プラグトレイで「山東菜(べか菜)」を再栽培。今度は収穫時期をきちんと守ります

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 前回、5Lの容器を利用して山東菜を6株育てました。しかし欲を出して大きくした結果、繊維が固くなってしまい、あまり美味しくはなかったです《「山東菜」を水耕栽培しています。成長が早いらしいので40日ほどで収穫したいです》。やはりこの品種は株が小さいうちに収穫するのが良さそうです。それならば限られた面積で多収ができる、トレイ栽培が適していそうです。

 トレイ栽培とは、育苗で使う「プラグトレイ(セルトレイ)」と「水切りトレイ」を利用した栽培方法です。今回は扱いやすいように、72穴のセルトレイを4×6セルに切って使います。株間は4.5cmとかなり狭いですが、本葉4~6枚で採るので大丈夫でしょう。

 5月に山東菜を育てた時の経験から、発芽から1ヶ月程度で収穫ができそうです。種蒔きは最も暑い8月なので、直射日光で弱らないように対策をして育てていきます。それでは山東菜のトレイ栽培を始めましょう。

 

 

 

 

山東菜の品種

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 今回はこの「山東菜(みやこべか菜)」を栽培します。
 『べか菜』の由来を調べると、明治時代、小型の菜っぱが《べか舟》と呼ばれる小さな船で東京の市場に出荷されていたため、この名前が付いたとのことです。

 

液体肥料

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 液体肥料には、微粉ハイポネックスを水道水で1000倍に希釈したものを使用します。

 

栽培場所

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 夏は日光が強すぎて、葉が縮れたり枯れたりする葉焼けが起きる可能性があります。そこで遮光率22%の寒冷紗を設置し、その内側で栽培します。

 

アオムシ・イモムシ対策薬

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 葉物野菜の天敵は葉を食害するアオムシ・イモムシです。そのためこれらの退治薬である「STゼンターリ顆粒水和剤」を定期的に散布していきます。希釈倍率は1000倍とし、葉に定着しやすいように展着剤(商品名:ダイン)を加えます。

 

2020年8月8日 種蒔き

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 栽培装置はこの記事 《カブのトレイ栽培に挑戦中。水耕栽培を応用して土の代わりにバーミキュライトを使ってみます》を参考にして組み立てます。
 液肥で湿潤させた培地に深さ1cmの穴を3個空けました。ここに種を1個ずつ蒔き、覆土をします。穴をあける際には印を書いた割り箸を使い、均一な深さにしました。水切りトレイに液肥はまだ入れずに、屋外に置いて芽が出てくるのを待ちます。

 

2020年8月10日 発芽(発芽から0日目)

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 双葉が開いたので、本日を「発芽から0日目」として栽培をしていきます。やはりアブラナ科の発芽率や発芽日数は優秀です。

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 ちなみに左上のセルが空なのは、液肥の水位を確認する用です。今は使いませんが今後育ってきたら、このセルに溜まる液肥で量を確かめたいと思います。

 

2020年8月13日 間引き(発芽から3日目)

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 発芽率はほぼ100%と、素晴らしい結果となりました。双葉が大きくなり株同士が触れ合っていますので、間引きを行います。

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 1セルに1株となるように間引いていきます。

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 これで間引きの完了です。今は双葉の間から小さな本葉が見えている状態です。山東菜は成長が早いので、この本葉もすぐに大きくなるでしょう。

 

2020年8月17日 本葉が3枚(発芽から7日目)

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 35℃を超える暑さにもかかかわらず、べか菜は順調に成長しています。

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 発芽してから1週間で本葉が3枚となりました。この成長スピードだと、週末にはトレイ一杯にまで広がっていそうです。

 

2020年8月22日 液肥の投入(発芽から12日目)

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 葉が大きくなり、液肥の補充回数が増えてきました。そこで水切りトレイに液肥を溜めることにします。しかしただ液肥を入れるだけでは藻が生えるので、遮光も同時に行います。

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 まず水切りトレイとプラグトレイの間に黒ビニール袋を詰めます。そして水切りトレイの周りを黒い不織布で覆います。これにより光が入りにくくなって藻が生えなくなります。また直射日光が当たらなくなるので、液肥温度が上がるのも防止できます。

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 実際の姿がこちらです。色々試したところ、不織布は洗濯バサミで止めるのが1番良かったです。この状態で収穫まで育てていきます。

 

2020年8月29日 1次収穫(発芽から19日目)

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 べか菜は急成長し、全体的にこんもりとしています。

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 今のところ害虫による被害は0で、きれいな葉を維持しています。それにしても鮮やかなライトグリーンです。

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 このペースで成長をすると、来週にはかなり窮屈になっていそうです。そこで株の半分を収穫して、スペースを空けましょう。

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 千鳥となるように、1セル飛ばしで採っていきます。

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 これが1次収穫分です。重さは11株で50gでした。

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 残りはもう少し成長させます。次の週末には2次収穫ができるでしょう。

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 収穫したべか菜は、浅漬けの素に漬けて食べました。葉や茎は繊維分が少なく、とても美味しかったです。
 ちなみにサラダにできるか調べるために、生でも食べました。しかし白菜のような臭みがあり、無理をすれば食べられるかな?程度です。正直、サラダの具材としては使わない方が良いでしょう。

 

2020年9月5日 2次収穫(発芽から26日目)

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 前回より1週間が経過しました。スカスカ気味だったトレイは、緑色の葉で埋まっています。

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 茎は太すぎず細すぎずの良い具合です。これなら漬物でも柔らかいでしょう。 

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 1枚の葉がアオムシに食べられていました。穴は小さいので、まだ生まれたてのようです。裏を見たら隠れていたので、取り除いておきました。それでは2回目の収穫をしましょう。

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 今回は片手で持つにはギリギリの量となりました。重さは12株で132gです。前回が11株で50gだったので、約2.5倍成長したことになります。このべか菜も先週と同じく浅漬けにしました。こちらも繊維が柔らかくて美味しかったです。

 

まとめ

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 セルトレイでのべか菜栽培は成功しました。収穫までの期間は1ヶ月を切る26日間と、非常に成長が早かったです。今回は2次収穫で全てを採りましたが、一部を残して3次収穫に備えても良いです。また期限を定めず、使う分だけその都度収穫するのもOKです。べか菜の栽培、おすすめです。