ヒーターを使って「育苗器」を自作。さらに室内で双葉が緑色になるまで育てました

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 種が発芽するためには適切な温度が必要です。これは植物の種類によって異なっており、ホウレンソウならば15〜20℃、キュウリですと更に高い20〜25℃となります。もちろん発芽適温から外れても芽は出ますが、時間がかかったり発芽率が低下してしまいます。

 種蒔きは暖かくなる春に行うことが多いです。これは野菜の発芽適温が、春の気温と同じだからです。できるだけ早く収穫をしたい私は、初春に種を蒔くことを考えました。しかしあまりにも早すぎると気温が低くて発芽しないおそれがあります。そこで加温によって発根や発芽を早める、「育苗器」を使うことを考えつきました。

 ヒーターと容器が一緒になった育苗器は、もちろん販売されています。しかし価格が1万円近くもするのです。自分のようにベランダで数株を育てるために買うには高すぎる商品です。そこで色々と調べた結果、薄い板状のヒーターを発見しました。これを使えば育苗器を自作できそうです。今回は材料を集めて育苗器を作り、双葉が出るまで実際に育ててみました。

 

 

 

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 これが手に入れたヒーターです。下敷きをさらに薄くしたようなぺラペラさです。本来の使い方は、ハムスターなどの小動物が冬を快適に過ごせるように床に設置するものです。

 

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 電源コードの途中には、温度を調整するコントローラーがあります。ただ、つまみの形が独特なので少々使いにくいです。

 それではこのヒーターを使って「育苗器」を作ってみましょう。用意するものは以下の材料です。

  • 5Lのプラ容器
  • ラップ
  • 保温材(発泡スチロール、フリースの洋服)

 

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  まず始めに、容器の蓋を縁だけ残して切り取ります。次に容器本体の一部を切り取り、電源コードが通るように加工します。中にヒーターを入れ、ラップをかぶせて蓋をします。

 

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 さらに熱を逃さない工夫として、床に発泡スチロールの板を敷き、容器の上にはフリースでできた洋服を被せます。これで育苗器の完成です。

 

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 試しに温めてみましょう。ヒーターの電源を入れ、温度コントローラーのつまみを中ほどにして待ちます。すると育苗器の内部は25℃を越えました。外気温は15℃ですので、良い具合に効いているようです。

 

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 それでは実際にこの育苗器を使って、野菜を双葉が出るまで育ててみようと思います。今回、栽培するのは「二十日大根」です。

 液肥で湿らせたバーミキュライトに種を蒔き、育苗器の中に入れます。そして温度が20℃前後となるように調節をしました。また比較対象として、ヒーターを入れず、さらに保温をしないものも用意し、12℃前後の暗い場所に置きます。これで育苗器の効果が検証できるはずです。

 

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 種を蒔いてから3日が経過しました。ヒーターを入れていないものは、種を蒔いた時と変化はありません。

 

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 一方で育苗器の方は発芽し、クリーム色の双葉が見えてきています。やはり加温した効果はあったようです。

 

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 芽が出ましたので、保温材を外して光を当てていきます。窓辺に置いても良いのですが、今の季節は寒いため育苗器内部の温度が下がってしまいます。そこで使うのが、過去に作成した「一斗缶水耕栽培装置」です。この中に育苗器ごと入れて、植物栽培用LEDで光を当てて育てていきます。

《参考記事》一斗缶で水耕栽培装置を自作。穴開け工具費込みでも3000円台でできました

 

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 12時間光に当てたところ双葉は開き、鮮やかな緑色に変化しました。

 この結果より、気温が低く発芽しない気候でも、自作の育苗器を使えば十分に発芽温度まで加温できることが分かりました。市販品よりは作りが雑ですが、それでも機能は十分に果たしてくれています。春に向けて、まずはこの育苗器を使って苗を育ててみようと思います。

 

この商品を使って育苗器を作成しました。開放状態で使うとあまり温かみは感じませんが、容器の中などで電源をオンにすれば確実に温度が上昇します。値段が安い割には温度を調節できる機能があるので、おすすめの商品です。

 

植物は太陽の光だけではなく、ピンク色の人工光でも育つことができます。この植物成育ライトはLEDですので消費電力が低いのが特徴です。上手に使えば、野菜を室内で育てることも可能になります。