状態の悪いハオルチア「ブラックベルディアナ」と「光るオブツーサ」を購入したので復活させます。植え替えて室内栽培しましょう


 ホームセンターに行ったところ、植物コーナーにハオルチアが置いてありました。ハオルチアとは多肉植物の一種で、品種によっては、葉先に「窓」と呼ばれる透明な部分を持っています。光にかざすとこの窓が浮かび上がって非常に美しく、中には何十株も集めている人もいます。

 売り場にはこのハオルチアが5〜6種類も販売されており、少し心が踊ってしまいました。しかし近付いてよく見ると、とても大きな問題があったのです。どうやら入荷からかなりの日数が経過しているようで、どの鉢も状態が悪かったのです。あるものは形が崩れており、あるものはシワシワで、あるものは紫色になっていました。価格は1鉢200円とは言え、この状態では手に取ってくれる人はいないでしょう。

 ただ、ハオルチアはかなりの酷い見た目になっても、上手く栽培すれば再び美しい姿に戻ります。そこで好みの形になりそうだった

・ブラックベルディアナ
・光るオブツーサ

の2種類を購入してきました。光るオブツーサは軽い脱水症状ですが、ブラックベルディアナは外葉は枯れており、色も全体的に汚らしい緑色です。

 今回の栽培では、状態の悪いハオルチア2種類の復活を試みます。どちらの品種も我が家にはないタイプの姿なので、上手く育てて仲間にできたらなと思います。それでは早速、新しい用土に植え替えましょう。

 

 

 

 

2022年11月28日 植え替え(0日目)

 
 まずは購入した株の状態を見ていきましょう。上の写真が「ブラックベルディアナ」です。別名『羽衣』とも呼ばれています。
 外縁部の下葉は完全に枯れており、カサカサとしています。また水分が少ないのか、どの葉も薄いです。指で軽く押しても反発力はなく、張りも全くありません。本来の株の色はライトグリーンのはずですが、今は紫と緑を混ぜたような、くすんだ色となっています。



 こちらが「光るオブツーサ」です。ブラックベルディアナと比べるとマシな状態と言えます。軽い脱水状態で葉に凹みがありますが、比較的早く回復しそうです。ちなみに、何故か1本の根が鉢の外に飛び出していました。


 それではこれらの2株を復活させていきましょう。まずは鉢から抜いて用土を落とし、根の確認をします。光るオブツーサの用土は完全に水分がない状態でした。


 鉢の大きさの割にはやたら重いな、と思っていたのですが、用土は砂主体でした。ここに少量の籾殻くん炭などが入っている感じです。



 用土を軽く落とした根です。どちらの株も中身が無くなってスカスカの根が多いです。手で引っ張ると簡単に切れる根は取っておき、また枯れている下葉も取り去っておきます。



 同じく株に見えますが、上の写真が光るオブツーサで、下がブラックベルディアナになります。根を整理した結果、3〜4本しか残りませんでした。


 次に、根や葉の間に入っている用土を落とすため、流水で洗い流します。冷たすぎる水はダメージがあると考え、35℃のぬるま湯で洗いました。



 植え替える用土は、軽石:鹿沼土:赤玉土(いずれも小粒)を2:1:1の割合で混ぜ、ふるい掛けして微塵を取り除いたものを使います。



 この用土を使ってそれぞれの株を植え付けました。元肥は入れておらず、また水は鉢底から出るまで与えました。鉢は再利用しましたので、用土だけが入れ替わっている事になります。なお、鉢のサイズは2号(直径6cm)です。
 これらの株は室内の南向きの窓辺に置き、レース越しの光を当てます。日に当たる時間は朝〜11時で、最大照度は15000lx程度です。水やりは鉢の重量が軽くなったら、水道水を鉢底から出るくらいまで行います。


 夜間に関しては株をビニール袋に入れて息を吹き込み、口を縛ります。朝になったら袋から取り出して、窓辺に移動させます。夜間の空中湿度と二酸化炭素濃度を高めることにより、株の復活を早められるかもしれません。変化があるまでは、この施策を行っていきます。

 

2022年11月30日 変化あり?(2日目)


 植え替えてから2日目となりました。夜間の室内撮影なので発色が悪いですが、ブラックベルディアナの緑色の部分が少しだけ増えた気がします。光るオブツーサは変化がまだ見られないです。

 

2022年12月4日 緑色が戻りつつある&発根(6日目)



 植え替えから6日間が経過しました。ブラックベルディアナの見た目が明らかに変わってきました。


 購入当初は葉の大半が紫色でした。しかし今は株元内部から緑色が戻りつつあります。


 と言っても外葉や葉先はまだ紫色が強いです。時間の経過と共に改善してくれることを祈りましょう。


 光るオブツーサにも変化がありました。萎れ気味だった葉が少し膨らんできたのと、


根と葉の間からから白い突起物が下へと向かって伸びてきたのです。色と形から考えると、これは根だと思います。どちらの株も順調に回復しているようです。

 

2022年12月12日 全体が緑色になる(14日目)



 光るオブツーサは大きな変化がありませんが、ブラックベルディアナはかなり状態が良くなってきました。


 ブラックベルディアナの外葉も緑色に変わり、本来の美しさを取り戻しつつあります。あとは葉先まで均一な色になるのを待つばかりです。


 光るオブツーサの株元にあった根はそのまま伸びて、用土の中に潜っていきました。地上部の見た目は同じでも、地下では色々な変化が起きているのかもしれませんね。

 

2022年12月25日 見た目の変化が少なくなる(27日目)



 植え替えから約1ヶ月が経過しました。以前と比べると、どちらの株も見た目の変化が少なくなってきています。そのため数日前から夜間のビニール袋に入れる作業は止めています。



 それぞれの株を真上から撮影してみました。太陽光の下だと、葉のグリーンが綺麗ですね。

 

2023年1月1日 光るオブツーサの回復終了(34日目)



 光るオブツーサの回復は終わったようです。タイミングを見て、一回り大きいサイズの鉢に植え替える予定です。
 写真では伝わらないのですが、ブラックベルディアナは葉の厚みが増しており、軽く押すと反発力を感じるようになりました。こちらの株はもう少し観察を続けましょう。

 

2023年1月22日 突起の透明化(55日目)



 ブラックベルディアナの葉が開いてきました。睡蓮のような姿で美しいです。


 ブラックベルディアナには葉の側面に柔らかい棘に似た突起があります。今までは脱水のために萎れ気味でしたが、ようやく復活してきました。艶と張りが出てきて、更に透明度も高くなってきています。完全回復も近いでしょう。

 

2023年2月12日 蕾の発見(76日目)



 どちらの株も大きさには変化がありません。ただ、光るオブツーサの中心を覗くと、蕾らしきものが出かかっています。


 分かりにくいですが、写真中央部にある小さな突起が蕾です。あまり成長していない株でも花芽は付くようですね。花を咲かせると体力を消耗してしまうので、花茎がある程度まで伸びてきたら切り落とそうと思います。


 ブラックベルディアナの葉が透明になってきたので、太陽光で透かしてみました。葉先の窓と線状に伸びる緑色が美しく、神々しさを感じますね。ここまで回復してくれて、とても嬉しいです。

 

2023年3月7日 植え替え(99日目)



 最近、成長が止まっていた光るオブツーサですが、だんだんと調子が上がってきました。


 葉の表面は張りと艶が出てきており、緑色も鮮やかになった気がします。ここ最近は晴れた暖かい日が多く、室温は20℃前後まで上がっています。この気温が成長開始の合図になったのでしょう。


 ブラックベルディアナは枯れる葉もなく、常に調子が良いです。


 どちらの株も成長が始まっているので、一回り大きい鉢に植え替えたいと思います。使う鉢は2.5号のスクエアポットです。



 それぞれの株を鉢から抜きました。光るオブツーサは太い根が出ており、購入時とは比べると見間違えるほどになっています。一方でブラックベルディアナは葉の展開量を考えると、根が細くて量が少ない気がします。


 植え付け用土は以前と同じ配合割合のものを使用し、根の付近には緩効性肥料(マグアンプK 中粒)をひとつまみ分撒きました。



 これで植え替え作業の完了です。再び室内の明るい窓辺に置いて成長するのを待ちます。

 


多肉植物:ハオルチア 光るオブツーサ*S

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