以前に白菜の水耕栽培を試みました(参考記事:①【食害で撤収】水道管の継ぎ手で「ミニ白菜」を水耕栽培。初めての白菜は上手く結球するでしょうか ②水耕で「ミニ白菜」栽培に再チャレンジ。今度こそ収穫までたどり着きたいです)。しかし栽培装置が白菜と合っていなかったためか、根腐れを起こしてしまい育ちませんでした。そこで今季、水耕による白菜栽培に再チャレンジしたいと思います。
根腐れが起きた原因としては、「栽培装置が小さかった」「密植えだった」「根と空気の触れ合う面積が狭かった」ことが考えられます。そこで今回は8Lバケツとザルを使った大型の水耕栽培装置で育てます。1つの栽培装置で1株を育てるので、かなりのスペースを使うことができるはずです。
前回の栽培では種からでしたが、今回はセルトレイ苗から育てます。苗からのスタートであれば栽培期間を短縮でき、もしかしたら年内に収穫できるかもしれないです。中身の詰まった大きな白菜が取れたら非常に嬉しいです。それでは栽培のスタートです。
- 栽培装置
- 液体肥料
- アオムシ・イモムシ対策薬
- 2022年9月3日 根洗い&植え替え(0日目)
- 2022年9月11日 適応中(8日目)
- 2022年9月13日 葉焼けによるダメージ(10日目)
- 2022年9月21日 新しい葉が出る(18日目)
- 2022年9月29日 栽培装置に定植(26日目)
- 2022年10月16日 順調に成長中(43日目)
- 2022年10月31日 葉が立つ(58日目)
- 2022年11月22日 順調に成長中(80日目)
- 2022年12月6日 結球進まず(94日目)
- 2022年12月25日 結球部がなくなる(113日目)
- 2023年1月2日 結球断念&かきとり収穫開始(121日目)
- 2023年1月22日 花芽の発見&栽培終了(141日目)
- まとめ
栽培装置
栽培装置はこの記事《「バケツ&収穫コンテナ」を使った大型野菜用の水耕栽培装置の作り方。本体と支柱を分けることで強度を確保しています》を参考にして組み立てました。
液体肥料
液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。
アオムシ・イモムシ対策薬
葉物野菜の天敵は葉を食害するアオムシ・イモムシです。もし葉を食べられているようでしたら、退治薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」を散布します。希釈倍率は1000倍とし、葉に定着しやすいように展着剤(商品名:ダイン)を加えます。
2022年9月3日 根洗い&植え替え(0日目)
今回の栽培はホームセンターで購入したセルトレイ苗を使います。これらの株は土で育てられているので、根を洗って土を落としましょう。
バケツに水を張って、その中で優しく根を崩していきます。
土を完全に取り除くことはできないので、ある程度のところで止めました。予想以上に根が少なく、地上部との釣り合いが取れていないように感じます。気を付けていましたが、洗っている最中に細かい根が切れてしまったようです。上手く再生してくれるのを祈るばかりです。
3号ポリポットに培地(バーミキュライト)を入れ、根洗いをした株を植え付けます。
植え付け後は液肥をたっぷりと与えました。これで作業の終了です。今後1週間ほどは直射日光が当たらない明るい日陰に置いて、根が伸びてくるのを待ちます。
2022年9月11日 適応中(8日目)
植え付けから1週間が経過しました。当初は倒れ気味だった株がしっかり立ってきました。また葉も大きくなっているのが分かります。
一部の株はポリポットの穴から根が見えて始めています。植え替え後の環境にも慣れていそうですし、本日から直射日光が数時間当たるような場所に移して、成長を促進させます。
2022年9月13日 葉焼けによるダメージ(10日目)
最近は薄曇りの日が続き、植え替えた白菜にとって良い気候でした。しかし昨日は真夏のような強力な日光を直接浴びてしまい、多くの葉が焼けてしまいました。
一部分だけが焼けている葉もあれば、
復活できないような萎れ方をしているものもあります。9月中旬とは言え、強力な太陽光は白菜にとってご法度のようです。
外葉のダメージは酷いですが、中心部の葉は萎れもなく大丈夫です。そのためダメージの多い外葉を切り取り、株が回復するのを待ちます。
右下の株はかなりコンパクトになってしまいました。今後、涼しくなるまでは直射日光が長時間当たる場所を避けて管理をします。
2022年9月21日 新しい葉が出る(18日目)
葉焼けが起きてから1週間がたちました。思っていたよりも回復力が高く、新しい葉が次々と出てきています。これならばひと安心ですね。
ちなみに培地からの水分蒸発を少なくするために、ドーナツ状に切ったアルミ蒸着保温シートを取り付けました。このお陰で水やりの頻度が少し減りました。このシートはポリポットで育苗している間は付けたままにしておきます。
2022年9月29日 栽培装置に定植(26日目)
植え替えから1ヶ月が経過し、ようやく立派な苗となりました。葉が大きくなり枚数も増えたお陰で、最近は液肥を与える頻度が多くなっています。
木漏れ日の下に置いているので、葉焼けをすることはなくなりました。きれいな葉をしています。
中心部はまだ巻く気配はありませんが、新葉がどんどん出てきています。
根の量を確認するためにポリポットから抜いてみました。培地全体に根が回っており、定植するにはベストな状態となっています。
ポリポットでの育苗は本日で終わりにし、バケツ式の栽培装置に定植をしましょう。この白菜はベランダで育てているのですが、スペースの関係で2株のみを植え付けます。4株の中で大きく葉を伸ばしている2株を選びました。
これらの株を栽培装置に定植します。
これにて作業の終了です。今後も強い日差しを避けられる環境に置いて、成長するのを待ちます。
余談ですが、選ばれなかった2株は庭に植えておきました。我が家の庭はナメクジが多いので食べられないか心配です。
2022年10月16日 順調に成長中(43日目)
定植から2週間が経過しました。葉が装置を覆い尽くす勢いで成長しています。
根はザルから出て、液肥槽へと伸びてきました。この白菜は定植から65日ほどで採れる品種だそうです。残りはあと50日。収穫は真冬となりそうですね。
2022年10月31日 葉が立つ(58日目)
横幅は前回の報告時とあまり変わりません。ただ中心部の葉が立ち上がって高さが出てきました。
中心部は渦を巻くように葉が出てきています。もう少ししたら結球が始まりそうですね。
2022年11月22日 順調に成長中(80日目)
特に問題は起こらずに、順調に成長をしています。
結球は進んでおり、中心にある成長点が見えなくなってきました。
2022年12月6日 結球進まず(94日目)
12月初旬になれば玉が大きなり、あとは収穫日を待つばかり…となる予定でしたが、その目論見は外れました。結球部の成長が思ったように進んでいないのです。
こちらの株はようやく先端部がすぼまってきたところです。
もう一方の株は葉が開いており、結球する気配がなさそうです。
結球にはある程度の葉数が必要と聞いたことがあります。ただ、どちらの株も一番外の葉が成長すると黄色くなって落ちてしまうのです。そのため葉の数は増えず、結球が進まないのかもしれません。
ちなみに9月29日に庭に植え付けた苗はナメクジの食害に耐えて、白菜らしい形になっています。水耕栽培の株と比べると株の直径が大きく、1枚1枚の葉が大きいです。やはり土ではないと立派な白菜は収穫できないのでしょうか?さらに観察を続けましょう。
2022年12月25日 結球部がなくなる(113日目)
前回の報告では結球が始まっていましたが、本日見ると完全に葉が開いてしまっています。そして下葉の枯れも止まらないです。
2023年1月2日 結球断念&かきとり収穫開始(121日目)
どちらの株も結球が完全にキャンセルされてしまいました。葉が横に広がり、見た目が葉牡丹っぽくなってしまっています。
下葉は相変わらず、ある程度の大きさになると枯れてしまいます。
葉が枯れるからと言って根の状態が悪いわけではなく、引き上げても根腐れなどは見られません。
結球の「け」の字もない2株です。過去に何度か水耕で白菜を育てましたが、どれも上手く結球できませんでした。もしかしたら私の栽培環境(日当たりや液肥濃度など)では玉を作らせるのは難しいのかもしれません。
なお、庭にある土耕栽培の株はしっかりと結球しており、水耕のものとは姿が全く異なります。もちろん外葉の枯れもないです。やはり白菜の栽培には広いスペースが必要なのかもしれないです。
このまま栽培を終了して株を廃棄することもできます。しかしもったいないので、非結球白菜としてかきとり収穫したいと思います。まずは枯れたり傷んだりしている外葉を取り除きます。
そしてある程度の大きさの葉をハサミで切っていきます。
これで収穫の完了です。2株から約350gが収穫できました。これらの葉は炒め物や鍋の具材として使っていきます。
かきとり収穫後の株は一回りほど小さくなりました。暖かくなって花芽ができるまで、定期的に収穫をしていきましょう。
2023年1月22日 花芽の発見&栽培終了(141日目)
白菜の再生力は高く、かき取り収穫をしても翌週には元の姿に戻っています。むしろこの収穫方法の方が量を調節できるので、料理するには丁度良いくらいです。
今回も収穫しようとハサミを手にしたところ、成長点に蕾が付いているのを発見しました。このままにしておくと茎が伸びてきて、葉が固くなってしまうでしょう。そのため本日の収穫で栽培を終了したいと思います。
最後なので上の方の葉まで採ってしまいます。この収穫量ならば、2~3回分の食事に使えるはずです。
今回の白菜栽培でも結球ができず、とても残念な結果となってしましました。しかし葉自体はたくさん食べることができたので、良しとしましょう。
まとめ
今回はバケツ式水耕栽培装置で白菜を育てました。大きい栽培装置を使用すれば結球した白菜を収穫できるかと思ったのですが、結果としては葉がきっちりと巻くことはなかったです。一方で、土に植えた苗は結球し十分なサイズになったことから、容量が8Lの栽培装置ではまだ小さいのかもしれないです。もしかしたら液肥の種類や培地の量を変えれば結球させることが可能かもしれませんので、まだまだ検討の余地はありそうです。いつの日か締まった大きな白菜を水耕栽培で収穫したいものです。
この記事が白菜栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。