二十日大根のトレイ栽培に挑戦中。長卵型ですが、セルの中で育つでしょうか?

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 今年の夏はプラグトレイを使った「トレイ栽培」に挑戦をしています。調べると、水菜や小松菜と言った葉物野菜は問題なくできるそうです。そこで気になったのが、大根はできるのか?です。1シート72セルの場合、セルのサイズは幅3.5cm×奥行き3.5cm×深さ4cmです。さすがにフルサイズの大根は無理ですが、二十日大根ならば育てられそうです。

 二十日大根にも色々な品種があり、カブのように丸いもの、縦長の楕円形になるもの、ミニサイズの大根があります。その中でも今回は、根の大きさが数cmの長さに伸びる長卵型の二十日大根を選びました。この二十日大根をセルトレイを使って栽培したいと思います。

 

 

 

 

二十日大根の品種

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 二十日大根の名称は「紅白はつか大根」で、品種名は『フレンチブレックファスト』となります。写真の通り、根が少し縦に長いので、プラグトレイの底に着かないか心配です。

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

 

栽培場所

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 夏は日光が強すぎて、葉が縮れたり枯れたりする葉焼けが起きる可能性があります。そこで遮光率22%の寒冷紗を設置し、その内側で栽培します。

 

アオムシ・イモムシ対策薬

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 葉物野菜の天敵は葉を食害するアオムシ・イモムシです。そのためこれらの対策薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」を定期的に散布していきます。希釈倍率は1000倍とし、葉に定着しやすいように展着剤(商品名:ダイン)を加えます。

 

2020年8月2日AM 種蒔き

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 栽培装置はこの記事《カブのトレイ栽培に挑戦中。水耕栽培を応用して土の代わりにバーミキュライトを使ってみます》を参考にして組み立てました。
 液肥で湿潤させた培地に種を1セルあたり4個蒔き、覆土は3mmほどとしました。トレイに液肥はまだ入れずに、室内の涼しい場所に置いて芽が出てくるのを待ちます。

 

2020年8月3日PM もうすぐ発芽

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 種まきから1日で、芽が地上に出てきました。しかし種の蒔いた場所が浅かったのか、株が倒れたり根が地上に見えているものがあります。

 

2020年8月4日 発芽(発芽から0日目)

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 双葉が開きましたので、本日を「発芽から0日目」として栽培記録を付けていきます。

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 発芽自体はしましたが、やはり地上に根が見えているものが多い印象です。発芽失敗とまでは言えませんが、リカバリーはできそうな程度です。

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 倒れている株を起こし、株元の培地を整え、場合によっては新しいバーミキュライトを盛土しました。これで大丈夫でしょう。
 また発芽したので、これからは水切りトレーに液肥を貯めて栽培していきます。量はプラグトレーの底面に触れる程度とし、少なくなったらその都度補給していきます。

 

2020年8月6日 撤収&蒔き直し(発芽から2日目)

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 困ったことに、二十日大根は徒長してしまいました。完全にかいわれ大根状態です。長いものでは丈が3.5cmにもなっています。

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 根張りが弱いものはバランスを崩して、写真のように倒れてしまっています。ここまで伸びると手の施しようがありません。
 原因を調べた結果、二十日大根は高温だと徒長しやすいとのことでした。寒冷紗を掛けているとは言え、ここ最近の天気は晴れ、気温は33℃です。ベランダで育てているので、照り返しにより実際はもっと暑い可能性もあります。

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 今回の発芽は徒長により失敗とし、一旦全て抜きます。プラグトレイの底から出でいる根も、できるだけ取り除きました。

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 そして新しく種を蒔きます。種は1セルに2粒とし、深さは1cmとします。割り箸に印を付け、これで培地に穴を開けると深さが均一になりました。

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※写真は8月7日に撮影

 暑さによる徒長対策として、装置を遮光率10%の防虫ネットで包み、寒冷紗の内側に置きました。写真では床に置いていますが、実際には左側にある棚の中段に乗せます。
 この他にも、徒長には過剰な水分も関係してそうなので、双葉が大きくなってから液肥を水切りトレイに入れたいと思います。
 もしこれでも徒長するようならば、時期を変えるしかなさそうです。結果はどうなるでしょうか?

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 ちなみに抜き取った徒長二十日大根は、根を切り落として洗い、サラダの具となりました。ピリッとした辛味があって美味しかったです。

 

2020年8月8日 発芽(発芽から0日目)

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 8割ほどの種が発芽しました。まだ芽のないセルもありますが、明日には出ているでしょう。

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 今のところ、前回のように徒長している株はありません。
 これからは培地が乾き気味になったら液肥を与えます。その際、水切りトレイには溜めないように注意します。成長して給水が追いつかなくなったら、そのタイミングでトレイに液肥を張る予定です。

 

2020年8月13日 間引き(発芽から3日目)

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 「二十日」大根なだけあって、発芽から3日目でここまでの大きさになりました。茎の伸びは前回よりも抑えられている気がします。

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 成長速度が早いので、放おっておくとすぐに過密状態になってしまうでしょう。そこで1セル1株となるように間引きます。

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 これで作業は完了です。後は株元が太くなるのを待つだけです。

 

2020年8月17日 本葉の展開(発芽から7日目)

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 茎が伸び気味なことを除けば、順調に成長しています。全ての株は本葉が出てきており、その数は2〜3枚となっています。

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 さすがにまだ株元の肥大化は見られません。いつ太くなるのか楽しみですね。

 

2020年8月22日 倒れる株(発芽から12日目)

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 本葉がかなり大きなってきており、液肥の消費スピードが早くなってきました。そのため3日前から水切りトレイに液肥を貯めて育てています。

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 白い根が水切りトレイの隙間から出てきているのが分かりますね。 

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 今までは立っていたのですが、先日の風により多数の株が倒れてしまいました。写真の株は奥側に向かって寝そべっています。土寄せができないので、とりあえずはこのまま育てます。

 

2020年8月23日 肥大化開始(発芽から13日目)

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 昨日は何ともなかったのに、今日見たら株元が膨らんでいるものを発見しました。今が発芽から13日目なので、もしかしたら20日目には収穫できるかもしれないです。

 

2020年8月29日 収穫できず(発芽から19日目)

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 前回よりもかなり葉が成長しています。

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 『もしかしたら今日採れるかも』と思っていましたが、予想よりも肥大化スピードが遅くて無理でした。そもそもまだ太くなっていない株もありますので、収穫はもう少し先となりそうです。

 

2020年9月5日 遅い肥大化(発芽から26日目)

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 二十日大根の葉はよく育っているのですが、肝心の実が太くならないです。

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 株元は先週よりも少し大きくなった程度です。

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 肥大化が遅い原因として、日当たりがあまり良くないことが考えられます。
 二十日大根は4段ラックに乗せて育てています。もちろん他の野菜もありますので、日当たりが均一になるように1段目→2段目→3段目→4段目→1段目…と場所を1日ごとに変えています。1段目は最も日光が当たりますが、下になるにつれて日当たりが悪くなります。もしかしたら、二十日大根にとって、これでは当たる光が少ないのかもしれません。

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 解決策として、明るい1段目に固定することにしました。これで様子を見ましょう。

 

2020年9月8日 水切れ(発芽から29日目)

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 今日は久しぶりに34℃に達する暑い日でした。そのため予想以上に液肥が消費され、水耕栽培では決してやってはならない「水切れ」を起こしてしまいました。
 写真は帰宅後すぐに撮った二十日大根で、時間は夜の7時です。水切りトレイには液肥が全くなく、根はカラカラに乾燥しています。葉は垂れ下がり気味で、特に左側が酷い状況です。

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 一部の葉は回復しないであろうレベルまで、水分が抜けています。すぐに液肥を補給して回復するのを待ちます。

 

2020年9月12日 撤収気味の収穫(発芽から33日目)

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 先日の水切れは大事には至らず、無事普段の姿に戻りました。

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 日当たりを良くした結果、実の太りが良くなったように感じます。しかし中には右側の株のように、全く変化がないものもあります。これはちょっと困ったことになりました。
 近頃、やっと気温が下がってきて、秋野菜の種蒔きができるようになりました。本当はこのまま実が大きくなるのを待ちたいのですが、栽培スペースは限られています。そこで今回の二十日大根は成長が芳しくないこともあり、収穫することに決めました。

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 収穫は葉を束ねて上へ引き上げます。葉にはトゲがあり、刺さると痛いです。

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 持ち上げたら培地ごと抜けてしまったので、流水できれいに洗います。

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 これで二十日大根の収穫完了です。想像していたよりも実が小さいです。

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 この調子でどんどん抜いていきます。収穫した全ての株を手に持つと、実よりも葉の方が何倍量もあります。こちらを食べた方が良いのではないでしょうか?

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 実の直径は1cmほどです。「紅白はつか大根」なだけあって、赤と白に分かれています。しかし表面は綺麗とは言えず、黒いシミみたいなものが何箇所にあります。

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 収穫した実を種類ごとに選別しました。左から、

・肥大化しなかった株
・少し肥大化した株
・赤くならなかった株

です。同じ条件で育てているにも関わらず、ここまで違いがありました。

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 こちらは比較的形が良い株となります。この二十日大根の品種は、地上部に出ている部分が赤く色付くようです。左側は実の下半分が埋まっていた株、右側はほぼ全部が埋まっていた株です。根本がぐらついているからと言って土寄せをすると、赤色にならないかもしれませんね。

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 最後に試食です。皮の色が気になったので剥いてみました。すると色が付いているのは表面だけで、中は白色です。
 食感はシャキシャキとしていて、普通の大根よりも私の好みです。少し辛味があるので、サラダに入れると良いアクセントになるでしょう。

 

まとめ

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 今回の二十日大根は思っていたよりも実の成長が遅く、撤収気味での収穫となってしまいました。また肌も綺麗な赤色とは言えなかったので、もう少し栽培方法を工夫する必要がありそうです。

 この記事が二十日大根の水耕栽培のお役に立てれば幸いです。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。