葉物野菜を水耕栽培していると、高確率で害虫の被害を受けます。特にアオムシ(イモムシ)は厄介であり、たった数日で葉を穴だらけにされてしまいます。対策として農薬の散布がありますが、使用回数に制限があるのと、長期間効き続けるものが少ないのが欠点です。その他の方法としては、チョウが物理的に近付けないように野菜をネット(網)で覆ってしまう手があります。卵を産み付けられないため、アオムシの被害がなくなるのです。
私は以前から栽培装置に支柱を立て、その上から不織布を被せることでチョウの産卵を防いでいました。ただこの方法だと植物の様子を見るたびに裾を開けたり縛ったりと面倒です。そこで今回は栽培装置全体をすっぽりと覆ってしまう「防虫カプセル」を作りました。材料は100円ショップで購入した洗濯ネットと洗濯カゴです。組み立て方は簡単で、一部を切り取った洗濯カゴを洗濯ネットの中に入れるだけです。洗濯ネットの目は細かいので、チョウ以外の害虫も防げるのが利点です。それでは作り方を紹介します。
こちらが今回は使用する洗濯ネットと洗濯カゴです。洗濯ネットは円柱型をしており、サイズは直径38cm 幅50cmです。洗濯カゴは折り畳み式の物で、洗濯ネットの中に入れられる大きさのものを選びました。商品のタグを撮影しましたので参考にして頂ければと思います。
洗濯ネットの網の目は1mm程度です。この細かさであれば、チョウを完全にシャットアウトできます。
洗濯カゴは折りたたみ式であり、組み立てると写真の様になります。四方はネットが張られており、底面は布となっています。まずはこの洗濯カゴを加工していきます。
洗濯カゴには取っ手がありますが、不要なのでハサミでカットします。
また側面の1つも切り取ってしまいます。4面全てを切り取っても良いとは思いますが、強度が下がるかもしれないため、今回は1面だけにしています。
洗濯カゴの加工はこれで終わりです。あとは組み立てになります。
洗濯カゴを折り畳み、洗濯ネットの中に入れます。そして洗濯カゴを展開して、ファスナー部分に切り取った面が来るように位置を調整します。
これで防虫カプセルの完成です。横置きだけではなく縦置きにもできる点が気に入っています。
植物の出し入れは、ファスナーを開けて行います。出し入れ口があまり大きくないので、葉を引っ掛けて折らないように気を付けましょう。
この防虫カプセルのメリットとしては、洗濯ネットの目が細かいので、チョウが飛来してきても中に入れない点です。またファスナーを開けっ放しにしない限りは隙間もないため、ナメクジやバッタと言った地面から来る害虫からも防御ができます。
デメリットとしては網目より細かい虫、例えばハダニやアブラムシには効果を発揮しにくい点です。これらの害虫を食べてくれる益虫は中に入れないので、仮にアブラムシが侵入してしまったら爆発的に増える可能性があります。防虫カプセルの中だからと言って安心はできないです。
最後に、防虫カプセルの中と外で照度の測定をしました。太陽光は洗濯ネットと洗濯カゴの網に遮られてしまうので、カプセル内の明るさは低くなるでしょう。そのため照度計を使って、実際に測定を行いました。
晴れの日に計測した結果、外が6.9万lxに対してカプセル内では5.7万lxでした(測定日時:2023年2月26日10時頃 天候:快晴 )。この作成した防虫カプセルは、外と比べて内部の明るさが2割ほど低くなるようです。このことを念心に留めて、設置場所や野菜を選ぶと良いですね。
まとめ
今回は洗濯ネットと洗濯カゴを組み合わせて防虫カプセルを作りました。どちらも100円ショップで購入したので、総額200円と格安でできました。今後はこの防虫カプセルを使って、実際に野菜を育ててみたいと思います。
この記事が皆様の園芸ライフのお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。