粒で、煮物や若莢で収穫し、ビールのおつまみに最適です。
  • 草勢強健で草丈1m位まで伸長する晩生種です。
  • 栽培容易で家庭菜園に最適で、手軽に作れる優良豊産種です。
  • 1株3~4本に分岐し、莢は巨大で長さ15~20cm、幅3cm位で鮮緑色、1莢に2~3粒実が入ります。
  • 種実は扁平で長さ4cm、幅2.5cm位です。
  • 肉質緻密で甘みに富み食味は最高です。
  • 非常に大粒です。煮豆や甘納豆はもちろん、若莢の間に収穫して塩茹でにすると食味抜群で子供にも喜ばれます。

出典:株式会社ウタネ お多福そら豆
https://www.utane.co.jp/lineup/78/

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。栽培期間中は1週間に1度を目安に、液肥槽に入っている液体肥料の全交換を行います。

 

2021年11月3日 種まき

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 ソラマメの種蒔きには少しコツがあります。種の凹んでいる部分、通称「おはぐろ」を下にして蒔きます。これにより発根や発芽がスムーズにできるようになります。

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 種は栽培装置に直接蒔かずに、一旦ポリポットで発芽させます。今回は3個の種を1ポットずつに蒔きました。ちなみに種の頭を出しておくと、発芽率が良くなるそうです。これらのポットは日が良く当たる南向きの場所に置き、発芽するのを待ちます。

2021年11月10日 種が割れる

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 種を蒔いてから1週間が経過しました。種の上部が割れてきています。

 

2021年11月14日 発芽(発芽から0日目)

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 種蒔きから10日目がたちました。種の下から芽が出てきています。本日を「発芽から0日目」として記録をしていきましょう。

 

2021年11月20日 葉が開く(発芽から6日目)

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 先週は小さな芽でしたが、ぐんぐん伸びて立派な姿となりました。左側の種は不良ではなく、単に発芽に時間がかかっているようです。

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 今はまだ葉が折りたたまれています。あと数日もすれば、きれいに開くと思います。

 

2021年11月23日 植え替え(発芽から9日目)

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 発芽してから9日目となりました。状態に差はあれど、全ての種から芽が出ています。一番成長しているものが中央のポリポットで、次点で右側です。左側はやっと芽が見えてきた感じです。それではこの中央の株を栽培装置に植え付けたいと思います。

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 栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にて組み立てました。 

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 植え付けるためにポットから培地を抜きました。側面に根はなく、底の方で渦を巻くように伸びています。根は思っていたよりも太いです。やはり種が大きいと根も太くなるのでしょう。

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 栽培装置に植え付けたソラマメがこちらです。培地にはバーミキュライトを使っています。

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 最後に、液肥の蒸発を防ぐためのアルミ蒸着保温シートを取り付けて、重石であるタイルを置きました。これで植え付け作業は終わりです。根の伸びるスペースがポリポットの何倍もあるため、今後の成長に期待ができそうです。

 

2021年12月4日 脇芽が出る(発芽から20日目)

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 最近は朝の気温がかなり下がっており、5℃以下になる日も多くなってきました。それでもソラマメは元気に成長中です。

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 株元から2本の新しい芽が出てきています。それに伴い、アルミ蒸着シートの穴を大きくしました。

 

2021年12月19日 強い寒波(発芽から35日目)

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 寒いながらも徐々に成長をしています。昨日、かなり強い寒波のせいで凍ってしまったのか、葉がぐったりとしていました。

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 しかし翌日である本日には回復し、何事もなかったかの様な姿となっています。本格的な寒さはこれからですが、ソラマメの耐寒性ならばきっと大丈夫でしょう。

 

2022年1月23日 成長中(発芽から70日目)

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 前回の報告から1ヶ月が経過しました。途中で雪に埋もれたこともありましたが、ソラマメは元気に成長中です。株元から出てきた脇芽が横に広がって、栽培装置の縁を超えてきました。

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 現在、伸びている茎の数は6本ほどです。前回のソラマメ栽培記録から考えると、2月中旬頃に花芽が付きそうです。

 

2022年2月12日 根粒?(発芽から90日目)

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 脇芽が成長しつつあり、もう少しで中心部の枝と同じ高さとなりそうです。しかしまだ花芽は付いていせん。

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 現在の根はこのようになっています。やや太め根がバケツに広がっています。

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 根を見ていたら、面白いことに気付きました。根の所々に直径数mmの膨らみがあるのです。これはもしかしたら「根粒」ではないでしょうか?今までにマメ科の野菜(インゲン、枝豆、シカクマメ)を水耕で育てましたが、根にこのような粒はありませんでした。何がきっかけで発生したのか不明ですが、空気と触れ合っている根が多いと根粒ができるのかもしれないですね。

 

2022年2月26日 花芽を発見(発芽から104日目)

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 日中の気温10℃を超える暖かい日が続いています。この天候の中、ソラマメの葉が充実してきています。

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 そして待っていた花芽を発見しました。収穫は1ヶ月以上先ですが、順調に育っているようで一安心です。

 

2022年3月5日 開花(発芽から111日目)

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 3月になり、とうとう冬は終わりを迎えました。今は暖かい日が続いており、そのためか枝が全体的に立ち上がってきています。

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 昨年ソラマメを育てて驚いたのは、新芽にはとてつもない数のアブラムシが付くことです。現時点ではその兆候は見られませんが、発生した際には薬を使って退治したいと思います。

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 無事に最初の花が咲きました。開花後は40日ほどでサヤが収穫できますので、今から楽しみです。

 

2022年3月12日 整枝(発芽から118日目)

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 週毎に大きくなっているソラマメです。葉が茂っているので、強風が吹いた時に倒れてしまわないか心配です。

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 開花は下の方から始まり、現在は2〜3段目まで開いています。

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 ソラマメの育て方を読んだところ、良質なサヤを収穫するためには枝を7本程度にすると良いそうです。今は大きな枝が10本ありますので、比較的成長の遅い枝を2本切り落とします。

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 立派な枝ですが、収穫のためには致し方のないことです。この他に、株元から出ている小さな枝も取り除いておきました。

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 全体像を見ると、特に株元がスッキリしましたね。最近は暖かい日が多いので、液肥を切らさないように注意して育てていきます。

 

2022年3月19日 転倒防止策(発芽から125日目)

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 現在のソラマメの高さは栽培装置込みで60cm程となっており、強風が吹くと倒れる恐れがあります。そのため転倒防止策を施します。メッシュカゴ(収穫コンテナ)の四隅に長さ1200cmの支柱をタイラップで取り付けたものを用意しました。

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 カゴの中にソラマメを入れて、ビニールヒモで支柱間を繋げば完成です。これならば台風並みの風が吹かない限り大丈夫でしょう。液肥の補充や交換が面倒になってしまいますが、美味しいサヤを収穫するためには致し方のないことです。

 

2022年3月27日 着果(発芽から133日目)

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 昨日にかなり強い風が吹きましたが、ソラマメに異常はありません。転倒防止策が効いていたのでしょう。

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 一番花の花弁が萎れ、その中から小さなサヤが見えてきました。今のところ、順調に着果しています。

 

2022年4月9日 摘芯&農薬散布(発芽から146日目)

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 株のサイズがかなり大きくなってきました。葉の数が多くなるに従って、1日に消費する液肥の量が増えてきています。

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 サヤの長さは4cmとなりました。良い感じです。

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 ソラマメを眺めていたところ、羽の生えた大きめのアブラムシを1匹発見しました。最近は暖かい日が続いているからか、活動を始めたようです。

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 ソラマメの新芽には、とてつもない量のアブラムシが発生します。そこで対策として、各枝の先端部を摘芯しました。摘芯をしても花は10段ほどあるので、収穫量に影響はないでしょう。

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 最後に農薬を予防散布してアブラムシ対策は終わりです。あとは収穫まで待つだけです。

 

2022年4月16日 サヤ8cm(発芽から153日目)

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 最上段まで開花しました。摘心をしていますので、これからは遠目で見た時の変化はなくなりそうです。

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 今までは上を向いていたサヤは、だんだんと地面と平行になっていています。現在の長さは8cmです。調べたところによると、この品種はヤサのサイズが15~20cmとなるとのことです。本当にこれからあと2倍大きくなるのでしょうか?

 

2022年5月1日 たくさんのサヤ(発芽から168日目)



 全ての花が開花し終わりました。これからはサヤに栄養を貯める期間に入ることでしょう。


 サヤは全部で30本くらいありそうです。上を向いているもの、水平のもの、完全に下向きになっているものが混在しています。


 最初の方にできたサヤはぷっくりと膨らんで、艶が出てきています。もう収穫しても良い気がしますが、外皮が少し茶色を帯びるまで待ちたいと思います。

 

2022年5月7日 収穫予定(発芽から174日目)



 遠目からの姿はほぼ変化しなくなりました。 


 育っているサヤですが、家族から早く食べたいとの依頼がありました。豆は朝に収穫した方が美味しいとの話を聞いていますので、明日起きてすぐに採りたいと思います。

 

2022年5月8日 収穫(発芽から175日目)


 現在、朝の7時半です。それでは早速収穫を始めます。十分に太っているサヤを選び、ハサミで切っていきます。


 まずは初回の収穫が完了です。4本が採れました。


 収穫の目安として、サヤの背が黒くなったら採る方法があります。今一基準が分かりにくいのですが、これは黒い内に入るのでしょうか?


 サヤを開けると綺麗な黄緑色の豆が入っていました。サイズは特大とは言えませんが、十分に大きいです。


 お歯黒部分はまだ色付いておらず、もう少し栽培しても良さそうな感じです。


 収穫したての豆を茹でてみました。火の通りは非常に早かったです。皮を剝いて口に入れると、鼻に抜けるソラマメ特有の香りが強いです。味もしっかりとしており、食味はホクホクとしっとりの中間でした。ソラマメの水耕栽培は成功したと言って良いでしょう。


 収穫していた時に発見したのですが、水分が抜けてブヨブヨになったサヤがありました。改めて確認すると、人差し指サイズ以下のサヤは、ほぼこの状態になっていました。もしかしたら大きなサヤに栄養を取られてしまったのかもしれないです。このようなサヤは大きくならないと思うので、全て切り取ってしまいました。サヤの数がかなり減りましたが、今あるサヤの品質向上に期待をします。

 

2022年5月15日 全収穫(発芽から182日目)



 ソラマメの全体写真は前回と大きな違いはありません。しかし何となく調子が悪いです。以前は1日1回の液肥補充をしていたのですが、ここ数日は晴れの日でもあまり液肥を吸っていないのです。


 その他の変化としては、葉の緑色が抜けて部分的に黄色くなるものが出てきたことです。もしかしたら根の調子が悪くなった可能性があります。


 この状態のまま置いていても回復する見込みはないと思います。サヤは十分に太っているので、全てを収穫して栽培を終えてしまいましょう。


 今の付いているサヤを採ったところ、全部で24本でした。前回の4本を加えると、1株から28本が収穫できたことになります。8Lの栽培装置で育てたことを考えると、悪くはない結果だと思っています。
 これらのサヤは皮付きのままグリルで焼いて、熱々を食べました。どの豆も立派なサイズで食べごたえがありました。


 片付けをしている途中で根を撮影しました。液肥に浸っていた最下部の根は白っぽい茶色で、常に空気と触れていた部分は焦げ茶色となっています。色は悪いものの、根の痛みや液肥からの腐敗臭はありませんでした。急に液肥を吸わなくなった理由は分からず仕舞いですが、もしかしたら株の寿命だったのかもしれないです。


 ちなみに根粒は根の上層部分、つまり液肥と浸らない部分にのみありました。やはり空気と触れ合っている部分にのみ根粒ができるようですね。

 

まとめ


 今回はソラマメの水耕栽培を行いました。昨年の秋に種を蒔き、寒さに強い幼苗の状態で冬を越しました。春になると急成長し、初収穫は発芽から175日目、収穫したサヤの合計は28本となりました。前回のソラマメ栽培は根腐れにより失敗となったので、今回は成功して良かったです。

 この記事がソラマメの水耕栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。