土耕栽培のキャベツ苗を水耕栽培装置に移植。上手く育ってくれるかドキドキです

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 今年の秋には「キャベツ」を水耕栽培しようと前々から計画をしていました。キャベツの株は巨大になりますが、これを5Lサイズの栽培装置で育てられるか試してみたかったのです。

 私が野菜の種を仕入れる先は100円ショップが多いです。先日、最寄り駅の店舗に行ったところ秋野菜の種が入荷されていました。もちろんキャベツも種あります。念のため買う前に種袋に書いてある栽培方法を見たところ、何と収穫は翌年の春と書いてあるではありませんか。てっきり今種蒔きをすれば11月くらいに採れると思っていました。

 一旦家に帰り改めて調べると、キャベツは夏蒔きだと秋収穫、秋蒔きだと翌春収穫なことが分かりました。さらに悪いことに、今の時期は季節の変わり目で種蒔きには適していないのです。完全に出遅れました。がっかりとしたその時、頭の中に良い案が思い浮かびました。ホームセンターで売っている『苗』を水耕栽培したらどうか?ということです。

 売っている苗を使えば種蒔き〜苗作りまでの1ヶ月ほどを短縮できますので、秋には収穫できるでしょう。また以前メロンを育てた際に同じような方法を使いました(参考記事:【病気で撤収】水耕栽培で「ニューメロン」作りにチャレンジ!甘くなるように祈りながら育てています)。この経験から考えるに、土耕栽培をしている苗を水耕栽培にしても大丈夫な気がします。

 この記事では、ホームセンターで売っている土耕栽培のキャベツの苗を水耕栽培装置に移植して育てます。少し不安ですが、この移植が成功すれば様々な野菜に応用できるでしょう。それではホームセンターに苗を買いに行ってきます。

 

 

 

 

キャベツの苗

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 今回使用するキャベツの苗は、ホームセンターで1株80円くらいで購入しました。品種は『しずはま1号』です。この品種をネットで検索すると、

特性

  1. 高温肥大性の優れた葉深系に春系を一部組み入れた初夏~夏まき用の秋どり種。春まきもできる。
  2. 萎黄病抵抗性をもち、黒腐病にも強く、耐暑性もあって育苗、栽培は容易。
  3. 肥大性、耐圃性に優れ収量が多い。家庭菜園用にも好適。
  4. 甲高扁円球で球揃いよく、定植後60~65日で1.2~1.3kg、70日余りで1.5kgに肥大する。
  5. 葉色は明るい緑色、葉の波打ちは少ないが、葉質は柔らかく、食味が大変よい上質種。

 

出典:有限会社石井育種場(しずはま1号)

とのことです。
 苗には本葉が6〜8枚があり、この状態からスタートできると、収穫までの期間が短くて育てるのが楽ですね。

 

栽培装置

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 今回利用する栽培装置は、容量が5Lの容器の蓋に直径5cmの穴を開けただけのシンプルなものです。スポンジを使ってこの穴に苗を固定します。
 装置の四隅から伸びているのは、防虫ネットを掛けるための支柱です。キャベツは横に大きく広がるのでいつまで使えるかは分かりませんが、限界までネットの中で育てたいと思います。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。この液肥の素は、名前の通り粉状です。水に溶かしても溶けない成分がありますが、これで大丈夫です。溶け残りごと栽培装置の中に入れましょう。 

 

2019年8月25日 移植(移植から0日目)

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 水耕栽培装置に苗をセットするにあたり、まず根の周りの土を取り除きます。

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 バケツに水を張り、その中で土をほぐしていきます。揉むと根が切れてしまうので、指で突くようにして優しく崩すと具合が良かったです。

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 土は完全には取れませんので、ある程度落ちたのを確認して水から引き上げます。

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 そうしたら株元を食器洗い用スポンジで挟み、栽培装置の穴に差し込みます。

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 栽培装置には縁ギリギリまで液肥を入れて、できるだけ根が浸るようにしました。
 今回は2株を同時に育てていきます。もし片方に何かあっても、もう片方は収穫できるようにバックアップ体制を整えます。

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 最後に害虫が入らないよう不織布を被せて移植の完了です。この状態で明るい日陰に2〜3日置いて養生し、その後日光の下に出す予定です。

 

2019年8月31日 定着(移植から6日目)

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 現在2つのキャベツを育てていますが、写真の都合上こちらの株をメインで記録していきたいと思います。
 苗を移植をしてから3日間を日陰での養生期間とし、その後は日なたに移動させました。太陽に当たっても極端に葉がしおれることもありませんでしたので、土耕から水耕への移行は上手くいったようです。

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 先週と比べると茎が成長し、新しい葉も数枚出てきました。

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 液肥槽はこの様になっています。移植後に伸びたであろう白い根が何本も漂っています。もう少し根の量が多くなれば、成長も早くなりそうですね。

 

2019年9月1日 ぐったり気味(移植から7日目)

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 上手く定着したと思いきや、ちょっとぐったり気味になってきました。今日は薄曇りの天気ですが、それでも水の吸収が間に合っていないようです。やはり根のダメージはまだ残っているのでしょう。頑張って新しい根を伸ばしてほしいです。

 

2019年9月7日 病気にかかる(移植から13日目)

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 先週と比べると、葉が数枚増えた気がします。成長は問題なく進んでいると思いきや、実は病気を患ってしまったかもしれません。

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 葉を持ち上げて株元を見ると、一部分がこのように茶色になっているのです。これは洗い残しの土ではなさそうです。拡大してみましょう。

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 どうも茎の表皮が腐っているようです。茶色い液がスポンジに移っているのが見て取れます。指で触って匂いを嗅いでみましたが、特に腐敗臭はしませんでした。この症状をネットで調べると「根朽(こんきゅう)病」に近いものがあります。

キャベツ根朽病

 生育全期間にわたって発生するが、幼苗期から生育前期に発生すると被害が大きい。苗では茎葉に黒色小斑点を生じ、水浸状になり速やかに軟化、枯死する。本圃に定植後では、地際部の茎に黒褐色小斑点を生じ、次第に拡大して灰緑色を呈し、細くくびれる。地下部の茎と根も侵されるので、日中葉が萎凋し、茎の細くなった部分から折れて倒伏・枯死する。葉・茎・葉柄では、初め紫褐色の小斑点を生じ、やがて拡大して円形、灰緑色の大型病斑を形成する。病斑は乾燥して潰瘍状を呈し、黒色小斑点を多数生じる。

出典:タキイ株式会社 キャベツ根朽病

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 根朽病の治療薬を調べると、手元にある「ダコニール1000」が使えそうです。この薬を1000倍となるように水道水で希釈しました。

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 そしてキャベツに散布していきます。農薬なのでもちろん手袋は必須です。

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 ここで一つ失敗したのに気付きました。それは薬の付きを良くする「ダイン(展着剤)」を入れ忘れてしまったことです。キャベツの葉は新葉になるほど撥水性が良いので、コロコロと転がって地面に落ちてしまいます。今回は多めにスプレーしてどうにかなりましたが、次回からはしっかりと添加したいと思います。
 また、もしかしたら液肥に病原菌がいるかもしれないので、念のため全交換を行いました。今できることはこのくらいです。完治するのを祈りましょう。

 

2019年9月14日 症状の改善(移植から20日目)

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 一週間が経過し、キャベツは見るからに大きくなりました。育った葉が装置からはみ出そうなので、もうそろそろ防虫ネットの中での栽培は難しくなりそうです。

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 中心部からは次々に新しい葉が出てきています。

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 前回の姿と大きく違うのは「茎の太さ」です。特に先端部分が太くなっています。この位置でキャベツができるのでしょうか?

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 ところで根朽病っぽい患部は、今こんな感じとなっています。先週この部分は、どす黒い緑色で、ドロドロとしていました。今は薬を撒いたおかげで、乾き気味の明るい茶色となっています。症状は改善傾向にあるようです。

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 液肥槽の根は、地上の大きさの割に少ないです。
 一時は病気のために撤収も考えられましたが、どうにか良くなって一安心です。やはり薬の力は偉大です。まだまだ栽培は続きますので、今後も注意深く見守っていきたいと思います。

 

2019年9月22日 葉が丸まる(移植から28日目)

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 キャベツは大きくなりましたが、ぎりぎり防虫ネットの中に収まっています。株元を腐らせていた病気も治り、順調に成長を続けています。葉の裏面には赤いハダニがいましたが、まだ特に目に見える被害はありません。もし何かあれば薬でも撒こうかと思っています。

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 茎の上部はさらに太くなりました。今では指先と同じくらいになっています。

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 最近出てきている新葉は、内側に丸まるように伸びています。だんだんと結球に向かっているのでしょう。調べたところによると、この葉の丸まりは表面よりも裏面が早く成長するために起きるそうです。
 予定収穫日まであと40日ほどです。このまま上手く結球してくれると嬉しいです。

 

2019年9月28日 防虫ネットを外す(移植から34日目)

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 朝晩が涼しくなり、キャベツの成長がだんだんと早くなってきました。苗を移植してからずっと防虫ネットの中で栽培していましたが、もう限界です。これからは外して育てていきます。

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 全体を見渡すと、上から2/3までの位置にある全ての葉が上方向に丸まっています。

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 中心部の葉は垂直に立ち上がり、生長点は完全に見えなくなってしまいました。きっと中では新しい葉が育っていることでしょう。

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 こちらの写真は液肥槽になります。溶液に浸かっていない根からは、綿のような細い根毛が大量に出ています。

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 キャベツは大きくなりすぎて、もう防虫ネットの中では育てられません。これからはネットなしで育てるのですが、キャベツはアオムシの大好物です。きっとすぐに蝶が卵を産み付けにくるでしょう。
 そこで昨年、アオムシ退治に劇的な効果があった「ゼンターリ顆粒水和剤」を予防的に散布しておきます。薬の成分は微生物から抽出した物質で、これを食べたアオムシはお腹を下して死んでしまうのです。

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 この薬を水道水で1000倍希釈にしてからスプレーします。今回は忘れずに展着剤を入れましたが、それでも結構葉に弾かれました。本当に強力なワックス成分です。
 雨が降らなければ効果は2週間くらい持つので、定期的に撒いてアオムシの被害を最小限にしたいと思います。

 

2019年10月5日 液肥槽に落下(移植から41日目)

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 本日は30℃を超える気温だったので、葉が少し萎れ気味です。ところで、先週にはなかった木の角材があるのが分かるでしょうか?

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 実は地上部の重さに耐えられず、スポンジ部分が液肥槽に落下してしまったのです。元の状態に戻そうと試みましたが、根が邪魔をして上手くできませんでした。そのため、枝を木材で支えて直立させています。
 改めてこの品種の説明書きを見ると、結球部分は1.5kgほどになります。まだまだ重くなりますので、どう頑張ってもスポンジの摩擦力だけでは支えきれなかったでしょう。はたしてこの状態で育つのか、観察を続けていきます。

 

2019年10月9日 様子がおかしい(移植から45日目)

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 会社から帰ってきてキャベツの様子を見ると、ちょっとした違和感を感じました。中心部にある2枚の葉がお辞儀をしているのです。

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 これが拡大した画像です。手前と奥の葉が半分に折れ曲がっているのが分かるでしょうか?朝に見た時には、こうなっていなかったはずです。こられの葉を触ってみると、水分が抜けているようなシナシナ具合でした。どうも結球のために丸まっているわけではなさそうです。

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 この株は以前に根朽病にかかったことがあるので、その株元を確認します。暗くてよく分かりませんが、ちょっと茶色っぽく、そして細くなっている気がしました。とりあえず今は様子見です。私の思い違いだと良いのですが…

 

2019年10月10日 葉が萎れる(移植から46日目)

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 不調を発見してから24時間後のキャベツです。なんと、立ち上がっていた葉が無残にも広がっているではありませんか!

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 キャベツは2株栽培していますので、双方が入るように撮影しました。違いが一目瞭然です。
 葉の萎れの原因は、株元が腐る根朽病が再発し、水分を吸い上げにくくなったためと考えられます。残念ですがこの株は諦めて、もう1株の方を見守っていきます。たった1日で姿が様変わりするなんて、病気とは恐ろしいものです。

 

2019年10月14日 病気の確認(移植から50日目)

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 台風のものすごい暴風雨が収まったので、病気キャベツの詳しい様子を確認しましょう。『もしかしたら治るかもしれない』と思い養生していましたが、葉は萎れたままです。

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 根を見ると完全に腐っており、それに伴い液肥が臭いです。一部に新しく生えてきた白い根がありますが、地上部に栄養を行き渡らせるには少なすぎる量です。

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 株元を見るためにスポンジを引っ張ったら、ズルっと滑るように取れてしまいました。根の表皮は病原菌に侵されて軟化しています。確かにこれでは水を吸えないでしょう。
 根と茎が離れ離れになってしまっては、もう育てるのは不可能です。菌を持っていることを考え堆肥にはせずに、燃えるゴミとして処分しました。

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 こちらがもう片方の株です。もし2株を独立して育てず、大きい栽培容器を使って一緒の液肥で育てていたら、こちらも病気になっていたかもしれません。今後はこの株の成長を記録していきます。

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 中心部では結球が始まっています。成長度合いは処分した株と同じくらいです。
 もうこの1株しかないので、病気予防のためにダコニール1000を散布しておきました。美味しいキャベツの収穫のために、できる限りのことをやっていきたいと思います。

 

2019年10月22日 不調(移植から58日目)

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 数日前からキャベツが不調になってきています。結球部分が大きくならないと思ったら、今度は外の葉が垂れ下がってきてしまいました。

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 葉がしおれていることから根のトラブルを疑いましたが、特に変なところはありません。今のところ何が原因なのか分かりませんので、液肥を全交換して様子を見たいと思います。

 

2019年10月27日 エアレーション開始(移植から64日目)

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 液肥の交換をしても調子は戻ってきません。前回と同じように外の葉がしおれ、また結球の成長も感じられないです。

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 一旦、根を引き上げて確認してみます。写真では問題ないように見えますが、どうも先端と株の真下部分が腐っているようです。

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 根腐れのせいで水を吸い上げる力が少なくなったキャベツは、代替策として茎から大量の根を伸ばし始めています。しかしこの根が液肥槽に達しても、また同じように腐る可能性があります。

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 根腐れが起きる原因としては、

・液肥の流れがない
・溶存酸素不足

が考えられます。そこでこの2つを同時に解決するために、エアーポンプ(水心 SSPP-3S)を使った液肥のエアレーションを試してみます。

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 ブクブク中の液肥槽はこんな感じです。浮いていたゴミの動きを見ると、上手いこと撹拌できているようです。これで根腐れが改善してくれると嬉しいのですが、どうでしょうか?再び観察を続けます。
 今、全く同じ環境で育てている赤カブは、何もしなくても順調に育っています。やはり植物の種類によって、適切な栽培条件があるようですね。今後の検討課題にしたいと思います。

 

2019年11月2日 外葉が取れる(移植から70日目)

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 エアレーションを始めてから1週間が経過しました。良くはなっていませんが、悪くもなっていません。ところで先週と比べて、少し小さくなったような気がしませんか?

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 実は、しおれ気味だった外葉が黄色くなり、ポロッと取れてしまいました。やはりダメージが大きかったようです。

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 茎から出ている根をよく観察すると、葉が付いていた「逆三角形」部分から生えているのが分かります。この根はとても太くがっしりとしています。色も真っ白で長く伸び、途中で分岐を繰り返していました。

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 成長のなかった結球部は、心なしかちょっとだけ成長している気がします。
 ダメ元でエアレーションを始めましたが、今のところマイナスの影響はなさそうです。根も伸びていますので、このまま成長をしてくれればと思います。水耕栽培は山あり谷あり、難しいものですね。

 

2019年11月9日 回復基調(移植から77日目)

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 遠目では全く先週と違いがありませんが、確実に回復してきています。

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 結球部分の成長も始まり、見るからに大きくなっています。
 一番の違いは、葉の表面にある撥水ワックス成分が復活したことです。調子が悪かった時は雨を弾きませんでしたが、今は水玉となって転がり落ちてくれます。

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 新しく出た根は増えに増えて、かなり元気が良いです。エアレーションによる撹拌などが効いているのでしょう。やはり茶色味が掛かっていた根は異常だったようです。

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 先週あたりから、葉の数カ所に黒いポツポツが発生しています。今のところ、特に増える様子はありません。キャベツにかかる病気を見ても、特に一致する症状はないです。何もないことを祈っています。

 

2019年11月24日 完全回復(移植から92日目)

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 エアレーションを導入してから1ヶ月…とうとう完全回復をしました!萎れていた葉も、しゃきっと上を向いて成長をしています。

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 結球部分も大きくなりました。指で突いてみると固く、中が詰まっていることが分かります。
 前回報告した葉にあった黒い点々は、特に何も起きませんでした。ただの生理現象だったのかもしれません。

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 茎から出る根は、日を追うごとに増えています。液肥を吸うスピードも早く、このことからも体調が戻っていることを感じています。あとはこのまま何事もなく、結球が進んでくれるのを祈るばかりです。

 

2019年12月1日 鳥に突かれる(移植から99日目)

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 遠目では順調そうに育っているキャベツ…

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 しかしよく見ると、葉が何者かによって食べられていたのです!
 食べられた葉の断面はギザギザしており、もしネズミであれば半円形の食べ跡がつくはずです。かじったと言うよりも、「突いた」感じがします。

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 犯人の手がかりは栽培装置のすぐ横にありました。まだ乾ききっていない鳥のフンが何個も落ちていたのです。ちなみに色は濃い紫で、果実をたくさん食べている雰囲気です。
 実はキャベツの様子を見に行く途中、栽培場所からヒヨドリっぽい鳥が飛び去るのが見えました。もしかしたらこのヒヨドリが、キャベツを食べていたのかもしれません。

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 幸いなことに食べられたのは外葉だけで、結球部分に被害はありません。そこで不織布をかけて、鳥対策を行いました。
 根腐れから回復して喜んでいたのも束の間。収穫まで気を抜けません。

 

2019年12月15日 野球ボールほどの大きさ(移植から113日目)

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 鳥よけに不織布をかけた結果、 突かれる被害はぱたりと止まりました。薄い布1枚でもかなりの効果があるようです。

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 中心部は野球ボールほどのサイズとなっています。2週間前はゴルフボールくらいでしたので、順調に成長中です。このまま行けば年明けには市販サイズになっているでしょう。

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 最近の気温は10℃を下回ることが多いので、 害虫はいなくなったと思っていました。しかし外葉の裏を見たところ、アブラムシが巣を作ってるではありませんか!写真中央のツブツブがアブラムシの大群です。
 もしかしたら不織布の保温効果で、寒さが和らいでいるのかもしれません。 このアブラムシ達はティッシュで拭い取っておきました。 冬でも増えるなんて、何とも厄介な虫です。

 

2020年1月19日 収穫(移植から148日目)

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 気温が低すぎるためか、ここ数週間キャベツはほぼ成長していません。このまま暖かくなるのを待っていると、トウ立ちが始まる可能性があります。ですので今回はこのタイミングで収穫したいと思います。

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 採る前に周りを見ていきましょう。一番外の葉には、やはりアブラムシがたくさん付いてしまっています。最近は取っても取っても駆除しきれないので諦めました。寒いとは言え、今年は昨年よりも暖かい気がします。そのせいでアブラムシが増えたのでしょうか?

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 茎はこんな感じです。スポンジで支えなくても普通に育ちました。

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 根は藻で緑色になっていますが、根腐れはありません。やはりエアレーションが効いたのだと思います。

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 玉の大きさはソフトボールほどです。あの瀕死の状態から良くぞここまで成長したものです。

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 それでは収穫をしましょう。株元をハサミで切り、食べない外葉を落としていきます。

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 これで収穫の完了です。少々小さいですが、しっかりとしたキャベツとなりました。

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 やはり小ぶりなだけあって、スーパーで売ってるものよりも茎の断面積が小さいです。

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 ところでこのキャベツの根はどうなっているのでしょうか?液肥槽から引き上げてスポンジを開けてみると、中心部の根は茶色くなり完全に死んでいました。

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 最も太い根は途中から腐り、そこから下はありません。この症状は栽培を断念したしたもう1つの株と同じです。
 根がなくなったキャベツは、葉に近い生きている茎から根を出して成長したみたいですね。

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 見た目はキャベツですが、中身もキャベツかどうか確認してみます。縦半分に切ってみましょう。

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 パカッ。嬉しいことに、中身も完全なるキャベツです!

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 中はしっかりと締まっており、十分調理に使えるレベルです。

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 収穫したキャベツの重量は520gでした。葉が萎れだした時は「収穫まで行けないかも…」と絶望していたので、これだけの重さがあれば万々歳です。

 

まとめ

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 それでは今回の栽培まとめになります。

  • キャベツの苗を水耕栽培装置に移植し、148日間育てました。途中で根腐れを起こして成長が止まりましたが、なんとか立ち直り収穫できました。

  • エアレーションをしながら育てたところ、根腐れは起きませんでした。もしかしたらキャベツの静置栽培(パッシブ栽培)は難しいのかもしれません。

  • 収穫できたキャベツの重さは500g強でした。中身も締まっており、小振りながらもしっかりとした玉になりました。

 

 キャベツは奇跡の復活を遂げ、無事に食卓に届きました。寒くなったせいで玉が大きくなりませんでしたが、もし根腐れがなかったらもっと大きくなっていたことでしょう。

 リベンジとして、現在エアレーションをしながら新しいキャベツを育てています(水道管の継ぎ手に「つっかえ棒」を通してキャベツを水耕栽培。落下を防げるか試してみます。)。今のところ調子が良く、順調に行けば春に収穫となる予定です。今回育てたキャベツの経験を活かして、次は1kgを超える玉にしたいです。

 それではこれで栽培記録を終えようと思います。最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。