5Lの容器で「ジャンボニンニク」を半水耕栽培。小さめの容器で大きく育つでしょうか?

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 昨年の秋から今年の春にかけて、半水耕でニンニクを育てました(参考記事:ニンニクを半水耕栽培で育ててみます。土耕栽培よりも大きいものを収穫したいです)。収穫したニンニクの中にはスーパーで売っている様な大きさのもあり、栽培は大成功でした。

 そして時はたち、今年の秋になります。秋には何を植えようかな?と思ってホームセンターに行きました。2年続けてニンニクは面白みがないから、ジャガイモにしようかと考えながら歩いていると、棚に面白そうなニンニクを発見してしまったのです。その名も『ジャンボニンニク』です。袋の写真には握りこぶしサイズの巨大なニンニクが写っています。あまりにも異型すぎるニンニクだったので、好奇心に勝てず買ってしまいました。

 今回のニンニクもバーミキュライトを使った半水耕栽培をする予定です。しかし前回と異なるのは、プランターではなく5L容器を使ってみることです。その理由はプランターで育てると重く、移動するのに苦労したからです。5L容器ならば簡単に持ち運べますので、日当たりの良いところに移動したり、雨風を避けるために軒下に入れるなどが楽になるでしょう。ただ容量が少ないので、ちゃんとジャンボサイズになるのかが不安です。何はさておき、植え付けをしてみましょう。

 

 

 

 

ジャンボニンニクの鱗片

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 ジャンボニンニクは巨大で、これが1つの鱗片です。重さは約84gと61gもあり、小さめのニンニクと同じくらいのサイズです。植え付ける鱗片が大きいほど、大きなニンニクに育つようです。
 今までニンニクニンニクと連呼していましたが、調べるとジャンボニンニクは「ニンニク」ではなく、「西洋ネギ」に近い野菜だそうです。若干騙された気分です。それはさておき、どんな味なのかは収穫してからのお楽しみです。

 

栽培容器

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 栽培容器は、以下のようにして作りました。まず、5Lの容器の底に直径8mmほどの穴を8個開け、網を敷きました。ここにバーミキュライトを入れて栽培容器としました。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。半年間育てるので1Lあたり2円で作成できる、コストパフォーマンスに優れたこの液肥がおすすめです。 

 

2019年9月14日 植え付け

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 栽培容器にバーミキュライトを半分ほど入れて、鱗片を置きます。

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 そしてバーミキュライトを流し込み、深さ5cmくらいとなるように植えました。その後たっぷりと液肥を与え、発芽するのを待ちます。
 今回買った種袋には鱗片が2個入っていましたので、栽培容器も2つ用意して植え付けています。鱗片が巨大ですから、出てくる芽も巨大なのか気になるところです。

 

2019年9月28日 根が伸びてくる

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 植え付けから2週間が経過し、やっと変化がありました。容器の底を見ると根が出てきています。こうなれば芽が出てくるのも時間の問題でしょう。

 

2019年10月5日 未だ芽が出ず

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 発根したのですぐにでも芽が出てくると思いきや、全く動きはありません。しかし根は盛んに伸びています。もうしばらく待ちます。

 

2019年10月13日 発芽(発芽から0日目)

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 植え付けから1ヶ月がたった本日、やっと発芽してくれました。今日を「発芽0日目」として、200日を超えるかもしれない記録を付けていきます。
 地上に出てきた芽は、鱗片のサイズ通り大きいです。色はクリーム色で、まだ緑色ではないです。昨年育てた「ホワイト6片ニンニク」の芽は緑色でしたので、やはりネギに近い種なのですね。

 

2019年10月19日 指ほどに育つ(発芽から6日目)

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 発芽から1週間が経過すると、指の長さを超えるほどになりました。今は2枚目の葉が出てきている途中です。このまま成長を見守りましょう。

 

2019年10月26日 チョウの産卵(発芽から13日目)

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 小さかった2枚目の葉もだんだんと成長してきています。こうして見るとニンニクの芽っぽいですが、本当はネギの仲間です。

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 ところで、チョウにとって活動しやすい気温になったのか、葉に卵が産み付けられていました。孵化してもこのジャンボニンニクの葉を食べるとも思えませんが、念のためティッシュで拭っておきました。
 最近は朝晩が涼しいを通り越して、寒いくらいとなっています。先日はとうとう車のヒートシーターを入れてしまったほどです。本格的な冬になると成長が滞りますので、この秋にできるだけ大きくなってほしいものです。

 

2019年11月2日 かなり成長(発芽から20日目)

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 棒みたいだった芽は、ここまで大きくなりました。最近の気温は15~25℃なので、この気温が一番成長するのかもしれません。

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 現在の葉の枚数は5枚です。寒くなる前にもう少し増えそうですね。

 

2019年11月16日 指の太さほどの茎(発芽から34日目)

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 ジャンボにんにくは、前回よりも葉が横に葉が広がってきています。防虫ネットを掛けなくても虫が付かないので、育てるのがとても楽です。

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 茎の太さは指ほどとなりました。あの巨大な鱗片ができるのですから、きっとさらに太くなるのでしょう。

 

2019年12月29日 葉が垂れる(発芽から77日目)

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 寒さが本格的になってきたのか、葉先が少し枯れてきています。また途中で折れ曲がっている葉も見受けられます。

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 前回から1.5ヶ月が経過した割には、茎は太くなっていません。このまま春まで「待ち」になりそうです。

 

2020年1月25日 ちょっと成長(発芽から104日目)

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 前回の写真と比べると、中心にあるねじれた葉が成長しているのか分かりますね。

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 寒さに当たったからか、葉の一部が赤っぽく変化しています。

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 株元の太さは人差し指を超えてきました。
 試しにこの下を軽く掘ってみましたが、特に何も起きていませんでした。まだまだお休み中のようです。

 

2020年2月23日 目覚め(発芽から133日目)

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 今までほぼ動きのなかったジャンボニンニクですが、とうとう休眠から目覚めたようです。新しい葉が中心部から伸びてきています。

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 茎も太くなり、現在指1.5本分ほどです。

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 これだけ太いのだからもしかして…と思って再び株元を掘ってみました。しかしやはり球根になっている形跡はなく残念です。もう少し暖かくにならないとダメなようですね。

 

2020年3月15日 色が斑な葉(発芽から155日目)

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 昨日、まさかのみぞれが降りました。しかしジャンボニンニクには全く影響がありません。強いものです。

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 葉が濃い緑と薄い緑の斑になってきました。これから濃い緑一色に変化するのでしょうか?

 

2020年3月22日 液肥槽を増設(発芽から162日目)

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 前回から7日が経過しました。しかし葉の斑模様はなくなる気配はありません。原因を調べていたところ、もしかしてこれは「栄養不足」で起きているのではないでしょうか?そこで新たに液肥槽を増設し、常に液肥が培地へ補給されるように改良します。
 栽培容器と同じ容器を用意し、この中に底上げ用の小型タッパーを入れて液肥を注ぎます。そしてジャンボニンニクを重ね、液面の位置を調整すれば作業完了です。この状態で来週まで待ち、葉の斑が改善するか確かめます。

 

2020年3月28日 斑は改善?(発芽から168日目)

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 ジャンボニンニクは病気や害虫などの被害はなく、普通に成長をしています。何となくパイナップルを連想させる佇まいです。

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 株元はさらに太くなり、指2本分となりました。

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 液肥槽を増設して1週間がたちました。葉の斑は少し減ったような、減っていないような…てっきり深緑になるかと思いきや、薄緑の部分が優勢になった気がします。もうしばらく様子を見ましょう。

 

2020年4月11日 茎が伸びる(発芽から183日目)

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 葉の色は特に変化なく、どうも前回の状態が普通なようです。4月になり気温が上がったせいか、ジャンボニンニクの活動が再開しています。

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 以前は葉と葉の間が空いていませんでした。しかし今は数cmずつ間隔が空いているのが分かります。収穫まであと1ヶ月ほどですので、栄養をしっかりと貯めて大きな球根になってほしいです。

 

2020年5月2日 トウ立ち(発芽から204日目)

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 ジャンボニンニクの栽培も200日を超えました。今までは液肥槽を増設して育てていましたが、根腐れを防止するために取り外しました。これからは以前と同じように、培地が乾き気味になったら液肥を与えます。
 ところで、先端部に何か矢じりみたいなものが立っているのが分かるでしょうか?

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 そうです、ジャンボにんにくのトウです。このままだと花の方に栄養分が取られてしまうので切ってしまいます。

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 特に抵抗感はなく、簡単に切れました。ニンニクの香りがするかと思って切り口に鼻を近付けたのですが、ネギっぽい臭いでした。

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 ちなみに切ってから数分たつと、本体の方から液体が染み出してきました。試しに舐めると、ネギ風味の苦い味がしました。決して美味しいものではなかったです。

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 トウの中がどうなっているのか興味がわいたので、縦半分に切りました。中には小さいマラカス状の蕾がたくさん入っていました。これが開花するとネギ坊主になるのですね。

 

2020年5月16日 葉先が枯れる(発芽から218日目)

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 ジャンボニンニクは気温が上がるにつれて、元気がなくなってきています。全体的に葉が垂れ下がり気味です。

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 そして葉先は枯れ始めています。そろそろ収穫時期に近付いてきたのでしょう。

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 株元を見ると、表皮が裂けているのを発見しました。この下には大きい球根があるのかもしれません。収穫するのが楽しみです。

 

2020年5月29日 裂けが広がる(発芽から231日目)

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 もう半袖で良いくらいの気温になっています。5月の中旬には地上部が枯れて収穫…と思っていましたが、ジャンボニンニクはまだ耐えています。

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 株元の裂けはかなり広がっており、中心部が見えてしまうほどです。これは大丈夫なのでしょうか?

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 培地を掘り返すと鱗片らしきものが成長しています。かなり大きいです。

 

2020年6月5日 収穫(発芽から238日目)

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 前回の報告後から枯れが一気に進行し、とうとう倒れてしまいました。緑の部分は上の方だけで、その色もくすみ気味です。

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 下の葉や茎は乾燥して完全に茶色くなっています。

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 これ以上待っても成長はないと思うので、お楽しみの収穫に移りましょう。茎を持って上に引っ張り上げます。しかし片手では全く抜けません。一旦カメラを置いて、右手で容器を押さえながらもう一度チャレンジします。

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 ズポッと抜けると、何かとんでもないものが出てきました…とりあえず周りに付いている培地を振るい落とします。

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 すると巨大な球根が姿を現しました。近付いて観察しましょう。

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 本当はきれいな逆ハート型になる予定でしたが、鱗片が巨大化したため表皮が割れてしまっています。

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 付け根には小さなニンニク?が5個くらい生えていました。

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 根は土留めのネットを通り抜けて、好き勝手に伸びています。それでは根を切って、肥大化部をきれいに洗いましょう。

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 これで収穫の完了です。割れてしまったせいでニンニクっぽさがありませんが致し方ないですね。

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 手に乗せると確かにジャンボサイズで、名前に恥じない大きさになりました。鱗片の数は4個で、それぞれは植えた時の鱗片と同じ大きさに近いです。5L容器での栽培は、予想を遥かに超える大成功でした。

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 ちなみに今回の栽培では鱗片を2つ育てており、もう片方がこちらになります。サイズは少し小さめですが、ニンニクらしいきれいな形となりました。

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 収穫したジャンボニンニクはすぐに使わないので、葉を縛って軒下に吊るしておきます。これでいつでも使えるでしょう。

 

まとめ

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 それでは栽培のまとめになります。

 

  • ジャンボニンニクは栽培238日目で収穫できました。土でなくてもバーミキュライトと液肥だけで十分な大きさに育ちました。

  • 栽培中、特に病気にかかることはなかったです。また害虫の被害もありませんでした。

  • 収穫した鱗片は、植え付けした鱗片と同じくらいのサイズとなりました。まだ干している途中なので、どんな味なのかはお楽しみです。


 正直に言うと、5Lの容器でこれほどのジャンボなニンニクが育つとは思ってもいませんでした。もっと大きな容器を使えば、さらに大きくなるのか気になるところです。

 まだ試食はできていませんが、栽培記録としては完結しているので終わりにしようと思います。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。育てられないと思っていても、実は育ったりするので、何事にも挑戦してみましょう。