2022年1月にタアサイの種を蒔き、春になるまで育てました。タアサイは大株になると聞いていたので楽しみにしていたのですが、思ったよりもトウ立ちが早く、不完全燃焼のまま収穫となってしまいました(参考記事:1月からタアサイ(ターサイ)の水耕栽培をしています。ビニールハウスで育苗した後に装置へ定植する予定です)。
トウ立ちの原因は、低温に一定期間当たったことです。確かに一年で最も寒い1月に種蒔きをしたのですから当然とも言えます。そこで今回は秋からの栽培を試みようと思います。この方法ならば暖かい気候の時に育てられるので、十分に大きくなってくれそうです。それではタアサイ栽培の再チャレンジを始めましょう。
- 栽培装置
- 液体肥料
- アオムシ・イモムシ対策薬
- 2022年8月24日 種蒔き
- 2022年8月27日 発芽(発芽から0日目)
- 2022年9月3日 1回目の間引き(発芽から7日目)
- 2022年9月11日 2回目の間引き(発芽から15日目)
- 2022年9月28日 植え付け(発芽から32日目)
- 2022年10月16日 定植の成功(発芽から50日目)
- 2022年10月31日 葉の縮みは正常(発芽から65日目)
- 2022年11月13日 初収穫(発芽から78日目)
- 2022年12月6日 調子が悪い(発芽から101日目)
- 2022年12月25日 状態が少し改善(発芽から120日目)
- 2023年1月9日 子株の収穫(発芽から135日目)
- 2023年1月23日 花芽を発見(発芽から149日目)
- 2023年1月29日 最終収穫(発芽から155日目)
- まとめ
栽培装置
栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にして組み立てました。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
アオムシ・イモムシ対策薬
葉物野菜の天敵は葉を食害するアオムシ・イモムシです。もし葉を食べられているようでしたら、退治薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」を散布します。希釈倍率は1000倍とし、葉に定着しやすいように展着剤(商品名:ダイン)を加えます。
2022年8月24日 種蒔き
8月末とは言え、まだ日差しが強い日が多いです。そのため栽培装置に直接種を蒔かず、移動させやすいポリポットで育苗させます。
3号ポリポットに培地であるバーミキュライトを入れ、液肥で湿潤させました。ここにタアサイの種を5個置き、3mmの厚さとなるように覆土を行いました。なお、培地上面に取り付けているドーナツ状の物は、アルミ蒸着保温シートです。土と比べてバーミキュライトは乾燥が早いので、水分の蒸発防止として乗せています。
このポリポットは半日陰の場所に置いて、発芽するのを待ちます。
2022年8月27日 発芽(発芽から0日目)
双葉が開きましたので、本日を「発芽から0日目」として記録をしていきます。発芽率は100%と非常に良好な結果となりました。
2022年9月3日 1回目の間引き(発芽から7日目)
全ての種が発芽してしまったので、株同士が混み合ってしまっています。このタイミングで1回目の間引きを行いましょう。
成長の悪いものをハサミで切り取っていきます。
5株→2株にして作業の終了です。本葉が大きくなるのを待ちましょう。
2022年9月11日 2回目の間引き(発芽から15日目)
本葉が大きくなり、立派な株となりつつあります。この2株のうち、成長の良い株を残して大株にしていきます。
どちらも同じ成長具合でしたが、若干茎が太かった左の株を選びました。今後はポリポット全体に根が回るまで育苗します。
2022年9月28日 植え付け(発芽から32日目)
株の幅がポリポットと同じ9cmとなりました。順調に育っています。
アオムシ・イモムシ退治薬を定期的に撒いているからか、今のところ大きな食害は出ていません。早く産卵シーズンが終わってほしいものです。
根の張り具合を確認すると、培地全体に回っているようです。今が定植するにはベストな時期です。それでは栽培装置に植え付けましょう。
株元がザルの中心となるよう置き、周りをバーミキュライトで埋めました。そして液肥で十分に湿潤させます。
これで植え付けの完了です。タアサイの成長は早いので、次の報告ではどのような姿になっているのか楽しみです。
2022年10月16日 定植の成功(発芽から50日目)
定植から18日が経過しました。株は見違えるほど大きくなっており、これからの成長にも期待ができそうです。
先日、数十年に1度の寒さがやってきました。10月であるにも関わらず、昼間の気温が12℃を下回ったのです。急激な温度変化で成長点にダメージを受けたのか、葉に縮れが発生してしまいました。ただ、今後は平年気温に戻るらしいので、また平たい葉が生えてくると思います。
2022年10月31日 葉の縮みは正常(発芽から65日目)
前回「葉に縮みがある」と報告をしました。しかし種袋の写真を確認すると、こちらにも縮みががあるように見えます。おそらくこの状態で正常なのかもしれません。
茎は十分に詰まっており、緑色も濃いです。まだ気温が高いのか、ロゼッタ状になる気配はありません。いつからかき取り収穫を始めるのか悩むところです。
2022年11月13日 初収穫(発芽から78日目)
株は十分に成長しており、もう収穫できるサイズになっています。早速収穫を…と思っていたのですが、葉の一部に食べられた跡を発見してしまいました。
このように葉先の1/3が大きく刈り取られています。また株元には直径2mmほどの糞がたくさん落ちていました。おそらくイモムシがいるので、葉の裏を見て探していきます。
見つけました。今回のイモムシはモンシロチョウの幼虫とは異なり、身体に棘の様なものがあります。
捕まえたので観察しましょう。全体は明るい緑色で、頭からお尻にかけて白い線が入っています。ちなみに頭は右側になります。この画像で検索したところ、「ウリキンウワバ」と呼ばれる蛾の幼虫かもしれないです。このイモムシの他に同サイズのものがもう1匹いたので捕殺しておきました。
イモムシもいなくなったので安心して収穫ができます。外の葉を中心に切り取っていきます。
今回は15枚くらいを採りました。量があまりないので、この葉は味噌汁に入れたいと思います。
収穫後の株は一回り小さくなりました。再び成長したら収穫を行っていきます。
2022年12月6日 調子が悪い(発芽から101日目)
ターサイの調子が悪いです。成長が極端に遅くなり、さらに株全体が縮こまって葉が外に開いて行かないのです。
そして外葉はだんだんと枯れてきています。根を見てもダメージがある気配はなく、今のところ原因が分かりません。とりあえずは傷んでいる葉を全て切り取っておきました。
また調子が悪いとは関係ないですが、頭頂部にあった成長点が自然消滅し、いくつかの脇芽が成長してきました。ターサイはある程度の大きさになると成長点がなくなる野菜なのでしょうか?
正直に言うと、ターサイは思っているような成長をしてくれません。来週再来週と様子を見て、これからの栽培をどうするか考えようと思います。
2022年12月25日 状態が少し改善(発芽から120日目)
数日前に傷んでいた葉をさらに取り除きました。その結果、日当たりが改善したようで、目に見えて株の状態が良くなってきました。
この多頭化してしまったタアサイですが、それぞれの子株がお互いを邪魔しているため、成長スペースが不足している様です。そのためもう少し成長させたら、一部の子株を収穫して空間を開けたいと思います。
2023年1月9日 子株の収穫(発芽から135日目)
2週間前と比べて少しだけ成長しました。やはり寒すぎると葉の伸びるペースが落ちますね。
子株の葉はツヤツヤとしており、とても美味しそうです。それでは予定通り、本日収穫したいと思います。
スペースが開くように子株を切り取っていきます。
まずは1番大きな子株を収穫しました。緑色は濃く、形は上から潰した小松菜みたいです。この調子で他の子株も採ります。
大小合わせて5株が収穫できました。これらは野菜炒めの具材などに使っていきます。
こちらが収穫後の先端です。やはり以前にはあった成長点がなくなり、その結果として子株が成長しできたのでしょう。
収穫後の株が上の写真となります。成長があまり良くなかった3個の子株を残しました。これらも日数がたてば、今回収穫したくらいのサイズに成長してくれるはずです。日当たりの良い場所に置いて大きくなるのを待ちます。
2023年1月23日 花芽を発見(発芽から149日目)
スカスカだった子株同士の隙間が詰まってきました。良い具合に成長しています。
ただ、何故か中心部から出てくる葉に艶がなくなってきました。何が起きているのだろう?と思っていたら、花芽を見付けてしまいました。
分かりにくい写真ですが、成長点に葉とは明らかに違う形の蕾があります。確認すると、収穫せずに残しておいた3個の子株全てに蕾がありました。このままにしておくと茎が伸びて葉が固くなってしまうので、次の休日に収穫して栽培を終了しようと思います。
2023年1月29日 最終収穫(発芽から155日目)
蕾を見つけてから1週間がたちました。子株の外葉が少し枯れてきていますが、これは食べられないので取り除いておきましょう。
蕾は前回と同じ大きさのままです。トウ立ちが始まらなくて良かったです。
それでは最後の収穫をしましょう。残した3つの子株を切り離していきます。
これで収穫が完了しました。意外と大きく成長したので、食べごたえがありそうです。
後学として子株が付いていた「頭」の部分を写真に撮りました。茎が逆円錐状に伸びており、この写真だけだとタアサイとは分からない姿となっています。栽培中に多頭化することは今までになかったので、貴重な体験ができたのかもしれないです。
まとめ
今回はタアサイを秋に種蒔きして育てました。大きな株になることを期待していましたが、途中で成長点が消えてしまい、多頭状態での収穫となりました。多頭となった原因は不明であり、本来の美しい葉の重なりが見れなかったのは残念です。ただ味は変わらなかったので、良しとしましょう。もし次に育てることがあれば、本来の姿で成長してくれると嬉しいです。
この記事がタアサイ栽培のお役に立てると幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。